日藝生による第6回映画祭
「信じる人をみる宗教映画祭」
今年で6回目となる日藝生企画・運営の映画祭。テーマは“宗教を考える”。映画が生まれた19世紀末には産業革命による合理化が広がり、宗教が次第に力を失ってゆく。それにもかかわらず、宗教は現代まで残り続けてきた。それだけ、宗教とは人間の生活に根付いたものであった。 しかし、1995年のオウム真理教の事件を機に、日本人の宗教に対する見方が大きく変わった。この映画祭を企画するメンバーの多くが95年という年に生まれ、その後、2001年にアメリカ同時多発テロ「9・11」が起こり、宗教に対する不信感は増す一方であった。 しかし、これまで長い間、宗教は人々の支えになっていたはずだ。それにもかかわらず、我々多くの日本人は宗教に対して無自覚で、信仰を持った人々の言葉を聞いてもなかなか理解できない。
これまで、多くの映画監督が宗教を題材に作品を生み出してきた。カール・Th・ドライヤーの『裁かるゝジャンヌ』では、最後まで自分の信仰を貫く姿が描かれていると思えば、イングマール・ベルイマンの『冬の光』では、自らの信仰に疑問を持つ牧師が主人公である。また、山本政志の『水の声を聞く』では、偽物だったはずの宗教が、次第に本物へと変わっていく姿が描かれている。我々は彼らの姿を見て、声を聞き、何を感じるだろうか。映画祭を通して“なぜ信じるのか”を理解したい。「信じる」ことは、いつの時代にも必要なことだと思うから。
【上映作品】
『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』
(フィリップ・グレーニング/2005/169分/ミモザフィルムズ)
『ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~』
(ハイディ・ユーイング、レイチェル・グラディ/2006/ 87分/マグノリア・ピクチャーズ ソニー・ミュージックエンタテインメント)
『水の声を聞く』
(山本政志/2014/129分/シネマ☆インパクト)
『裁かるゝジャンヌ』
(カール・テオドア・ドライヤー/1928/76分 24コマ/秒にて上映)
=国立近代美術館フィルムセンター所蔵プリント上映予定
『天草四郎時貞』
(大島渚/1962/101分/東映)
『冬の光』
(イングマール・ベルイマン/1962/82分/マジックアワー)
『ノスタルジア』
(アンドレイ・タルコフスキー /1983/126分/ザジフィルズ)
『奇跡の海』
(ラース・フォン・トリアー/1996/158分/R-15+/キングレコード)
『ある朝スウプは』
(高橋泉2004/90分/ぴあ+ユーロスペース)
『カナリア』
(塩田明彦/2004/132分/オフィス・シロウズ)
『シークレット・サンシャイン』
(イ・チャンドン(李滄東)/2007/142分/シネマサービス エスピーオー)
『神々と男たち』
(グザヴィエ・ボーヴォワ/2010/120分/マジックアワー+IMJエンタテインメント)
『セデック・バレ』
(ウェイ・ダーション(魏聖徳)/2011/第一部・太陽旗144分、第二部・虹の橋132分/太秦)
『神は死んだのか』
(ハロルド・クロンク/2014/114分/シンカ)
『禁じられた歌声』
(アブデラマン・シサコ/2014/97分/株式会社レスペ)
【概要】
■ 主催:日本大学芸術学部映画学科3年
映像表現・理論コース映画ビジネスゼミ、ユーロスペース
■ 会期:12月10日(土)〜16日(金)
■ 会場:渋谷・ユーロスペース
■ プログラム
■ 公式ホームページ: http://syukyou-eigasai.com
Twitter: @nichigei_eigasai
Facebook: https://www.facebook.com/syukyou.eigasai