New【自作を語る】岩手県大槌町の風景を記録した映画『ちかくてとおい』 text 大久保愉伊 

13年12月、姪が産まれました。震災により大きな喪失を感じていた私にとって、彼女が生まれたことは、震災後最も嬉しい出来事の一つでした。小さな手足をばたつかせたり、ぐっすり眠る姪の姿。そんな姪の姿を見ながら、故郷大槌で生き

【Book】私たちが新しく手に入れたガイドブック 『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(西村智弘・金子遊 編) text 野村建太

幸運なことに、本書『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』で取り上げられた作品の多くを、これまでに見る機会があった。東京でジョナス・メカスの作品が上映されれば可能な限り足を運んだが、いつも会場はそれなりに混み合っていたこ

【Review】郷愁から遠く離れて――富田克也監督『バンコクナイツ』text 若林良

まず、「地方」ということばについて、それが何をしめしているか、その内包する意味について考えてみたい。そもそも、「地方」と口にするとき、わたしたちは何を求めているのだろうか(ここでの「わたしたち」とは、関東付近の在住者を包

【Review】鮮やかな手さばき〜小森はるか監督『息の跡』text 長谷部友子

東日本大震災から6年が経つ。震災について多くの人が様々なことを言ったが、私は未だその言葉を素直に聞けずにいる。喪失の悲しみ、原発や政府への批判、利権をめぐる言説、時が経つにつれ被災者を非難する言葉があり、また被災地を離れ

【Review】イメージを<経る> 七里圭監督『アナザサイド サロメの娘 remix』 text 永井里佳子

映画を音から作ったらどうなるか―「光も音も同じメディアに情報として記録されるようになった今、映像からサウンドトラックを意識的に引き離し、同期することを体験してみよう」(1)というコンセプトによる一夜限りのライブ上演『映画

【Interview】街とともにある「たね屋さん」の記録〜『息の跡』小森はるか監督

『息の跡』は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で「たね屋」を営む佐藤貞一さんの物語だ。津波で流された店舗を自力でプレハブを組み復活させ、英語や中国語を独学で学んでは、被災の手記を外国語で出版する。震災後に

【News】3月25日(土)~26日(日) 第10回大倉山ドキュメンタリー映画祭開催!

「出逢い、出逢い直すこと」大倉山の坂を登る。風が立つ。大きく息を吸う。映画を観て、お茶を呑み、お喋りし合う。出逢い、出逢い直して10年目の春が来た。ドキュメンタリー映画・・・「出逢い、出逢い直すこと」を生きる。大倉山ドキ

【Review】かつて・そこには ニコラウス・ゲイハルター監督『人類遺産』 text 井河澤智子

かつて、そこには人々の営みがあった。これは、彼らが消え去ったのちの物語。『いのちの食べかた』(2005)『眠れぬ夜の仕事図鑑』(2011)で、「社会の黒衣」というべき存在を描いてきたニコラウス・ゲイハルター監督の最新作で

【連載】ポルトガル、食と映画の旅 第5回 リスボンのシネマテカ text 福間恵子

シネマテカの正面ポルトガル、食と映画の旅第5回 リスボンのシネマテカ(前回 第4回 はこちら)ポルトガルへのフライトはどれぐらい時間がかかるの? とよく尋ねられる。大陸の西の果てポルトガルと日本を結ぶ直行便はない。ヨーロ

【News】4/7(金)〜8(土) 神戸で初の全作品一挙上映! 池谷薫監督特集上映@兵庫県立美術館ミュージアムホール

池谷薫監督の全4作品を 一挙に上映&トーク国内外初の特集上映にぜひ足をお運びください!【日時】4/7(金) 10:30 延安の娘     14:00 蟻の兵隊4/8(土)10:30 先祖になる     14:00 ルンタ

【Review】アンヴィル的瞬間―アンティ・ハーセ監督『ローディ! 地獄からの脱出』Text 後藤護

『ローディ! 地獄からの脱出』より フロントマンのMr.ローディ(本名トミ)。KISSのメイクにゴジラを融合したような風貌。北欧の清冽な空気をもたらすような透明感ある「トーキョー・ノーザンライツ・フェスティヴァル2017

【Review】よどみのない抵抗の暗流――オリバー・ストーン監督『スノーデン』 text 早見瀬音

           ©2016 SACHA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.オリバー・ストーン監督の新作の題材が2013年6月のスノーデンの告発だと知った時、ドキュメンタリーテレビ番組「オリバー・ス

【Review】「見る」ことの深淵へ――ジャンフランコ・ロージ監督『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』text若林良

近年、『海と大陸』(2011)、『楽園からの旅人』(2011)といった劇映画の日本での公開によって、イタリアにおける難民問題は、映画館の観客にも身近になりつつあるかもしれない。ジャンフランコ・ロージによるドキュメンタリー

【Review】敗軍の将、何を語るか 『ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ』 text今泉 健

昨年からヒット中の映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)は不思議と希望を感じる作品だ。それは観客には、この後の顛末がネタバレしているが、先などわからない登場人物は、懸命に生き、希望を持とうとするところに、いい意味でのギ

【Review】ニューヨークという悪夢『ホームレス ニューヨークと寝た男』text くりた

誰もが一度は想像したことがあるだろう。「もしかしたら自分には何か特別な才能があるのではないか?」「そしていつか誰かが自分という存在を認めてくれるのではないか?」または、「ここではない何処か特別な地へ赴けば、何かスペシャル

【Review】人間としてのレオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮』text 高橋雄太

ルネサンスの巨匠。万能の天才。最近ならば「ダ・ヴィンチ・コード」。レオナルド・ダ・ヴィンチについて語られる言葉である。数多くの賞賛と『モナ・リザ』などの傑作で知られている一方で、レオナルドには謎が多い。この映画は、レオナ

【Review】女たちの影 『パリ、恋人たちの影』text 安里和哲

©2014 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS – CLOSE UP FILMS – ARTE FRANCE CINEMA 『パリ、恋人たちの影』の原題は『L’OM

【Review】戦火のさなか―バフマン・ゴバディ製作『国境に生きる〜難民キャンプの小さな監督たち〜』text伊藤弘了

 映画には国境がない。かつて黒澤明はアッバス・キアロスタミにそう言った。黒澤やキアロスタミに限らず、地理的国境の外に広がる「映画の共和国」を夢想してきたシネアストたちは数多く存在する。彼らの共通言語は「ミザンセン[演出]

【Review】島は、音楽は、あなたが訪れるのを待っている。『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』 text宮本匡崇

「沖縄(音楽)」「子ども」「吹奏楽」そして「親子」——。映画『島々清しゃ』の構成要素は大きく分けてこの4つだ。しかし作中、その中のどれにも含まれないと思われる人物がいる。安藤サクラ演じるヴァイオリン奏者・祐子の存在である

【特報】1/14(土)東京より順次開催「イスラーム映画祭2」主催者・藤本高之さんインタビュー

2015年12月12日から18日まで開催され、大変好評だった「イスラーム映画祭2015」。この度、その続編にあたる「イスラーム映画祭2」が1月14日(土)から20日(金)まで東京・ユーロスペースで、その後1月21日(土)