【News】『福島 生きものの記録 シリーズ2~異変~ 』

昨年公開された『福島 生きものの記録シリーズ1~被曝~』で文化庁映画賞の優秀賞を受賞した動物映画の巨匠・岩崎雅典監督の最新作『福島 生きものの記録 シリーズ2~異変~』が、10月11日よりポレポレ東中野にて劇場公開されます。

1940年生まれの岩崎雅典監督は、長年野生動物、地球環境をテーマに、記録映画、テレビ番組を制作してきました。テレビでは「野生の王国」(毎日放送)「生きもの地球紀行」(NHK)、「素敵な宇宙船地球号」(テレビ朝日)など、映画作品では『イヌワシ 風の砦』『ニホンザル モズ 二十六年の生涯』などの代表作があります。 岩崎監督らクルーは、2012年に初めて福島に入りました。2012年に「被曝」、2013年の本作「異変」、そして2014年も第三弾「拡散(仮題)」を撮影し、福島の生きものたちを記録し続けています。

【監督のことば】

福島に”生きもの”を追って通いだし、はや2年半になる。
勿論、福島第一原発の事故によって大量に放出された放射性物質による影響が気になってだ。
被曝した多くの野生の生きもの、家畜、ペット、人間も含めて健康被害が及んでいないかを記録するためだ。

喉に部分白斑のあるツバメが、南相馬市をはじめ各地でどんどん見つかっている。チェルノブイリと同じ現象と生物科学者は言う。
国の殺処分に従わず、“生き証人”だと飼い続ける牧場では、“斑点牛”の出現。体全体に及んだ白斑牛が10数頭にも及んだ。果たして、放射能との因果関係は?牧場長は農水省に掛け合い、本格的検査が始まっている。

奇妙に肥大したタンポポ。ヤマトシジミというチョウの内部被曝実験では、目の陥没、触角異常。羽化できず死亡する個体も続出。民間人の調査で判明した、未だに高い数値(100ベクレル/kg以上)で食に適しない川内村のヤマメ、イワナ。

先進工業国のなかで日本で初めて被曝したニホンザル。スリーマイル島やチェルノブイリには霊長類はいなかった。われわれ人間に最も近いサルに影響は?今のところ科学者の調査でわかってきたこと、それは白血球の減少だという。放射能は若い個体ほど影 響を受けやすいといわれる。体内で被曝したサルの赤ん坊が大人になるのはあと2,3年先。そのとき何が起こるのか考えるだに恐ろしい。

福島原発事故の「収束宣言」をしたのは民主党政権時の某首相。現政権は「川内原発の再稼動」を急ぐ。何ゆえ?
いまだ福島県民約12万5千人が避難生活を続け、復興は道半ばというのに。莫大な予算を費やす除染。果たしてその効果。はなはだ疑問で ある。現場へ行っているから解かる。放射性物質は県内7割もある森からやって来る。
  
第3作目では、ようやく核心部の帰還困難区域に入れた。自動カメラに写っていたのはタヌキ、キツネ、テン、イノシシ。
毎時30マイクロシーベルトもある高線量の大地でよくも生き延びて。だが、いずれも痩せ細り、尻尾は毛がなく紐状。

この福島の記録映像は続ける。続けなければならない。


 【映画情報】

福島生きものの記録 シリーズ2 ~異変~
(2014/HDV/85分/ドキュメンタリー)

監督・脚本:岩崎雅典
脚本協力:坂口 康
撮影:明石太郎
録音:吉田茂一
製作・配給:(株)群像舎

福島第一原発事故後、継続して福島県内の動物たちの観察を続ける撮影クルー。 前回でも異変が出つつあったツバメ、牛。新しい異変ではタンポポ。異変はないものの継続して取材を続ける猿、カエル。そして本作では淡水魚や蝶などの調査結果も出てくる。人間以外の生物へ目を向け、その取材を継続することで、異変が出るのか、はたまた異変はないのか…生きものと しての人間を意識させる未来のための作品。

群像舎公式サイト:http://www.gunzosha.co.jp/index.htm

【上映情報】

劇場:ポレポレ東中野 
TEL 03-3371-0088
10/11(土)~10/31(金) 連日朝10:30~(1日1回上映)
前売:1000円
当日:一般1500円/大学・専門1300円/シニア1100円

上映後、豪華ゲストトーク開催!
本作の公開を記念して、上映期間中、岩崎雅典監督がホストを務める豪華ゲストトークを行います。 
~12:15終了予定(25日のみ12:45)
10月11日(土)

鎌仲ひとみ(映像作家)× 岩崎雅典(本作監督)
10月12日(日)
山田文雄(森林総研・主席研究員)× 岩崎雅典(本作監督)
10月18日(土)
関野吉晴(探検家・人類学者)× 岩崎雅典(本作監督)
10月25日(土)
菅原文太(俳優)× 岩崎雅典(本作監督)