【News】11/15〜 七里圭監督新作『映画としての音楽』一週間限定公開&連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」2nd 開催!

映画が音楽と出会ったのは、いつのことだろう?映画は初め、声を持たなかった。
しかし、彼は聞いていたはずだ。
彼を見ながら、奏でる響きを。

Narrative + Experimental (物語と実験)

2014年4月26日、異才・七里圭の仕掛けた一夜限りの実験的なライブが行われた。
映画を音から作り始める試みの第1弾となったそれは、擬人化された映画史と「サロメ」のテキストが交錯し、総勢12名の歌、謡、語り、叫びが怒号のように渦巻く、スクリーンから空間へ映画を解き放つ儀式であった。
これはその記録映画ではない。まだ目覚めぬ映画を呼び覚ます声と響き。やがて全貌を現すだろうそれを予見する、映画としての「映画としての音楽」である。

『映画としての音楽』
(2014年/56分/HD)

監督/七里圭 音楽/ 池田拓実 さとうじゅんこ 徳久ウィリアム 山崎阿弥 sei 
山形育弘(core of bells) 古賀彰吾 今藤哲平 長宗我部陽子 中村ゆい 大山晴子 
滝沢朋恵 飴屋法水 多井智紀

テキスト/日夏耿之介訳 「院曲撒羅米」(オスカー・ワイルド作「サロメ」)

構成/七里圭 新柵未成 撮影/高橋哲也 七里圭 録音/池田拓実 西村直晃 
効果/西村直晃
 マスタリング/種子田郷 映像デザイン協力/棚沢努 松岡ジョセフ 
制作/藤田功一 飛山拓也 後藤貴志 制作協力/飛山企画 写真/豊嶋希沙 
WEB制作/植田智道 協力/西嶋憲生 生西康典 宇波拓 鎌田英嗣 黒川幸則 加地耕三 本田孝義 清水真理 中村美奈子 瀬田いく子 宮沢豪 大野穣 にいがた映画塾 
寺田英一 山本希平 末永賢

同時上映 『To the light 2.1』

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手足を失った裸の少女人形は、よせては返す夢想の海を被覆する…。連作「To the light」は像についての想像と考察。像は重なることで光へ近づいていく。8㎜フィルムの荒い粒子が際立つ「1.0」を基層に、デジタル・プロジェクションで重ね合わせた「2.0」は、あらかじめヴァージョン・アップを想定した作品である。「2.1」は、「1.0」と「2.0」の連結版。
●『To the light 1.0』作品紹介 ●『To the light 2.0』作品紹介

監督 / 七里圭 撮影 / 高橋哲也 音楽 / 池田拓実 人形 / 清水真理 出演 / 古賀彰吾
効果 / 西村直晃 助手 / 瀬田いく子 豊嶋希沙
協力 / 西嶋憲生 本田孝義 新柵未成 さとうじゅんこ 宮沢豪 加藤麻矢 松岡ジョセフ digital-write 東急電鉄 飛山企画
(2014年 /14分/ HD)

2014/11/15(土)〜11/21(金)一週間限定公開!

初日、11/15(土)は、講座「映画以内、映画以後、映画辺境(第四回)」付きの特別上映(アップリンク・ファクトリー)
講座登壇者:吉田広明(映画批評)× 平倉圭(芸術理論)× 土居伸彰(アニメーション研究)× 七里圭(映画監督)

●11/15(土)初日のみ 
開場18時30分 開演19時00分 料金:¥2,000(税込)均一

■11/16(日)〜11/21(金)通常上映    
連日夜20時50分より  料金:¥1,500(税込)均一
※「映画としての音楽」初日のみメール予約。
   「映画としての音楽」のレイト上映はオンラインチケットの販売があります。

http://www.uplink.co.jp/movie/2014/32198

【会場】
アップリンクX http://www.uplink.co.jp/
東京都渋谷区宇田川町37-18トツネビル2F
Tel.03-6825-5503

 

 連続講座 「映画以内、映画以後、映画辺境」2nd 

 「映画が“映画のようなもの”にすり替わっているような気がする」という私のあいまいな違和感を出発点に始めた1stシーズン(第一回~第三回)。その中で、吉田広明氏から「(デジタル化によって)人間の表象システム自体に変質が生じ始めているのかもしれない」という刺激的な意見をもらいました。確かに、変わってきているのは映画ばかりではなく私たちの方もかもしれない。だとしたら…?

イメージがイメージを自己増殖するようなデジタル=ソーシャル環境で、現実に見える(聞こえる)ものを使い、あるいは組み合わせて表現することの緊張は、限りなく薄れつつあるようにも思えます。2ndシーズンでは吉田氏もホストに加わり、多彩なゲストとともに、映画と私たちのリアルがどのように変容していくのか考えていきます。うう、大変…(七里)

第四回「映画は〈まがいもの〉である、ゆえに想像力を生むのだ/か?」
~映画を思考することと作ることのあいだで~

吉田広明(映画批評)× 七里圭(映画監督)
ゲスト:平倉圭(芸術理論)+土居伸彰(アニメーション研究・評論)

連続講座1stシーズンの終局に上演されたライブ「映画としての音楽」の映画版を初公開。その作品の検証を通して、デジタル化やソーシャル化、はたまた映画とサウンドトラックの関係の変遷など切り口をスライドさせながら進めてきた前三回の講座内容を振り返ります。さらに、ゲストを交えて2ndシーズンの討議も展望します。
※上映に引き続いて講座を行います。

● 上映:「映画としての音楽」(2014年/56分/HD)
監督:七里圭 テキスト:日夏耿之介訳 「院曲撒羅米」(オスカー・ワイルド作「サロメ」)
音楽:池田拓実、さとうじゅんこ、徳久ウィリアム、山崎阿弥、sei、山形育弘、
古賀彰吾、今藤哲平、長宗我部陽子、飴屋法水 他
詳細はこちらをご覧ください

2014年11月15日(土)
18時30分開場 19時開演 料金:2000円
会場:アップリンク・ファクトリー

第五回「サイボーグになった私たちのまなざしはイメージをどう捉えるか?」
~映画分析においてデジタル技術がもつ意味~

平倉圭 × 吉田広明 × 七里圭

ヒトの感覚と事物の関係を組み換え、記述されるべき細部を新たに発明するデジタル技術。ソーシャルメディアとは、サイボーグ化された私たちの身体の現実なのかもしれません。圧倒的な高解像度のゴダール分析で話題を呼んだ気鋭の研究者を迎え、『ソシアリスム』の解析からゴダールの外へ、私たちの現実を深く揺るがすような映画表現を求め、「具体例」を通して考えます。
※ゴダール他、「具体例」としての作品分析を実演します。

2014年11月27日(木)
19時30分開場 20時開演 料金:1200円
会場:アップリンク・ファクトリー

第六回「現実はアニメーションであり、ヒトはアニメーションになりつつある?」
~世界認識のモデルとなるアニメーション表現の今~

土居伸彰 × 吉田広明 × 七里圭

私たちがリアルと考えている世界は実はひとつのフィクションに過ぎず、夢と現実、過去や未来といった秩序は、仮の常識に過ぎないのかもしれません。にわかには掴みがたい大きな流れが現実を席巻しつつあるなか、アニメーションは、実写では捉えきれず、描線によっても届かない何かを呼び込む霊媒(メディウム)として機能することで、その流れにアプローチしはじめています。アニメーションの最前線から、映画の現在を見直す試みです。
※参考作品のダイジェスト上映があります。

2014年12月14日(日)
18時00分開場 18時30分開演 料金:1200円
会場:アップリンク・ルーム

 【登壇者プロフィール】

吉田広明(映画批評)
1964年生まれ。著書に「B級ノワール論」、「亡命者たちのハリウッド」(共に作品社)。雑誌「キネマ旬報」、WEBサイト「映画の國」、劇場パンフレット等のメディアに時折寄稿。さらなる書下ろし書籍を執筆中だがいつ終わるか分からない。

七里圭(映画監督)
1967年生まれ。『のんきな姉さん』(2004)『ホッテントットエプロン-スケッチ』(2006)『眠り姫』(2007)『マリッジリング』(2007)、以上劇場公開長編映画。建築家・鈴木了二との短編『DUBHOUSE』(2012)が、2013年の25FPS国際映画祭でグランプリ。アクースモニウムなどの上映パフォーマンスにも取り組んでいる。

平倉圭(芸術理論)
1977年生まれ。横浜国立大学教育人間科学部准教授。近現代芸術のミクロ構造分析を通して、技術的環境に埋め込まれた集合的知覚-行為システムの働きを研究している。著書に『ゴダール的方法』(インスクリプト)、共著に『ディスポジション:配置としての世界』(現代企画室)、『美術史の7つの顔』(未來社)、論文に「多重周期構造――セザンヌのクラスター・ストローク」(『ユリイカ』)など。

土居伸彰(アニメーション研究・評論)
1981年生まれ。国内外の映画祭等でアニメーション作品をキュレーション。2014年には、GEORAMA、新千歳空港国際アニメーション映画祭の立ち上げに関わる。編著に「ドン・ハーツフェルト」(CALF)、訳書に「ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード」(太郎次郎社エディタス)など。boidマガジンにて「Animation Unrelated」連載中。

■七里圭ウェブサイト
http://keishichiri.com/jp/

【会場】

渋谷 アップリンク http://www.uplink.co.jp/
東京都渋谷区宇田川町37-18トツネビル2F Tel.03-6825-5503

主催:charm point
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

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