【Review】『黒澤明の十字架』指田文夫著 text 越後谷研

黒澤明はなぜ、戦争に行かなかったのか? 著者はあるとき、ウジウジ悩んでばかりいる三船敏郎を主人公とした『静かなる決闘』 (1949)を見て、そのような疑問を抱く。これが出発点となり、戦争を体験しなかった黒澤が、その思いを

【Review】経済から遠く離れて 濱口竜介『親密さ』text 鈴木並木

みんなやっきになって、『親密さ』を推薦するためのこれぞという言葉を探してる。演劇にも強い映画ファンの某さんに言わせれば、「ここが現代演劇と映画の衝突点」なのだそうだ。とあるシネフィル氏は、アメリカやフランスの映画監督を次