【News】7/11(金)より★篠田千明 快快脱退後初のソロ公演 It’s my turn series 『機劇〜「記述」された物から出来事をおこす〜』

篠田千明、快快脱退後の本格的なソロ活動第一弾!
東京―タイを移動しながら思考し続ける篠田の、21世紀的「演劇」のあり方

快快を 2012 年に脱退し、タイ・バンコクでの滞在を続けている篠田千明。2015 年発表予定の演劇公演に向けたプロジェクトがいよいよ本格始動!バンコクと東京の往復を続ける篠田が、その独自の文脈なき知見から、現在に有効な「演劇」のあり方を探る。

今回は、2014 年にタイで行った企画 [ It’s my turn ] を経ての東京オリジナル企画 『機劇〜「記述」された物から出来事をおこす〜』を発表する。タイでは、伝統芸能や宗教儀式といった時を超えて受け継がれる「様式」をなぞり再構築する試みや、開かれた地縁につどうアーティストらとの語りあいを続けてきた。これらを経て、いま改めて東京という都市に有効な「演劇」とは何か? リアルなアジアの現在と、時代を超えて脈々とつづく演劇の歴史を ”「記述」する物” を結びつけたプロジェクトを立ち上げる。

篠田千明ならではのスケールによる、この新たな挑戦の瞬間にぜひ立ち会いたい。

■機劇

身体と空間を媒介に出来事をつくり、人が集い、対話する機会である瞬間芸術・演劇が、時を越えて残されるための物:出来事を「記述」する身体/譜面/絵/テキストから、演劇とはなにか? を考える試み。今回は 2 回に分けたショーイングを行う。

A プログラム
身体による記述…日本人俳優・中林舞が現地で伝統芸能“ラコーン・チャートリー”を習得し、実演。そこに中林自身の自己紹介や身体表現のボキャブラリーを重ね、篠田の演出で再構築を行う 
譜面による記述…ルドルフ・フォン・ラバン、アンナ・ハルプリンのダンススコア(舞踊譜)から実際に動きをおこす

B プログラム
絵による記述…間に配置され、存在する身体:ヌードモデルのデッサンを観客自身が行う
テキストによる記述…既存の戯曲を「定款」というフォーマットを参照しながら構成、演出した演劇を上演する

|ショーイング概要

<Aプログラム:身体/譜面>

●The Short Chatri / タイトルコール[身体]
日本人俳優・中林舞が現地で伝統芸能“ラコーン・チャートリー”を習得し、実演。そこに中林自身の自己紹介や身体表現のボキャブラリーを重ね、篠田の演出で再構築を行う
出演:中林舞
映像:いしいこうた、小道具:危口統之(悪魔のしるし)

●ダンススコアからおこしてみる[譜面]
ルドルフ・フォン・ラバン、アンナ・ハルプリンのダンススコア(舞踊譜)から実際に動きをおこす
出演:福留麻里

日時 
7 月 11 日(金)20:00
7 月 12 日(土)14:00 / 19:00
7 月 13 日(日)13:00 / 18:00
※受付開始は開演の 30 分前、開場は 15 分前

会場
SNAC(清澄白河)
〒135-0022 東京都江東区三好 2-12-6-1F
東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「清澄白河駅」B2 出口より徒歩 2 分、A3 出口より徒歩 4 分
http://snac.in/

出演
中林舞(なかばやしまい)
俳優/振付師。2012 年まで快快メンバーとして活動。 ケラリーノ・サンドロヴィッチ、河原雅彦、柿喰う客、
DULL-COLORED POP、LAUSU、範宙遊泳など客演多数。アイドルグループ バンドじゃないもん!振付担当。

福留麻里(ふくとめまり)
2001 年より新鋪美佳と共に身長 155cm ダンスデュオほうほう堂として活動。ひとりで踊ったり、神村恵や山下残
などの作品に出演したり、詩人や音楽家や美術家と共同作業したりもしている。12 月に初のソロ公演を予定。

<Bプログラム:絵/テキスト>

●デッサン会[絵]
空間に配置され、存在する身体:ヌードモデルのデッサンを観客自身が行う
モデル:辻村優子
※お客さま自身にデッサンを行っていただきます

●演劇[テキスト]
既存の戯曲を「定款」というフォーマットを参照しながら構成、演出した演劇を上演する
出演:齋藤桂太(渋家)

日時
8 月 8 日(金)20:00
8 月 9 日(土)14:00 / 19:00
8 月 10 日(日)13:00 / 18:00
※受付開始は開演の 30 分前、開場は 15 分前

会場
森下スタジオ
〒135-0004 東京都江東区森下3-5-6
地下鉄都営新宿線、 都営大江戸線「森下駅」 A6 出口より徒歩 5 分
東京メトロ半蔵門線、 都営大江戸線「清澄白河駅」 A2 出口より徒歩 10 分
http://www.saison.or.jp/studio/

出演
辻村優子(つじむらゆうこ)
多摩美術大学卒業。快快などの演劇作品に出演。新国立劇場演劇研修所三期生。こまつ座、モナカ興業などの
舞台作品のほか、BeeTV 「のぞき穴」(監督 飯塚健)にも出演。作品のジャンルを問わず色々演じる。

齋藤桂太(さいとうけいた)
1987 年東京都出身。アーティスト。「渋家」の作者。2008 年から「渋家」を、2014 年から「Tokyo Condition」を作品
としている。様々な企画、展示、書籍、出来事、プロジェクトなどをメンバーと相互制作している。

★このほか 7 月 18 日(金)森下スタジオにてトーク開催予定!

|クレジット

構成・作・演出:篠田千明
宣伝美術:小林剛
制作:プリコグ
主催:篠田千明、プリコグ
助成:財団法人セゾン文化財団、アーツカウンシル東京(申請中)
協力:SNAC、悪魔のしるし、渋家

ステッカーはこんな感じ

|チケット

各プログラム 前売 2,200 円/当日 2,500 円
2プログラムセット券 4,000 円(前売のみ・限定数、ステッカープレゼント付き!!)
6月7日(土)発売、日時指定・自由席
取り扱い:プリコグ http://precog-jp.net

★最新情報はこちら http://shinodachiharu.com/
 篠田千明と出演者のインタビューなど続々公開予定!

■It’s my turn@バンコク 

篠田が拠点を移したバンコクにて、同市のギャラリーやアーティストの協力のもと、新作のため
のリサーチとワークショップ、ショーイングを実施するシリーズ。また 2014 年 7・8 月に東京にて
活動報告を兼ねたショーイングを行う。

|これまでの活動履歴

●2014 年 4 月 “Replay” The short performance and artist talk @Speedy Granma
タイの無形文化遺産である伝統芸能ラコーン・チャー トリーのレパートリーの一つである演目”Kantong”の一部を、日本人俳優・中林舞が実演し、それを篠田が再構築するパフォーマンス。
中林は二週間現地に滞在し、伝統を受け継いでいる最後の舞踊手 Kanya Tippayosot の指導による稽古を積んだ。元来ラコーン・チャートリーは現地の結婚式や葬式などに招かれ、演じられるもの。今作では Kun Tuu という 65 歳のホームレスの男性が、それまで所持してこなかった身分証明証(ID カード)を取得したお祝いパーティーという設定とし、取得にあたって援助をしてくれた多くの人々を招き、ともに”Kantong”を鑑賞し、祝った。また同時にアジアの演劇シーンに詳しいプロデューサーやアーティストとのトークセッションも実施。

●2014 年 5 月 It’s my turn @The Space Bangkok
滞在、そして 4 月のパフォーマンスを経ての、「It’s my turn」シリーズ本公演。現地で信仰される神様への祈りという儀礼をモチーフに、観客自身が演劇鑑賞を通じて儀礼そのものをインストールできる場をオーガナイズした。


|この演劇を遊ぶためのとても簡単な六つのステップ

1. 儀式は演劇をはじめる前に必ず催さわれなければならない
2. 題名は呼ばれなければならない
3. Kao Klook Kapi(えびのペーストで炒めたチャーハンにいろいろ具材をまぜて食べる、うまい)を食べる事
4. Poh Kae(現在 150 才位の Nang Lerng に伝わる神様)の願いをきく事
※どうやるかは実際に当日やるので見ておく
5. 大体この演劇のルールがわかったら、ちがう縮尺に変換する事
6. ここまで来たらあなたの番のためのリハーサルが始まるので、自分の番にそなえておく
この六つのステップは直線的ではなく六角形になっている。望めばいくらでも繰り返していける。
この様式をインストールして、自分を媒介に、次の時間と空間の点に送ろう!!!

(C)Tada Hengsapkul

|プロフィール

篠田千明 Chiharu Shinoda
演出家、作家、イベントオーガナイザー。1982 年東京生まれ。2004 年に多摩美術大学映像演劇学科の同級生らと演劇カンパニー・快快(元・小指値)を結成し、2012 年に脱退するまで中心メンバーとして主に演出と脚本、オーガナイズを担当。2014 年現在バンコク在住。

演劇、ダンス、映像、パーティ、イベント等、既成のジャンルや上演形式に留まらない独自の活動を多彩なフィールドで展開。国際的な活動を元に雑誌、ウェブ媒体への寄稿も多数。

2010 年に代表作『My name is I LOVE YOU』がスイスの国際演劇祭チューリヒ・シアター・スペクタクルにて、日本人アーティストとしては初である最優秀賞 ZKB Patronage Prize 2010 を受賞。

篠田の超領域的で新鮮な演出は「新たなストーリーテリングの実験的で、高速で、軽快で、エキサイティングな形式を成立させている」と評された。舞台演出のほか、2009 年「キレなかった 14才♥りたーんず」企画/脚本・演出、2011 年「We dance」ディレクターなど、プロデュースの領域でも活躍する。

2012 年 4 月バンコクに移住、同年 9 月に快快を脱退。2013 年 2 月、国際舞台芸術ミーティング(TPAM) in 横浜 大平勝弘ディレクションにて『ぼやっとする(まぬけ)』を発表。同年 5 月、Fabbrica Europa(イタリア)の招聘により『The PARTY party』を滞在制作。フィレンツェ、ベルリン、東京にて発表。2014 年にはバンコク(5 月)、東京(7 月、8 月)にて新作『It’s my turn』を発表予定。

今後の予定
2014/06 ヨーロッパ滞在
2014/07,08 『機劇〜「記述」された物から出来事をおこす〜』発表@東京:SNAC、森下スタジオ
2014/秋 ヨーロッパおよび、拠点であるタイを含むアジアでの作品制作、公演を計画中
2015 悲劇を題材とした新作