【News】大ヒット上映中!『美輪明宏ドキュメンタリー ~黒蜥蜴を探して~』 美輪明宏さんオフィシャル・インタビュー「いまこそ私は日本人に目覚めてほしい」

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ジャンルを超えたビジョンのもと、新しいアーティスト像を作り上げた美輪明宏さん。自身初となるドキュメンタリー映画『美輪明宏ドキュメンタリー~黒蜥蜴を探して~』8/31(土)より東京都写真美術館ホール、渋谷アップリンクで公開されている(以後全国順次ロードショー公開)

美輪さんはシンガーソングライター、舞台演出、俳優、脚本、衣装デザイン、さらには執筆・講演といったマルチな活動について、「ひとりの人間には、ご両親、そのまたご両親といたどっていけば、何百、何千という人間の性格と才能が宿っている。それだけ多くの人間の才能が受け継がれているのですから、可能性は無限大なんです。私がマルチに活躍できるのも特別なことではないのです」と語る。

『黒蜥蜴』 (C)1968 松竹株式会社

『黒蜥蜴』 (C)1968 松竹株式会社

この映画は、映画『黒蜥蜴』(1968 /深作欣二監督、右写真)を観て美輪さんの魅力に魅せられたフランス人監督パスカル=アレックス・ヴァンサンが、美輪さんへの密着取材や横尾忠則さんなどへのインタビューを行ない完成させたドキュメンタリー。

映画公開にあたり様々なメディアのインタビュー受け、それに答えた美輪さんは、「日本でも明治までは、お小姓文化や若衆茶屋という文化があって、市民権を得ていました。それが日本が軍国主義に走るようになってから、国策に反するということで男色は国賊扱いになったんです。その時代に、アインシュタイン、チャップリン、エジソンら天才が憧れた多様な日本文化は大きく破壊されたのです。私は何とかそれを取り戻したくて、終戦後にお小姓文化を現代風にアレンジしてこういう男でも女でもない姿を演出するようになったんです」と、自身の表現の根底にある社会への問題提起を明らかにした。


ドキュメンタリーのなかでも美輪さんは、デビュー当時の反響について、「私が 1952 年にシャンソン喫茶で、男でも女でもないという今のビジュアル系の格好で歌い始めて、銀座で有名になったのがきっかけで、それまで隠れていたゲイの人たちもそうしたファッションをしだしたんです。だから日本人は、デヴィッド・ボウイやボーイ・ジョージ(カルチャー・クラブ)が出てきたとき、誰も驚かなかったんです。そのずっと前に私がいたから」と語っている。

また 2012 年の NHK 紅白歌合戦で歌われ大きな反響を呼んだ「ヨイトマケの唄」についても映画では触れられており、美輪さんは「九州の炭鉱の町で、とても不景気でどん底の生活をしているのに、お金を握りしめて聞きに来てくれる人を見て、この人たちを励ましたいと、作詞作曲をしてビジュアル系の衣装も宝石も毛皮もメーキャップも辞めて、素顔で歌うようになったんです」と、楽曲が生まれたきっかけについて解説している。 

長崎出身の美輪さんは、この 8 月テレビで自らの被爆体験を語った。「被爆体験というのは、どんなに言葉を尽くしても、やっぱり体験した人でないとわからないから、自分自身無力感にとらわれそうな気持だったのですけど、今の自民党政権下で憲法9条を改正しようという動きがある中で、いてもたってもいられなくなったんです。いままでテレビでは話さなかったのですが『なんと
しても伝えないと!』という想いです」と胸の内を明かした。



映画公開以外にも、9月からは美輪さん自身が舞台美術、照明、衣装に至るまでの全てを手掛け、ライフワークと言える「ロマンティック音楽会」をパルコ劇場にて開催。今年の音楽会では現在の社会・政治情勢に対して警鐘を鳴らす意味を込めて、第一部で『悪魔』『祖国と女達』といった反戦歌を披露する。さらに 10 月からは野田秀樹演出、宮沢りえ主演による舞台『MIWA』が上演される。

美輪さんは「いま、世の中がとてもきな臭くなってきています。いまこそ私は日本人、特に若い皆さんには目覚めてほしい。この映画や音楽会がそうした目覚めのきっかけになれば本当にうれしく思います」とメッセージを寄せている。 (了)

|作品情報

『美輪明宏ドキュメンタリー~黒蜥蜴を探して~』 
主演:美輪明宏/出演:横尾忠則、深作欣二、北野武、宮崎駿ほか/監督:パスカル=アレックス・ヴァンサン 
2010 年/フランス/日本語・フランス語/63 分
提供:パルコ 配給:アップリンク 宣伝:アップリンク・Playtime ©KIREI 
公式サイト: http://uplink.co.jp/miwa/
★東京都写真美術館ホール、渋谷アップリンクにて公開中! 以降全国順次公開予定!

|特別上映作品

『黒蜥蜴』
東京都写真美術館ホールでは、深作欣二監督、丸山明宏(現:美輪明宏)主演、三島由紀夫の舞台劇を映画化した幻の作品が35mmフィルムで同時公開中!

監督:深作欣二 原作戯曲:三島由紀夫
1968年/日本/87分 製作・配給:松竹
出演:丸山明宏(現:美輪明宏)、木村功、川津祐介、松岡きっこ、宇佐美淳也、西村晃、小林トシ子、丹波哲郎

|お問合せ

アップリンク(駒井、眞野、鈴木、露無) 
TEL: 03-6821-6821 / film@uplink.co.jp