【Review】映画『阿吽』 ただならぬライティングの形態へ text 菊井崇史

20XX年、都内大手電力会社に勤める彼は、ある宵、声を受けとる。ひとつの電話越し「ヒトゴロシ」と声は響く。声の正体はしれない。ただ声が届く。「タイチョウガワルイ、…、ナニカコタエロ、…、ドウスンダヨ、…、ヒトゴロシ」と。

【鼎談】クリス・マルケル特集上映記念『レベル5』をめぐって  越後谷卓司×渡辺真也×金子遊

『レベル5』 映画作家・アーティストのクリス・マルケルが、2012年7月に亡くなってから7年が経つ。『ラ・ジュテ』や『サン・ソレイユ』などの代表作をのぞけば、マルケルの作品は美術館やシネマテークで作品上映がされてきたもの

【Report】「山形ドキュメンタリー道場2018」に参加して text 田中健太  

自作について語る筆者 山形ドキュメンタリー道場2018に参加した時間を振り返ると本当に多くの言葉が浮かんできます。映画への関わり方と生き方、映画の価値、作品化することの意味、そしてその多様性、多くのことが頭の中をぐるぐる

【Review】一万の砲弾、一万の建築ーー『セメントの記憶』 text 萩野亮

「中東のパリ」と呼ばれた街のいま 一万の砲弾が降り注いだ街で、僕はジョルジュを待っていたーー(*1)。 ラウィ・ハージの小説『デニーロ・ゲーム』は、このような書き出しで始まる。30カ国以上で翻訳されたこの物語は、永遠に続

【Review】創作・活動や民主主義のヒント―映像によるヨーゼフ・ボイス再考 text吉田悠樹彦

伝説の芸術家ヨーゼフ・ボイス、そして日本 芸術家ヨーゼフ・ボイスに関する必見のドキュメンタリー映画が公開される。印象深い編集を通じて伝説的な芸術家の創作の核心に迫り、その懐にはいっていくことができる。 ボイスは日本で人気

【Interview】「個の関係」から生まれる物語――『盆唄』中江裕司監督インタビュー text 若林良

東日本大震災から4年が経過した2015年、福島県双葉町の人々は散り散りに避難先での生活を送り、先祖代々守り続けてきた伝統「盆唄」存続の危機に心を痛めていた。 そんな中、100年以上前に福島からハワイに移住した人々が伝えた

【Review】『牧師といのちの壁』(加瀬澤充監督)―― 人を生に繫ぎ止めるもの text 長本かな海

うちの近所の弁当屋の息子が年明けに首を吊ったらしい。まだ19歳だったらしい。自然が豊かなことで有名な私が住んでいる離島では、都会よりもずっと人の死が身近だ。しょっちゅう葬式の案内を見るし、みんな知り合いなので葬式に行く機

【Interview】内なる旅で宇宙とピンポンする 『500年の航海』キドラット・タヒミック監督 インタビュー

ラヴ・ディアス、ブリランテ・メンドーサなど、近年世界の注目を集めるフィリピン・インディペンデント映画。そのシーンの中で精神的支柱となっている映画作家がキドラット・タヒミックだ。フィリピンの反独裁政権運動や、世界各地の先住

【Interview】人はなぜ[自殺する/生きようとする]のかは、わからない〜映画『牧師といのちの崖』加瀬澤充監督

『牧師といのちの崖』という映画が、いまポレポレ東中野で公開されている。 和歌山県・白浜にある観光名所・三段壁。自殺の名所と言われるこの場所で、自殺志願者に声を掛け、彼らの生活再建を目指し共同生活をおくる藤藪庸一牧師と、そ

【Review】 その術を知らない象の咆哮ーー『象は静かに座っている』 text 井河澤 智子

棋士は先を読んで駒を指す。それこそ何十手先をも読む。 この物語は「読む先がない」状況に追い込まれた人々の群像劇である。 どん詰まり、一瞬先すら見えない彼らの行動は全く突発的である。彼らが何をしでかすかをただ見つめる、即ち

【Review】「アイドルになりたい」想いの裏側にあるもの――『世界でいちばん悲しいオーディション』text 宮﨑千尋

  努力だけではどうにもならないことがある。受験、就職、恋愛…、そんな挫折を味わった経験が誰しもあるのではないか。この映画は「アイドルになりたい」24人の少女たちがまさしく、努力だけではどうにもならない、でも、

【Review】歌を見つめる映画のまなざしに射すひかり 『ひかりの歌』 text 菊井崇史

日常ということばがおもいおこさせる光景や、そこに寄り添う人がいること、たとえば、アパート近辺の公園のベンチや、勤務先から帰宅する夜の街路、コンビニの駐車場の角、行きつけの食堂で、ひとり、ふたり、あるいは幾人で今日をうつろ

【News】3/31まで「映画評論大賞2019」原稿募集!

neoneoは未来の映画批評の担い手を応援します 「映画評論大賞2019」原稿募集! 映画評論・批評の書き手を発掘して、執筆の場を提供し本格派を育成します! 【応募要項】 □原稿 映画に関する日本語の評論文(作家論、作品

【Review】クリエイティヴへの指針「ヴィヴィアン・ウェストウッド 最強のエレガンス」をみよ text 吉田悠樹彦

斬新なファッション、パンク誕生、気になる日々はこのように生まれた 英国はファッションの大国である。“ダンディズム”のボー・ブランメルは良く知られている。男性でもスーツはイタリア物よりは英国物という意見が強いぐらいだ。 ヴ

【Review】愛を求め続けた思考の軌跡ーー『クマ・エロヒーム』text 加賀谷健

 主よ、わたしは、どこからここに—————この死んでいる生と言うべきか、それとも生きている死と言うべきか—————来たかをしらない。          —聖アウグスティヌス『告白』—    人はふとした瞬間に不

【Review】宝物が生まれる瞬間ーー『旅するダンボール』 text 福井さら

   様々な年代の人々が、それぞれの「宝物」についてはにかみながら説明している。そんな冒頭からこの「旅するダンボール」は始まってゆく。彼らは各々、なぜそれが宝物なのかを聞かせてくれるのだが、ものが宝物になるには、その人に

【INTERVIEW】『旅するダンボール』を巡って 岡島龍介(ディレクター、エディター、シネマトグラファー) × 島津冬樹(アーティスト) × 汐巻裕子(株式会社ピクチャーズデプト代表、映画バイヤー、映画プロデューサー)

映画『旅するダンボール』より 映画『旅するダンボール』を巡って 岡島龍介(ディレクター、エディター、シネマトグラファー) × 島津冬樹(アーティスト) × 汐巻裕子(株式会社ピクチャーズデプト代表、映画バイヤー、映画プロ

【Review/Interview】 幻を見る瞳にうつされるもの〜 井上春生監督にきく映画『幻を見るひと』 text 菊井崇史

「京都に龍を探しにいきませんか」という導きを端緒として、京都におもむいた詩人吉増剛造の営為に迫る映画『幻を見るひと』の旅ははじまった、本作のエグゼクティブプロデューサーである詩人城戸朱理はそう語っている。ここでの「龍」と

【News】11/4開催 『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』公開記念 映画ファン必聴、生ける伝説<フレデリック・ワイズマン>トークイベント開催

『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』公開記念 映画ファン必聴、 生ける伝説<フレデリック・ワイズマン>トークイベント開催 現在公開中の『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』、 開催中の『フレデリック・ワイズ