Author Archives: neoneoweb2017

New【連載】「視線の病」としての認知症 第17回 社会が動くとき text 川村雄次

「視線の病」としての認知症 第17回 社会が動くとき (前回第16回はこちら) クリスティーンが声をあげたことでオーストラリア社会は変わっただろうか? そんな問いを投げかけたのは、「クローズアップ現代」のプロデューサーだ

New【文学と記録④】松井太郎とブラジル text 中里勇太

   遠く離れた土地を舞台とする小説を読むとき、その土地の生活や文化を知るのもよろこびのひとつである。しかしときには知るというよろこびよりもさきに、その異形の相貌をまえに立ち尽くしてしまう作品がある。そのひとつ

New【Review】大切な人との関係性の築き方――『友達やめた。』text 川瀬みちる

「で、今日来てもらった理由は、“ふたりの常識を考える会”を開こうと思って」 それを聞いて、まあちゃんは声を出して笑った。  『友達やめた。』は生まれつき耳の聞こえない映画監督・今村彩子がアスペルガー症候群の友人・まあちゃ

【連載】つげ義春「ガロ」時代 あとがき text 正津勉

  あとがき   つげ義春―「ガロ」時代。ようやくのことその歩みを辿ってここまできた。つげの「ガロ」。それはそっくりわが60年代後半、京都時代、20代前半とかさなるのである。 いうならばこの年回りのつ

【Review】映画の始まりについて―佐藤零郎監督『長居青春酔夢歌』text 吉田孝行

   映画はいきなり始まる。白色を投影しただけの真っ白のスクリーンに、怒り、泣き、叫ぶ人達の声が響き渡る。しばらく映像は現れない。しかし、真っ白のスクリーンには、何かが映っているように見えるのであり、怒り、泣き、叫ぶ人達

【文学と記録③】有森勇太郎の記録 text 中里勇太

 これは作中の登場人物が書いた記録である、と宣言される小説がある。そこでは、かれらの生涯の一時期や、目撃あるいは参加した出来事が語られ、その形式は、渦中で記した日記やノートを基に構成されるか、あるいは後年の記憶を基に語ら

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第8回 text 正津勉

  第八章 ゲンセンカン主人  幽霊 では あり ません か   「ゲンセンカン主人」(1968・7)、「ねじ式」(前月・増刊号)、つげ「ガロ」時代の頂点に位置する作品である。この両作をとき同じくして

【自作を語る】島々の音楽を繋ぐ奇跡のアンサンブル!『大海原のソングライン』の制作バッググラウンドストーリー text ティム・コール

このプロジェクトは最初から音楽、映画、コンサートの3つがクロスオーバーすることを念頭に置いて企画しました。音楽を録音しながら映画を撮り、また映画からコンサートへと繋がります。文字の読み書きが始まる前のオーストラリアの先住

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第7回 text 正津勉

第七章「ねじ式」   テッテ的に   「ねじ式」(「ガロ増刊号 つげ義春特集」1968・6)は、事件であった。 「ねじ式」とは、いったい何なるのか。いまこの一編を要約するなどとは、はなから無理な相談というものだ

【News】2020年8月7日(金)19:00~ ワカキコースケのDIG!聴くメンタリーVOL.14 @ 東中野Space&Cafeポレポレ坐

ワカキコースケのDIG!聴くメンタリーVOL.14 ジャパニーズ・レディース・アンド・ジェントルマン、プリーズ・ハヴ・ア・シート! 昭和のドキュメント・レコードを聴きましょう 【日時】2020年8月7日(金) 開場18:

【Review】なぜこれほどまでに性は人を傷つけるのだろう〜アディナ・ピンティリエ監督『タッチ・ミー・ノット ~ローラと秘密のカウンセリング~』text 長谷部友子

「なぜこれほどまでに性は人を傷つけるのだろう?」 それは私の長年の疑問であり解けない謎の一つだった。性が孕む何がそれほどまでに人を傷つけるのか、私にはどうしても理解ができず、その疑問を解くための端緒となるような作品だった

【文学と記録②】古井由吉と赤牛 text 中里勇太

 小説において、作者と近しい登場人物が記憶を語るとき、作者自身が辿ってきた道行きを背景にして読めば、語られた記憶は時代証言となる「記録」の側面をもついっぽうで、小説において語られる記憶には、作中人物の記憶ともうひとつ、記

「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第33回 『小津安二郎の世界』

「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第33回 『小津安二郎の世界』 小津安二郎の唯一の肉声録音と、代表作の数々の名場面を収録した記念盤。 あの厳格な〈小津調〉のイメージを一切忘れ耳だけで小津に接すると、 何が浮かび

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.25 大森康宏(映像人類学者)インタビュー text 金子遊

 大森康宏さんは日本を代表する映像人類学者である。若かりし頃にフランスへ留学し、ジャン・ルーシュから直接、映像制作の方法を習ったことは有名である。その後、フランスのロマである「マヌーシュ」に関するドキュメンタリー映画を完

【Review】のこされた歌、うたわれる今――『タゴール・ソングス』 text 菊井崇史

 レコード盤に針が落とされ、歌が聴こえはじめる。そして、流れる旋律にのった歌声の詞が「もし 君の呼び声に誰も答えなくてもひとりで進め」との意をもつことともに、その曲が「ベンガル分割反対運動時の一九〇五年のタゴール・ソング

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第6回 text 正津勉

第六章 海辺の叙景  眩く暗む海  * つげは、海の子である。ついては第一章でこちらは、このように書いている。「つげは、海浜と縁深く、幼時、伊豆大島に育った(参照、自伝的作品「海へ」1987)。4歳、母ますの郷里大原町の

【Review】『ハニーランド 永遠の谷』サスティナブルとそうでないもの 異なる信念が交差する text 宮﨑千尋

『ハニーランド 永遠の谷』はバルカン半島の奥深く山岳地帯の孤立したエリアでの3年、そして400時間以上にも及ぶ撮影映像から抽出された、一人の女性の信念の物語である。と同時に、世界規模の環境問題へ警鐘を鳴らす作品でもある。

【Review】ある作家の6日間が映し出す「凍てつき」の時代ーー『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』 text 吉田晴妃

セルゲイ・ドヴラートフは「20世紀で最も輝かしい」ロシア人作家の一人と言われているようで、彼の人生については、邦訳された小説『わが家の人びと』(成文社)巻末にある訳者の沼野充義氏による解説に詳しい。「まず必要なのは、すで

【文学と記録①】後藤明生と土筆 text 中里勇太

 文学、殊にフィクションである小説において「記録」とはなにか。小説のなかに描かれる歴史的事件や社会事象、社会風俗に加えて、ときには作者と近しい存在である登場人物の生活なども、そこに含まれるのだろう。いっぽうで、小説がフィ

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.24 ダルデンヌ兄弟インタビュー text 金子遊

   世界的な映画の巨匠として知られるジャン=ピエール・ダルデンヌと、リュック・ダルデンヌの兄弟だが、もとはドキュメンタリー畑の出身であることはあまり知られていない。1970年代半ばからベルギーのブリュッセルを

【連載】つげ義春「ガロ」時代 第5回 text 正津勉

第五章 ほんやら洞のべんさん  この世のはてへの道ゆき   本章は、「この世のはてへの道ゆき」、と副題する。ここからはいわゆる、旅物に属する作品、それをみてゆきたい。       65年秋、おもえば房総大多喜は

【News】速報!東京ドキュメンタリー映画祭 in OSAKA シアターセブンにて開催決定!

(写真は2018年準グランプリ作品『破天荒ボクサー』) neoneo編集室が主催する「東京ドキュメンタリー映画祭」が大阪上陸! この夏、大阪シアターセブンにてセレクション上映&新たな観客賞も! テレビ、映画、ネット動画の