【News】1/11−1/26『追悼 小説家・山崎豊子』@川崎市民ミュージアム

2013年9月29日に逝去された小説家・山崎豊子氏(1924年11月3日-2013年9月29日)は、日本を代表する作家として、約60年に亘って活躍されました。氏の作品は、初期作品に見られる生地・大阪のいきいきとした風俗描写が特徴的なものから、その後の社会問題に鋭く切り込んだ作品に至るまで、その多くが繰り返し映画やテレビドラマとして映像化されています。氏の生み出した物語は、小説のみならず映像作品としても多くの人々の記憶に焼き付いていることでしょう。

川崎市市民ミュージアムでは「追悼 小説家・山崎豊子」と題し、氏の小説が原作となった映画作品を特集上映いたします。日本映画史において燦然と輝く、見応えのある大作たちをお楽しみください。

【日時】2014年1月11日(土)13日(月)18日(土)19日(日)25日(土)26日(日)
【会場】川崎市民ミュージアム 映像ホール
【料金】一般 600円 大学・高校生・シニア(65歳以上) 500円
    小中学生・市民ミュージアム友の会会員 400円
    幼児(未就学児)、障害者手帳・身障者手帳・療育手帳をお持ちの方
    およびその介助者1名、 被爆者手帳をお持ちの方 無料

【上映作品】

1月11日 11:30~
女の勲章
大映東京/1961年/カラー/シネマスコープ・サイズ/35mm/110分

企画:土井逸雄●原作:山崎豊子『女の勲章』●脚色:新藤兼人●監督:吉村公三郎●撮影:小原譲治●照明:久保田行一●美術:間野重雄●音楽:池野成●録音:須田武雄●編集:鈴木東陽●出演:京マチ子、若尾文子、叶順子、中村玉緒、田宮二郎、森雅之、船越英二

◆ファッション業界を舞台に、人間の虚栄心や打算、愛欲を浮き彫りにした作品。船場のいとはん育ちの式子(京マチ子)は、マネージャーの銀四郎(田宮二郎)や内弟子である倫子(若尾文子)、かつ美(叶順子)、富枝(中村玉緒)に支えられ、洋裁教室から服飾学院の開校へと事業を成功させていく。だが野心家の銀四郎は、その裏で3人の弟子と関係を結び、3人の弟子たちもそれぞれ名声を得ようと機会をうかがっていた…。

1月11日 14:00~
女系家族
大映京都/1963年/白黒/シネマスコープ・サイズ/35mm/111分 

企画:土井逸雄、財前定生●原作:山崎豊子『女系家族』●脚色:依田義賢●監督:三隅研次●撮影:宮川一夫●照明:中岡源権●美術:内藤昭●音楽:斎藤一郎●録音:海原幸夫●編集:菅沼完二●出演:若尾文子、高田美和、鳳八千代、京マチ子、田宮二郎、中村鴈治郎

◆代々女系の家筋である大阪船場の繊維問屋で、当主の嘉蔵(深見泰三)が3人の娘を残して急死し、遺産分配のための親族会議が開かれる。出戻りの長女・藤代(京マチ子)、養子を迎えた次女・千寿(鳳八千代)、花嫁修業中の三女・雛子(高田美和)はそれぞれの思惑を胸に集うが、そこで嘉蔵の愛人・文乃(若尾文子)の存在が発覚する。文乃の妊娠を知った娘たちと大番頭の宇市(中村鴈治郎)は、出産前に遺産相続を決めてしまおうとするが…。

1月13日 11:30~
沈まぬ太陽
*途中10分間の休憩が入ります。
「沈まぬ太陽」製作委員会/2009年/カラー/ヴィスタヴィジョン・サイズ/35mm/202分

プロデューサー:岡田和則、越智貞夫、井口喜一●原作:山崎豊子『沈まぬ太陽』●脚色:西岡琢也●監督:若松節朗●撮影:長沼六男●照明:中須岳士●美術:小川富美夫●音楽:住友紀人●録音:郡弘道●編集:新井孝夫●出演:渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、香川照之

◆日航機墜落事故などに着想を得た長編小説の映画化で、高度成長期を背景に、巨大企業に翻弄されながらも自らの信念を貫く男の姿を描く。国民航空の労働組合委員長・恩地(渡辺謙)は職場環境の改善に奔走した結果、海外勤務を命じられてしまう。10年後、本社復帰を果たすもジャンボ機墜落事故が起き、救援隊として現地に行った彼はさまざまな悲劇を目の当たりにする。そして、組織の建て直しを図るべく就任した国見新会長(石坂浩二)のもとで、恩地は会社の腐敗と闘うが…。

2014年01月18日 11:30〜
横堀川
松竹/1966年/カラー/シネマスコープ・サイズ/35mm/100分

製作:升本喜年●原作:山崎豊子『暖簾』『花のれん』『ぼんち』●劇化:茂木草介●脚色:柳井隆雄●監督:大庭秀雄●撮影:厚田雄春●照明:中村明●美術:芳野尹孝●音楽:林光●録音:栗田周十郎●編集:杉原よ志●出演:倍賞千恵子、中村扇雀、山口崇、小沢昭一、中村鴈治郎

◆船場を舞台に大阪商人の生態を描いた山崎豊子の初期の3作品を骨組みに、茂木草介が創作し、テレビドラマ化に続いて映画化された作品。昆布商浪花屋の一人娘多加(倍賞千恵子)は呉服問屋の跡取り吉三郎(中村扇雀)と結婚するが、吉三郎は放蕩三昧に明け暮れて多加に苦労をかけていた。一方、浪花屋で丁稚奉公に耐えながら次第に商才を示し、主人から暖簾を分け与えられた吾平(山口崇)は、順調に店を繁盛させていく。

2014年01月18日 14:00~
白い巨塔
大映東京/1966年/白黒/シネマスコープ・サイズ/35mm/149分 

企画:財前定生、伊藤武郎●原作:山崎豊子『白い巨塔』●脚色:橋本忍●監督:山本薩夫●撮影:宗川信夫●照明:柴田恒吉●美術:間野重雄●音楽:池野成●録音:奥村幸雄●編集:中静達治●出演:田宮二郎、東野英治郎、小沢栄太郎、加藤嘉、田村高廣

◆医学界の腐敗を鋭く追及し、山崎豊子の最高傑作としても名高い社会派小説の映画化。原作が完結する前に製作が開始されたため、ラストは映画オリジナルとなっている。東教授(東野英次郎)の定年により、その後任選挙で揺れる浪速大学医学部。東の教え子である野心家の財前五郎(田宮次郎)は、傲慢な態度ゆえ東教授に疎まれていたのだが、東一派の妨害を巧みに交わしながら、ついに教授の座へ。だが彼は院内の医療ミス問題で訴えられてしまい…。

不毛地帯2(C)1976_東宝株式会社1月19日 11:30~
不毛地帯
*途中10分間の休憩が入ります。
芸苑社/1976年/カラー/スタンダード/35mm/181分

 

製作:佐藤一郎、市川喜一、宮古とく子●原作:山崎豊子『不毛地帯』●脚色:山田信夫●監督:山本薩夫●撮影:黒田清己●照明:岡本健一●美術:間野重雄●音楽:佐藤勝●録音:西崎英雄●編集:鍋島惇●出演:仲代達矢、田宮二郎、丹波哲郎、山形勲、神山繁、八千草薫

©1976 東宝株式会社

◆伊藤忠商事の元会長をモデルに1973-78年まで連載され、ロッキード事件などが明るみに出るなかで事件の裏事情を知らしめ話題になった山崎豊子の同名小説を、連載中に映画化した作品。映画は小説の前半部を忠臣に展開する。元陸軍中佐の壱岐正(仲代達矢)は、大本営参謀としての経歴を買われ、シベリア抑留からの帰国後近畿商事に入社する。壱岐はそこで航空自衛隊の次期戦闘機選定を巡り、ライバルの東京商事との間で熾烈な争いを繰り広げていく。

華麗なる一族2(C)1974_東宝株式会社1月25日 11:30~
華麗なる一族
*途中10分間の休憩が入ります。 
芸苑社/1974年/カラー/スタンダード/35mm/211分

 

製作:佐藤一郎、市川喜一、森岡道夫●原作:山崎豊子『華麗なる一族』●脚色:山田信夫●監督:山本薩夫●撮影:岡崎宏三●照明:下村一夫●美術:横尾嘉良、大村武●音楽:佐藤勝●録音:原島俊男●編集:鍋島淳●出演:佐分利信、月岡夢路、仲代達矢、田宮二郎、山本陽子、目黒祐樹、京マチ子©1974 東宝株式会社

◆神戸銀行(現・三井住友銀行)をモデルとし、大富豪の銀行家一族を中心に、政財界にまたがる富と権力を巡る人間の野望と愛憎を描く社会派小説の映画化。関西財界にその名を轟かせる阪神銀行の頭取・万俵大介(佐分利信)は、名ばかりの妻(月岡夢路)と愛人であり万俵家の一切を任されている高須相子(京マチ子)を同居させるばかりか、相子の手腕により勢力を広げ、強固な基盤を築いていた。だが一族の歯車は次第に狂い始める…。

暖簾(C)1958_b東宝株式会社1月26日11:30~
暖簾
宝塚映画/1958年/白黒/シネマスコープ・サイズ/35mm/123分

 

製作:滝村和男●原作:山崎豊子『暖簾』●劇化:菊田一夫●脚色:八住利雄●脚色+監督:川島雄三●撮影:岡崎宏三●照明:下村一夫●美術:小島基司●音楽:真鍋理一郎●録音:長岡憲治●編集:宮田味津三●出演:森繁久彌、山田五十鈴、乙羽信子、中村メイコ、浪花千栄子
©1958 東宝株式会社


◆新聞社で記者として働くかたわら小説の執筆を始めた山崎豊子が、生家の昆布屋をモデルに親子二代の商人魂を描いた処女作で、演劇化に続いて映画化された作品。森繁久彌が親子二代を演じている。15歳で淡路島から大阪へ飛び出してきた吾平(森繁久彌)は、昆布屋の主人に拾われて大阪商人の根性をたたき込まれ、25歳で暖簾を分けてもらう。嫁の千代(山田五十鈴)と共に店を切り盛りしながら、吾平は明治から昭和という激動の時代を生き抜いていく。

花のれん(C)1959_東宝株式会社1月26日14:15~
花のれん
宝塚映画/1959年/白黒/シネマスコープ・サイズ/35mm/129分

製作:滝村和男、杉原貞雄●原作:山崎豊子『花のれん』●脚色:八住利雄●監督:豊田四郎●撮影:安本淳●照明:下村一夫●美術:伊藤熹朔●音楽:芥川也寸志●録音:鴛海晄次●編集:岩下廣一●出演:淡島千景、森繁久彌、花菱アチャコ、石浜朗、乙羽信子、佐分利信
©1959 東宝株式会社

◆吉本興業の創業者・吉本せいをモデルに、戦前の上方の寄席小屋や大阪商人の世界を情緒豊かに描き、直木賞に輝いた山崎豊子の同名小説の映画化。大阪船場で営んでいた呉服店が倒産し、多加(淡島千景)と吉三郎(森繁久彌)の夫婦は寄席を買い取り再起の第一歩を踏み出した。商売は繁盛するが、その一方で吉三郎の女遊びはやまず、ある日妾の家で急死してしまう。多加は幼い子供を抱えながらも、商売一筋に生きる決心をする。