【連載】つげ義春「ガロ」時代 あとがき text 正津勉

  あとがき   つげ義春―「ガロ」時代。ようやくのことその歩みを辿ってここまできた。つげの「ガロ」。それはそっくりわが60年代後半、京都時代、20代前半とかさなるのである。 いうならばこの年回りのつ

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第8回 text 正津勉

  第八章 ゲンセンカン主人  幽霊 では あり ません か   「ゲンセンカン主人」(1968・7)、「ねじ式」(前月・増刊号)、つげ「ガロ」時代の頂点に位置する作品である。この両作をとき同じくして

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第7回 text 正津勉

第七章「ねじ式」   テッテ的に   「ねじ式」(「ガロ増刊号 つげ義春特集」1968・6)は、事件であった。 「ねじ式」とは、いったい何なるのか。いまこの一編を要約するなどとは、はなから無理な相談というものだ

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第6回 text 正津勉

第六章 海辺の叙景  眩く暗む海  * つげは、海の子である。ついては第一章でこちらは、このように書いている。「つげは、海浜と縁深く、幼時、伊豆大島に育った(参照、自伝的作品「海へ」1987)。4歳、母ますの郷里大原町の

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第5回 text 正津勉

第五章 ほんやら洞のべんさん  この世のはてへの道ゆき   本章は、「この世のはてへの道ゆき」、と副題する。ここからはいわゆる、旅物に属する作品、それをみてゆきたい。       65年秋、おもえば房総大多喜は

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第4回 text 正津勉

  第4章 峠の犬  ワカラン ナモカモ    「沼」(66・2)、翌月発表の「チーコ」。さきにみたように両作ともに漫画界において不評よろしかった。その後、「ガロ」への新作発表は、水木しげるのピンチヒ

【連載】つげ義春 「ガロ」時代 第3回 text 正津勉

第三章 李さん一家 地べたを這いずり  「チーコ」 * 第一章「沼」、第二章「紅い花」。これらの二章に「ある秋の旅から」と副題している。そうして房総の旅籠での短い滞在それが、突如、つげ漫画の開花を招いた様相を跡付けてきた

【連載】つげ義春 「ガロ」時代 第2回 text 正津勉

  第二章 紅い花 ある秋の旅から**    「沼」から * 「紅い花」。これからは第二章のはじまり。ここに俎上にするのはつとに世にきこえるこの名作である。 「沼」(66・2)は、つげの名前を「ガロ」誌上に刻印

【連載】つげ義春 「ガロ」時代 第1回 text 正津勉

はじめに 1964年4月、18歳。わたしは福井の山奥の高校を卒業、同志社大学に入学。文学研究会に入会した(半年後退会)。そこで厄介な御任と出会っている。 清水昶(あきら)(1940~2011)。5歳年上、学年2級上、詩人