【Review】なんのためにいのちをなげうつかー『ラッカは静かに虐殺されている』 text 井河澤智子

『ラッカは静かに虐殺されている』ショッキングなタイトルだが、これは2014年にラッカを制圧した「IS」に対抗すべく、密かに市民によって結成されたジャーナリスト集団の名称である。 2011年以降混迷を極めるシリア内戦。20

【小特集★世界の映画祭】ベルリンで存在感を増すドキュメンタリー「ドック・サロン」今年から text 植山英美

『アクト・オブ・キリング』プロデューサーシーネ・ビュレ・ソーレンセンも登壇のセミナー ベルリン国際映画祭映像マーケット部門EFM(ヨーロピアン・フィルム・マーケット)では、EDN (ヨーロピアン・ドキュメンタリー・ネット

【連載】福間恵子の「ポルトガル、食と映画の旅」 第16回 アソーレス、大西洋の小さな島々 Ⅱ

サンミゲル島の地図 福間恵子の「ポルトガル、食と映画の旅」 第16回 アソーレス、大西洋の小さな島々 Ⅱ (第15回からつづく) ところで、アソーレス諸島の捕鯨は、18〜19世紀にかけて世界的に有名だった。捕鯨といえばメ

【連載】ドキュメンタリストの眼⑲ 『馬を放つ』アクタン・アリム・クバト監督インタビュー text 金子遊

キルギスは天山山脈とそのまわりに広がる高原からなる中央アジアの人口600万人の国であり、そのなかでキルギス人は約300万人といわれる。名匠アクタン・アリム・クバトは、世界でもっとも知られているキルギスの映画監督である。こ

【Interview】原一男、90分インタビュー『ニッポン国VS泉南石綿村』 text 原田麻衣

©疾走プロダクション 大阪・泉南石綿村。石綿(アスベスト)産業が発達していたことからそう呼ばれている地域では、アスベストによる疾患に苦しむ人が多くいる。もちろん今に始まった問題ではないが、ようやく訴訟という形で明るみにな

【小特集★世界の映画祭】ヨーロッパのドキュメンタリー映画祭① 〜リスボン国際ドキュメンタリー映画祭(doclisboa)〜 text 中山和郎

メイン会場のCulturgest 現在、ご家族のお仕事の都合でデンマーク・コペンハーゲンに住まわれている配給会社「きろくびと」の中山和郎さんから、ヨーロッパ各地のドキュメンタリー映画祭に関する貴重な原稿をいただいた。ロッ

【連載】「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第28回「ああ最後の日本兵 横井庄一さん」

1972年1月24日、グアム島のジャングルから1人の元日本兵が発見された。 緊急発売された雑誌ソノシートから蘇る、横井庄一さん奇跡の生還劇。 太平洋戦争をまだ続けている人がいた 廃盤アナログレコードの「その他」ジャンルか

【連載】「ポルトガル、食と映画の旅」第15回 アソーレス、大西洋の小さな島々 Ⅰ text 福間恵子

アソーレス諸島のシンボル、アジサイ。白が多い。 「ポルトガル、食と映画の旅」 第15回 アソーレス、大西洋の小さな島々 Ⅰ <前回 第14回  はこちら> 地理にあまり詳しくないわたしは、ポルトガルに島があるということを

【Review】震災以後の“揺らぎ”の中から――木村文洋監督『息衝く』text 宮本匡崇

©team JUDAS 2017 学生時代を終えていわゆる社会人になると、世の中にこんなにも何かを「信仰せよ」という圧力があるものかと驚いた。そしてまた、拠るべきものを失った人間がいかに弱く脆いかということも、身をもって

【Interview】『願いと揺らぎ』震災後も変わらないものを描きたかった~我妻和樹監督インタビュー

昨年の〈山形国際ドキュメンタリー映画祭2017〉で1,100本を超える応募作品の中からインターナショナル・コンペティションの15本に選ばれた『願いと揺らぎ』が、いよいよ劇場公開される。 監督は、『波伝谷に生きる人びと』(

【Review】むきだしの縄文—『海の産屋』と『廻り神楽』text 金子遊

『海の産屋』より 2011年の東日本大震災において津波被害にあった青森、岩手、宮城の三陸海岸では、復興事業の工事が進むにつれて、次々に遺跡や遺構が発掘されている。たとえば岩手県の大船渡市では、高台に縄文時代の貝塚が見つか

【Review】記録が脚本に脱線するとき-『苦い銭』に寄せて- text イトウモ

 ©2016 Gladys Glover-House on Fire-Chinese Shadows-WIL Productions  山形国際ドキュメンタリー映画祭での2度の大賞受賞など日本との関わりも深い気鋭のドキュ

【連載】「ポルトガル、食と映画の旅」 第14回 ポルトからナザレへ text 福間恵子

「ポルトガル、食と映画の旅」 第14回 ポルトからナザレへ <前回 第13回 はこちら> ポルトガル第二の都市ポルトは、リスボンから大西洋沿いを北へ約300キロ、23万人が暮らす大きな街である。年配の日本人にとって、ポル

【Essay】何かを見つけること、跳ね返すこと-柳澤壽男監督から学んだこと text 小森はるか

  『そっちやない、こっちや コミュニティケアへの道』 昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で組まれた佐藤真監督の特集上映で、1991年にまだ編集途中だった「阿賀に生きる」のラッシュ上映が映画祭で行われた際の、

【Interview】『暗きは夜』アドルフォ・アリックスJr.監督(フィリピン)インタビュー

2016年6月のドゥテルテ大統領就任以来、数千人もの麻薬取引容疑者が裁判も受けないままで路上で射殺されているというフィリピン。第18回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映された『暗きは夜』はその過激な麻薬撲滅運

【Review】「私」の矛盾をみつめて-映画『被ばく牛と生きる』に寄せて text 若林良

読者諸氏には恐縮だが、まず、自身の経験から話をはじめたい。東日本大震災からまもなく7年が経とうとしているが、私は学術的な調査やボランティアの一環で、東日本大震災を経たのちの福島を訪れた。そして訪れた地域の中には、放射能に

【Book Review】制作と批評が織りなすドキュメンタリーの公共性——金子遊『ドキュメンタリー映画術』text 中根若恵

世界との回路としてのドキュメンタリー 昨今のドキュメンタリー映画界が見せる活況についてはことさら論じるまでもない。世界中で多くのドキュメンタリーが生み出され、劇場や映画祭でそれらを目にする機会も増えた。個々の作品に目を向

【Interview】『恋とボルバキア』喧嘩は散々した4年間でした~小野さやか(監督)・港岳彦(構成)インタビュー

少し前までneoneoの編集に関わっていたので当然かもしれないが、僕の周りにはドキュメンタリー映画を作ったり配給したり宣伝したりする人間が割と多い。そして彼らの間では、『恋とボルバキア』の構成がよく話題となる。 もちろん

【連載】「ポルトガル、食と映画の旅」 第13回 世界の始まりへの旅 text 福間恵子

福間恵子の「ポルトガル、食と映画の旅」 第13回 世界の始まりへの旅 <前回 第12回 はこちら> ポルトガルの二大新聞のひとつ「ディアリオ・デ・ノティシアス」(Diário de Notícias)のWEB版の記事に、