【新刊】ドキュメンタリーマガジン neoneo12号 総特集「沖縄のドキュメンタリー」

9月中旬発売! ドキュメンタリーマガジン「neoneo」#12 総特集 「沖縄のドキュメンタリー」 お待たせいたしました! 1年ぶりのドキュメンタリーマガジン「neoneo」12号は、「沖縄とドキュメンタリー」の総特集で

【自作を語る】島々の音楽を繋ぐ奇跡のアンサンブル!『大海原のソングライン』の制作バッググラウンドストーリー text ティム・コール

このプロジェクトは最初から音楽、映画、コンサートの3つがクロスオーバーすることを念頭に置いて企画しました。音楽を録音しながら映画を撮り、また映画からコンサートへと繋がります。文字の読み書きが始まる前のオーストラリアの先住

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第7回 text 正津勉

第七章「ねじ式」   テッテ的に   「ねじ式」(「ガロ増刊号 つげ義春特集」1968・6)は、事件であった。 「ねじ式」とは、いったい何なるのか。いまこの一編を要約するなどとは、はなから無理な相談というものだ

【Review】なぜこれほどまでに性は人を傷つけるのだろう〜アディナ・ピンティリエ監督『タッチ・ミー・ノット ~ローラと秘密のカウンセリング~』text 長谷部友子

「なぜこれほどまでに性は人を傷つけるのだろう?」 それは私の長年の疑問であり解けない謎の一つだった。性が孕む何がそれほどまでに人を傷つけるのか、私にはどうしても理解ができず、その疑問を解くための端緒となるような作品だった

【文学と記録②】古井由吉と赤牛 text 中里勇太

 小説において、作者と近しい登場人物が記憶を語るとき、作者自身が辿ってきた道行きを背景にして読めば、語られた記憶は時代証言となる「記録」の側面をもついっぽうで、小説において語られる記憶には、作中人物の記憶ともうひとつ、記

「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第33回 『小津安二郎の世界』

「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第33回 『小津安二郎の世界』 小津安二郎の唯一の肉声録音と、代表作の数々の名場面を収録した記念盤。 あの厳格な〈小津調〉のイメージを一切忘れ耳だけで小津に接すると、 何が浮かび

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.25 大森康宏(映像人類学者)インタビュー text 金子遊

 大森康宏さんは日本を代表する映像人類学者である。若かりし頃にフランスへ留学し、ジャン・ルーシュから直接、映像制作の方法を習ったことは有名である。その後、フランスのロマである「マヌーシュ」に関するドキュメンタリー映画を完

【Review】のこされた歌、うたわれる今――『タゴール・ソングス』 text 菊井崇史

 レコード盤に針が落とされ、歌が聴こえはじめる。そして、流れる旋律にのった歌声の詞が「もし 君の呼び声に誰も答えなくてもひとりで進め」との意をもつことともに、その曲が「ベンガル分割反対運動時の一九〇五年のタゴール・ソング

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第6回 text 正津勉

第六章 海辺の叙景  眩く暗む海  * つげは、海の子である。ついては第一章でこちらは、このように書いている。「つげは、海浜と縁深く、幼時、伊豆大島に育った(参照、自伝的作品「海へ」1987)。4歳、母ますの郷里大原町の

【Review】『ハニーランド 永遠の谷』サスティナブルとそうでないもの 異なる信念が交差する text 宮﨑千尋

『ハニーランド 永遠の谷』はバルカン半島の奥深く山岳地帯の孤立したエリアでの3年、そして400時間以上にも及ぶ撮影映像から抽出された、一人の女性の信念の物語である。と同時に、世界規模の環境問題へ警鐘を鳴らす作品でもある。

【Review】ある作家の6日間が映し出す「凍てつき」の時代ーー『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』 text 吉田晴妃

セルゲイ・ドヴラートフは「20世紀で最も輝かしい」ロシア人作家の一人と言われているようで、彼の人生については、邦訳された小説『わが家の人びと』(成文社)巻末にある訳者の沼野充義氏による解説に詳しい。「まず必要なのは、すで

【文学と記録①】後藤明生と土筆 text 中里勇太

 文学、殊にフィクションである小説において「記録」とはなにか。小説のなかに描かれる歴史的事件や社会事象、社会風俗に加えて、ときには作者と近しい存在である登場人物の生活なども、そこに含まれるのだろう。いっぽうで、小説がフィ

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.24 ダルデンヌ兄弟インタビュー text 金子遊

   世界的な映画の巨匠として知られるジャン=ピエール・ダルデンヌと、リュック・ダルデンヌの兄弟だが、もとはドキュメンタリー畑の出身であることはあまり知られていない。1970年代半ばからベルギーのブリュッセルを

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第5回 text 正津勉

第五章 ほんやら洞のべんさん  この世のはてへの道ゆき   本章は、「この世のはてへの道ゆき」、と副題する。ここからはいわゆる、旅物に属する作品、それをみてゆきたい。       65年秋、おもえば房総大多喜は

【column】『傍観者あるいは偶然のテロリスト』―ドキュメンタリーの垣根を越えてー text 後藤和夫

私がこの作品を作ろうと思ったのは、しばらく前に一つの劇映画のプロットを思いついたことから始まる。 タイトルは『偶然のテロリスト』。若き日本人ジャーナリストがイスラエルで自爆テロを行う。その男の友人であった老ジャーナリスト

【連載】LA・ドキュメンタリー映画紀行 〈1〉北米のドキュメンタリー映画研究事情――研究者コミュニティの歴史と現在 text 中根若恵

映画の都・ロサンゼルスと聞くと、誰もが真っ先にハリウッドの華々しいイメージを連想するかもしれない。一年を通して温暖でカラっとした心地のよい気候のもとに発展したハリウッドの映画文化は、グローバルな伝播を通じてロサンゼルス、

【Review】詩人が誘われる記憶の街――ビー・ガン『凱里ブルース』text 村松泰聖

9年の刑期を終えて出所を果たした、とある詩人の男。ところが、彼の妻はすでにこの世を去っており、家を奪われた弟の態度は冷たく素っ気ない。孤独となった詩人は、亡き母の追憶に浸りながら、故郷に小さな診療所を開くことになる。貴州

【連載】「視線の病」としての認知症 第16回 長すぎる休日 text 川村雄次

「視線の病」としての認知症 第16回 長すぎる休日 (前回第15回はこちら)  前回は「なぜ声をあげたのか」について書いた。今回は、その声が忘れられた理由について書く。つまり、「なぜミッシングリンク(失われた環)になった

【Review】 『セノーテ』― 潜り、蘇る古代マヤの両義性 text 長本かな海

はじめてスキューバーダイビングをした時、はじめてモノをモノとしてみたような気がした。海中の生物の知識がない私にとって海の底は混沌への入り口だった。ゴツゴツした岩に張り付いたいびつな物体や、なめらかでヌルヌルしたもの、触っ

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第4回 text 正津勉

  第4章 峠の犬  ワカラン ナモカモ    「沼」(66・2)、翌月発表の「チーコ」。さきにみたように両作ともに漫画界において不評よろしかった。その後、「ガロ」への新作発表は、水木しげるのピンチヒ

【連載】「視線の病」としての認知症 第15回 ミッシングリンク text 川村雄次

「視線の病」としての認知症 第15回 ミッシングリンク (前回 第14回 はこちら)   今回書こうと思うのは、 「ミッシングリンク」についてである。それはもともと生物進化の用語で、AがCになるには間にBがある

【Book Review】「なおす」ために何が必要か――青野文昭『NAOSU』 text 五十嵐拓也

「なおす」ことのズレ  2017年の展覧会「コンニチハ技術トシテノ美術」で展示された青野文昭の《なおす・それぞれの欠片から――無縁の声・森のはじまり――1997-2017》を見た時、赤い自動車が描かれた箪笥の作品に触りた

【連載】つげ義春 「ガロ」時代 第3回 text 正津勉

第三章 李さん一家 地べたを這いずり  「チーコ」 * 第一章「沼」、第二章「紅い花」。これらの二章に「ある秋の旅から」と副題している。そうして房総の旅籠での短い滞在それが、突如、つげ漫画の開花を招いた様相を跡付けてきた