【Interview】「白」と「黒」を超えて――『ゲッベルスと私』クリスティアン・クレーネス&フロリアン・ヴァイゲンザマー監督インタビュー text 若林良

第二次世界大戦から70年以上の時を経た現在、当事者の、とくに政権の中枢にいた人間の「証言」という形で映画を作ることは困難をきわめている。現在における、そうした稀有な作品の一つである本作は、あるひとりの老女の、戦時期の記憶

【Interview】あらゆる人間が望む2つのことは、愛と安全です。 『祝福 ~オラとニコデムの家~』アンナ・ザメツカ監督インタビュー 

あらゆる人間が望む2つのことは、愛と安全です。 『祝福 ~オラとニコデムの家~』 アンナ・ザメツカ監督インタビュー ワルシャワ郊外のとあるアパートの中では、アルコール依存の問題を抱える父と、別居して他の男性と暮らしている

【Review】イメージの≪層=レイヤー≫と≪断絶≫ -『あなたはわたしじゃない サロメの娘 ディコンストラクション』 text 永井里佳子

どことも知れぬ白い部屋で一人の若い女が独白している。どこからともなく現われ踊る身体。その先には、これまでのイメージの層が連なっており、いつの間にかその間を行き来していた。 「映画をサウンド・トラックから作り始めたら、どう

【News】6/16(土)〜29(金) 没後10年特別企画 土本典昭特集 @ポレポレ東中野

没後10年特別企画  土本典昭特集 〜土本典昭と同時代を生きた仲間たち〜 水俣病を撮り続けたドキュメンタリー映画の巨匠、土本典昭監督が亡くなって今年で10年。代名詞である『水俣—患者さんとその世界—』『不知火海』などの水

【小特集★世界の映画祭】ヨーロッパのドキュメンタリー映画祭を訪ねて② 〜チェコ・イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭(Ji.hlava)〜 text 中山和郎

上映前舞台挨拶の模様 ヨーロッパのドキュメンタリー映画祭を訪ねて② 〜チェコ・イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭(Ji.hlava)〜 イフラヴァと聞いてどこの国の都市かわかる人は日本ではごく一握りではないでしょうか。

【Review】『スーパーシチズン 超級大国民』の日本公開と「台湾巨匠傑作選・2018~ニューシネマの季節」と台湾 text 吉田悠樹彦

ワン・レンの代表作 台湾映画のニューシネマの代表作家の一人のワン・レン監督による『スーパーシチズン 超級大国民』が日本で公開された。この作品はシリーズ3部作<『超級市民』(1985年・日本未公開)、本作(1995年)、『

【小特集★世界の映画祭:台北】5/4-13開催。台湾国際ドキュメンタリー映画祭 プログラムディレクター・林木材氏インタビュー

林木材氏 台湾国際ドキュメンタリー映画祭(TIDF)は、1988年から2年に一度開催され、今年は満20周年となる。林木材氏が2014年にプログラムディレクターに就任してから、今回で3度目。これまでを振り返りつつ、台湾にお

【小特集 世界の映画祭★プノンペン】「カンボジア国際映画祭2018」現場レポートtext 歌川達人

CIFFオープニング会場とレッドカーペット 2018年3月5〜11日に開催され、第8回を迎えたカンボジア国際映画祭。 拙作“Cambodian Textiles” (邦題:カンボジアの染織物) が「Glimpse of

【寄稿】「映画の適切な長さ」とは?〜『毎日映画コンクール』選考委員たちに問う text 原一男

現在『ニッポン国VS泉南石綿村』が公開中の原一男監督から、さる1月に発表された『第72回毎日映画コンクール』の講評に対する公開質問の文章が寄せられた。具体的には、講評にあった(映画の)「適切な時間」という表現に対する違和

【Review】なんのためにいのちをなげうつかー『ラッカは静かに虐殺されている』 text 井河澤智子

『ラッカは静かに虐殺されている』ショッキングなタイトルだが、これは2014年にラッカを制圧した「IS」に対抗すべく、密かに市民によって結成されたジャーナリスト集団の名称である。 2011年以降混迷を極めるシリア内戦。20

【小特集★世界の映画祭】ベルリンで存在感を増すドキュメンタリー「ドック・サロン」今年から text 植山英美

『アクト・オブ・キリング』プロデューサーシーネ・ビュレ・ソーレンセンも登壇のセミナー ベルリン国際映画祭映像マーケット部門EFM(ヨーロピアン・フィルム・マーケット)では、EDN (ヨーロピアン・ドキュメンタリー・ネット

【News】5月3日(木・祝)『草とり草紙』結『息の跡』上映会 @新潟市総合福祉会館

     『草とり草紙』結『息の跡』上映会開催!   映画『阿賀に生きる』が生まれた新潟で『草とり草紙』と『息の跡』のカップリング上映会を開催します。『草とり草紙』は最も状態が良い最新のプリントによる16ミリフィルム上映

【連載】ドキュメンタリストの眼⑲ 『馬を放つ』アクタン・アリム・クバト監督インタビュー text 金子遊

キルギスは天山山脈とそのまわりに広がる高原からなる中央アジアの人口600万人の国であり、そのなかでキルギス人は約300万人といわれる。名匠アクタン・アリム・クバトは、世界でもっとも知られているキルギスの映画監督である。こ

【Interview】原一男、90分インタビュー『ニッポン国VS泉南石綿村』 text 原田麻衣

©疾走プロダクション 大阪・泉南石綿村。石綿(アスベスト)産業が発達していたことからそう呼ばれている地域では、アスベストによる疾患に苦しむ人が多くいる。もちろん今に始まった問題ではないが、ようやく訴訟という形で明るみにな

【小特集★世界の映画祭】ヨーロッパのドキュメンタリー映画祭① 〜リスボン国際ドキュメンタリー映画祭(doclisboa)〜 text 中山和郎

メイン会場のCulturgest 現在、ご家族のお仕事の都合でデンマーク・コペンハーゲンに住まわれている配給会社「きろくびと」の中山和郎さんから、ヨーロッパ各地のドキュメンタリー映画祭に関する貴重な原稿をいただいた。ロッ

【Review】震災以後の“揺らぎ”の中から――木村文洋監督『息衝く』text 宮本匡崇

©team JUDAS 2017 学生時代を終えていわゆる社会人になると、世の中にこんなにも何かを「信仰せよ」という圧力があるものかと驚いた。そしてまた、拠るべきものを失った人間がいかに弱く脆いかということも、身をもって

【Interview】『願いと揺らぎ』震災後も変わらないものを描きたかった~我妻和樹監督インタビュー

昨年の〈山形国際ドキュメンタリー映画祭2017〉で1,100本を超える応募作品の中からインターナショナル・コンペティションの15本に選ばれた『願いと揺らぎ』が、いよいよ劇場公開される。 監督は、『波伝谷に生きる人びと』(

【Review】むきだしの縄文—『海の産屋』と『廻り神楽』text 金子遊

『海の産屋』より 2011年の東日本大震災において津波被害にあった青森、岩手、宮城の三陸海岸では、復興事業の工事が進むにつれて、次々に遺跡や遺構が発掘されている。たとえば岩手県の大船渡市では、高台に縄文時代の貝塚が見つか

【Interview】『暗きは夜』アドルフォ・アリックスJr.監督(フィリピン)インタビュー

2016年6月のドゥテルテ大統領就任以来、数千人もの麻薬取引容疑者が裁判も受けないままで路上で射殺されているというフィリピン。第18回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映された『暗きは夜』はその過激な麻薬撲滅運