【News】七夕に大本山増上寺から 復興の祈りを発信!岩手の伝統芸能「鬼剣舞」が舞う



鬼剣舞の祈りよ、全国にとどけ!


岩手県に1300年続くといわれる伝統芸能・鬼剣舞(おにけんばい)。
「伝統芸能」というと何だか難しそうですが、実はとっても激しくてカッコいい踊りなんです。

地元では小さな子からお年寄りまでみんなが鬼剣舞を踊り、地域の人々をつなぐ役割もはたしています。そんな鬼剣舞の魅力をもっとたくさんの方に知ってもらいたくて、なんと、東京タワーの麓にある、浄土宗の大本山・増上寺に、鬼剣舞の元祖といわれる「岩崎鬼剣舞」を呼ぼう!というプロジェクトです。

七夕の夜、東京のど真ん中で鬼剣舞が舞う!



映画監督・三宅流(みやけ・ながる)は、岩崎鬼剣舞が伝承される岩崎地区に住み着き、ドキュメンタリー映画『究竟(くっきょう)の地 岩崎鬼剣舞の一年』を完成させました。
この映画は、鬼剣舞の持つ芸能としての素晴らしさはもちろん、受け継がれてきた地域社会のあり方、世代を超えたコミュニケーションの重要性、そして何より人間が本来持っている生きる力を描いていて、2011年秋の東北巡回上映を皮切りに、日本各地で上映を続けています。

『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』公式ホームページ→http://www.kukkyouno-chi.com/

 

映画が完成して以降も折に触れ岩崎を訪れる三宅監督は、知れば知るほどこの踊りとそれを受け継いできた地域の人々に魅せられ、「もっと鬼剣舞の素晴らしさを知ってほしい!」と考えました。
何か良い方法はないか……。当初は映画の野外上映などを企画していましたが、まずは「本物」を見てほしいという方針にチェンジ、ではそれにふさわしい場所はどこだろうか?と模索が始まりました。

学校の校庭、公共機関の大きなロビー、美術館、商店街のアーケード……。
どれもおもしろくなる可能性はあったのですが、何か決定打に欠けるような気がしてなかなか具体的に決まりませんでした。そんな時に、ふと「お寺はどうだろうか?」と思い浮かびました。お寺は昔から人が集まり、地域の拠り所となっている場所です。元々鬼剣舞は鎮魂と祈りの踊りで、人々の喜びを祝い、悲しみを悼み、先祖や死者たちを弔ってきました。映画にもそういうシーンがあります。

はじめは身近な寺院を探していましたが、よくよく考えていくと、念仏踊りから始まった鬼剣舞は、古くから浄土宗との結びつきを強めていました。
浄土宗といえば、芝にある大本山増上寺http://www.zojoji.or.jp/です。
浄土宗の七大本山の一つとして、また徳川将軍家の菩提寺としても有名な増上寺は、その存在感のある本堂と東京タワーを間近に望むロケーションの人気が高く、数々のイベント、映画やCMの撮影も行われており、国内外から多くの観光客が訪れます。そんな時に、BIGNEWSが流れました。きゃりーぱみゅぱみゅのライヴが増上寺で開催されたのです。そして撮影されたCMが大変な話題になっていました。(きゃりーぱみゅぱみゅ au「FULL CONTROL _ REAL」篇CM)
「ここしかない、できたらすごいぞ!」と興奮したものの、途方もないことを考えているんじゃないかと不安になってきました。
http://www.dailymotion.com/video/xxmcql_%E3%81%8D%E3%82%83%E3%82%8A%E3%83%BC%E3%81%B1%E3%81%BF%E3%82%85%E3%81%B1%E3%81%BF%E3%82%85-cm-au-full-control-real-%E7%AF%87-60%E7%A7%92_shortfilms#.Uc5DWtyCjIU



しかし、なんとか伝手を辿って……、増上寺の方にお話を聞いていただけるところまでこぎ着けたのです。
わたしたちのお話を懇切丁寧に聞いていただき、企画の趣旨をご理解いただいたうえで、ひとつの提案が出されました。
「七夕まつりに参加ということではどうでしょうか?」
増上寺では、毎年7月7日に七夕まつりが催され、集まったみなさんが短冊に願いを込めて飾り付けをします。
2011年からは、震災の復興祈願イベントとしても開催されていました。ぴったりでした。

たくさんの願いが込められた夜に鬼剣舞を踊ってもらうことで、東日本大震災の犠牲になった方々の鎮魂と祈りを行い、わたしたち自身もこれからを生きるエネルギーを鬼剣舞からもらう、イベントの方針も定まりました。

もう一つ、鬼剣舞を呼ぶ目的がありました。
被災した東北の地域は、震災から2年以上経ったいまも災害のダメージ、経済的なダメージがまだまだ色濃く残っています。岩手県北上市では毎年8月初旬に「みちのく芸能まつり」が行なわれ、岩手県中の100を超える伝統芸能団体が一同に会して踊り続けます。
是非この機会に伝統芸能の魅力を体験してもらい、「みちのく芸能まつり」や東北の数々のお祭りに足を運んでもらうきっかけにできたら。このイベントで観光を通じた東北の復興に貢献したいと考えたのです。

この日岩崎鬼剣舞の演舞後には、大殿地下のホールに場所を移してトークショーも行います。
映画を通して生まれた鬼剣舞との交流をヒントに、これからの地域社会と年令や性別を超えたコミュニケーションの大切さをみんなで一緒に考えてみませんか?ゲストには、世界を渡り歩きその文化とそこに住む人々とふれ合ってきた、DJ・作家のロバート・ハリスさん。「ワイルド・アット・ハート」なハリスさんからどんな言葉が飛び出すのか、いまから楽しみです。

間近に鬼剣舞を体験していただくことで、遠く1300年の歴史が、見知らぬ岩手の文化が、そしてそこに住む人間の息吹が身近に感じられることでしょう。
あらたな歴史の1ページを是非その目で見届けてください!

【東日本大震災被災地復興応援 増上寺七夕まつり 正式参加企画】

「鬼剣舞の祈りよ、全国にとどけ!」

開催日時:2013年7月7日(日)

開始時間:PM 18:00 ~

場所:増上寺境内および、大殿地下三縁ホール http://www.zojoji.or.jp/

入場料:無料

【第1部】
・増上寺境内にて、岩崎鬼剣舞による演舞(PM 18:00より、1時間程度)。

【第2部】
・大殿地下三縁ホールにて、トークショー「これからの【世界】をどう生きるか」
(PM 19:00より、1時間程度)。

資料映像上映(ドキュメンタリー映画『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』抜粋20分程)の後、パネラー:三宅流(映画監督)、ロバート・ハリス(作家・DJ)によるトークショーを開催。

主催:「鬼剣舞の祈りよ、全国にとどけ!」実行委員会(KUKKYO FILM/contrail/一般社団法人 北上観光コンベンション協会)
協力:浄土宗大本山 増上寺 / 岩崎鬼剣舞保存会

会場:浄土宗大本山 増上寺
〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-35
TEL:03-3432-1431

●JR線・東京モノレール 浜松町駅から徒歩10分
●都営地下鉄三田線 御成門駅から徒歩3分、芝公園から徒歩3分
●都営地下鉄浅草線・大江戸線 大門駅から徒歩5分
●都営地下鉄浅草線 大門駅から徒歩5分
●都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅から徒歩7分
●東京メトロ日比谷線 神谷町駅から徒歩10分

 

出演者プロフィール

◆岩崎鬼剣舞(いわさきおにけんばい)
国指定・重要無形民俗文化財。北上和賀地方に伝わる鬼剣舞の源流。「庭元(にわもと)」と呼ばれる家元にあたる存在をトップに、「連中(れんちゅう)」という現役の踊り手、現役の踊り手を退き後進の指導にあたる「師匠」、そして「おかど」といわれる演奏パートで組織が構成され、演目によって1~8人で踊る。http://www.bunka.pref.iwate.jp/dentou/kyodo/shousai/geinou_008.html

◆ロバート・ハリス
1948年横浜生まれ。上智大学卒業後、’71年日本を後にし、東南アジアを放浪。バリ島に1年間滞在後、オーストラリアに渡り延べ16年間滞在。シドニーで書店&画廊「エグザイルス」を経営。オーストラリア国営テレビ局で日本映画の英語字幕を担当後、テレビ映画製作に参加、帰国後J-WAVEのナビゲーターや、作家としても活躍中。
http://web-bohemian.sblo.jp/


◆三宅流(みやけ・ながる)
1974年生まれ。映画監督。過去の作品は海外十数か国で上映され、いずれも高い評価を得る。近年はドキュメンタリー作品を多く手掛け、『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』は、東北巡回上映を経て東京(ポレポレ東中野)で1ヶ月のロングラン上映、以降各地で自主上映を行っている。
現在、観世流能楽師・津村禮次郎さんを描く新作ドキュメンタリー映画『創造と伝統-能楽師・津村禮次郎の肖像(仮題)』を制作中。
http://www.kukkyouno-chi.com/index.html



【NEWS!】
三宅流監督が、岩崎鬼剣舞の伝承される地区に住み着き完成させたドキュメンタリー映画『究竟(くっきょう)の地 岩崎鬼剣舞の一年』が、好評につきアンコール上映されます。

日時:2013年7月13日(土)~19日(金) 1日1回13:00~上映
場所:渋谷アップリンクROOM (2F)
料金:一般¥1,300/学生・シニア¥1,000
公式HP http://www.kukkyouno-chi.com/

アップリンク
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町37-18トツネビル1-2F
TEL:03-6825-5503 http://www.uplink.co.jp/movie/2013/12988







【関連記事】【自作を語る】『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』 text 三宅流 (2012年5月12日更新)

http://webneo.org/archives/831