たったひとりのわたしたちが七人
七つの荒野がひろがっている
コウヤナナブンノイチ
鵺的第五回公演 『荒野1/7』
作・演出 高木登
2012年8月7日(火)~12日(日)
渋谷ギャラリールデコ5
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3丁目16-3 ルデコビル5F
http://ledeco.net/
[キャスト]
小西耕一
成川知也
ハマカワフミエ
平山寛人(鵺的)
古市海見子
森南波
山ノ井史(studio salt)
[スタッフ]
照明=千田実(CHIDA OFFICE)
舞台監督=福田寛
衣装=中西瑞美(ひなぎく)
宣伝美術=詩森ろば(風琴工房)
舞台写真撮影=石澤知絵子
ビデオ撮影=安藤和明(C&Cファクトリー)
制作=鵺的制作部・J-Stage Navi
制作協力=contrail
協力=studio salt/フォセット・コンシェルジュ/北京蝶々/
(有)レトル/菊地奈緒/佐々木想/佐野功/勝呂洋介
企画・製作=鵺的
[タイムスケジュール]
2012年8月7日(火) 19:30
8日(水) 19:30
9日(木) 14:30#/19:30
10日(金) 19:30
11日(土) 14:30/19:30
12日(日) 14:30
・ #の回終了後、加瀬修一(contrail)司会による作・演出家との
ポストパフォーマンストーク開催予定。
[注意事項]
※ 受付開始、開場は開演の30分前です。ご来場順にご入場いただきます。
※ 未就学児童のご入場はご遠慮ください。
[料金]
全席自由(日時指定)
※ 一部DMにて「全席指定」の表示がございましたが、「全席自由」の誤りです。
つつしんで訂正させていただきます。
前売・3000円
当日・3200円
学生・2500円(要学生証提示)
グループ割引(三名様以上でご来場の方)おひとり2800円
学生券およびグループ割引券はJ-Stage Naviのみで発売
[発売]
こりっちチケット http://stage.corich.jp/
ローソンチケット 0570-084-003【Lコード:34506】
0570-000-407
イープラス eplus.jp(PC・携帯)
J-Stage Navi http://j-stage-i.jp(PC)
03-5957-5500 (平日11:00~18:00)
[チケットのお問い合わせ]
J-Stage Navi 03-5957-5500 (平日11:00~18:00)
[公演中のお問合せ]
080-3312-8495(J-Stage Navi)
鵺的公式サイト http://nueteki.org/
傍観者ではいられない ―― 観客をも引きずり込む、自らの“血”をめぐるダイアローグ。
加瀬修一 (contrail)
演劇ユニット鵺的(ぬえてき)主宰で作・演出の高木登の作品は、実際にあった事件やタブー視されている問題を背景としているためか、社会派や実録モノとしてとらわれがちだ。
役者の内的必然性を重視し、過度な外連を排すストイックな演出も要因なのかなかなか伝わりづらいかも知れないが、自らが「石井輝男監督の作品からは、非常に影響を受けている」と語るように、実はエンターテイメント性が高い。旗揚げ公演から鵺的を観ている脚本家・映画監督の井土紀州は、「高木さんの作風には刺激を受ける」と語り、ライターの若木康輔は、その巧みな作劇・人物描写を「黒い山田太一」と評した。
そんな高木登が、前回の公演『カップルズ』から、それまでの勧善懲悪、暗いエンターテイメントとは別のベクトル、実感そのものをより意識的に、より巧みにフィクションに織り込ませる、というように作風が変容してきたように感じる。高木自身の母親の境遇から端的な事実を元にした新作『荒野1/7』(コウヤナナブンノイチ)は、そういう意味でも鵺的のターニングポイントとなる作品ではないだろうか。
少し話は逸れる。個人的には、作者のありよう(これまでの記憶や記録を踏まえた)が一番強く作品に反映されるのが演劇だと考えている。作者が変わり、台本が変わり、集団が変わっていく。その様が「ドキュメンタリー」を感じさせるのである。この秋には、相田和弘監督が、平田オリザと青年団を追ったドキュメンタリー『演劇1』と『演劇2』が公開される。「演劇とドキュメンタリー」。この関係は、今後重要な議題のひとつとなるに違いない。
話を戻そう。ネタバレ厳禁(鵺的の作品はいつもそうなのだが)の『荒野1/7』は、黒澤明の『七人の侍』よろしく集められたつわもの役者七人が、全身全霊をもって観客を待ち受けている。たったひとりの高木登の言葉を、七人の役者がそれぞれの身体を通して、その場にいる観客全員に投げかける。家族とは?血縁とは?幸福とは?この胸掻きむしられるような「体験」もドキュメンタリーといえるのではないだろうか。