【Review】詩人が誘われる記憶の街――ビー・ガン『凱里ブルース』text 村松泰聖

9年の刑期を終えて出所を果たした、とある詩人の男。ところが、彼の妻はすでにこの世を去っており、家を奪われた弟の態度は冷たく素っ気ない。孤独となった詩人は、亡き母の追憶に浸りながら、故郷に小さな診療所を開くことになる。貴州

【Review】方舟と郷愁をめぐって――舩橋淳監督『フタバから遠く離れて 第二部』 text 村松泰聖

閉鎖される避難所 埼玉県加須市、旧騎西高校の校舎がスクリーンに映し出される。 第一部と変わらない避難所の光景、見知った中庭や美術室がそこにあるという事実に私たちは懐かしさを覚えるはずだ。しかし一時は1400人あまりの双葉