身近な“自死”を受けとめ、よりよく生きるためにはどうすればよいのか
映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を観て、考える
20代にして自死を選択した若者、そして彼の自死により遺された遺族、友人が、喪失の痛みを乗り越えようとする過程に焦点を当てたドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』。8月中旬から劇場公開される本作では、自死を思い立つような若者たちの現状について、また、ご家族や友人等、遺された者たちについて、観て頂いた方々に想いを巡らせて欲しいと願っています。
そこで、劇場公開に先行してこの映画をきっかけに語り合う場として、映画の先行上映+シンポジウムを開催する運びになりました。社会問題としての「自死」だけではなく、私たちそれぞれが、よりよく生きるためにどうすればよいのか。とてもむずかしい問題で、とうてい映画だけで答えを出せるものではありませんが、映画の上映後は監督だけでなく識者の方々も交えて、皆で考える場にできればと思っております。
お誘いあわせの上、是非ご参加ください。ご来場お待ちしております。
【開催日】8月2日(土)13:00 開場/ 13:30〜 開演
【会場】 青山・東京ウイメンズプラザ 円形ホール(約250席)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目53−67 【地図】
【料金】無料(予約制)※限定125組250名
●郵便:〒161-0034 東京都新宿区上落合2-28-27上落合スタジオ/ノンデライコ 大澤 宛
【タイムスケジュール】
12:30〜:受付開始
13:00~:開場
13:30~15:30:映画上映『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(119分)
15:30~17:30:シンポジウム「自死をうけとめるために」
橘ジュン×安田祐輔×太田信吾
■ シンポジウム『自死を受け止めるために』 参加者プロフィール
橘ジュン(NPO法人BONDプロジェクト代表)
ライター。「VOICES MAGAZINE」編集長。NPO法人「BONDプロジェクト」代表。10代の終わり、知り合いの編集者にすすめられ、アウトロー的な生き方をする10代の少女たちの取材、ビデオ、レポーターやルポ執筆の活動を始める。結婚・出産を経て、パートナーのカメラマン「KEN」と共にフリーマガジンVOICES創刊。これまで少女たちを中心に3,000人以上に声をかけ、聞いて、伝えつづけてきた。メールやウェブサイトにも少女たちからの声、相談が多数寄せられている。2009年NPO法人BONDプロジェクトを設立。渋谷を拠点に「聴く、伝える、繋げる」の活動をさらに広げている。著書に『VOICES ~キミの声を伝える~』(グラフ社)、『漂流少女 ~夜の街に居場所を求めて~』(太郎次郎社エディタス)
安田祐輔(NPO法人キズキ代表)
大学在学中にイスラエル・パレスチナで平和構築関連のNGOに携わった後、大学を休学しルーマニアの研究機関に勤務。主に紛争解決に向けたワークショップのコーディネートなどを行う。卒業後は、バングラデシュの娼婦街に長期滞在した後、日本で総合商社に勤務。その後、2011年夏にNPO法人キズキを立ち上げ、現在同理事長。
①不登校・高校中退経験者を対象とした高校・大学受験塾の経営/②中退予防に取り組む大学・専門学校を対象とした教員研修や講師派遣/③新宿区にて引きこもり等の若者を対象とした就労相談窓口業務(行政からの委託事業)など、困難を抱えた若者たちを支援するための事業を総合的に行っている。また今年度から、新宿区の自殺総合対策会議の委員も務めている。
太田信吾(映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』監督)
早稲田大学の卒業制作として引きこもりをテーマに製作したドキュメンタリー『卒業』がイメージフォーラムフェスティバル2010優秀賞•観客賞を受賞。友人の自殺と真正面から向かい合い、7年間の制作期間を経て完成した『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2013アジア千波万波部門に選出。同作はニッポンコネクション(ドイツ)をはじめ、海外映画祭からも招聘が続いている。また、俳優として「チェルフィッチュ」や「劇団、本谷有希子」に出演するなど、舞台、映像を横断して活動している。本作が初の劇場公開作品。
【主催・問い合わせ】
ノンデライコ(代表:大澤一生)
〒161-0034 東京都新宿区上落合2-28-27上落合スタジオ
(TEL)090‐9304‐3275
(MAIL)nondelaico777@yahoo.co.jp
【映画概要】
『わたしたちに許された特別な時間の終わり』
(2013/日本/119分/監督:太田信吾)
山形国際ドキュメンタリー映画祭2013アジア千波万波部門正式出品作品/ニッポンコネクション2014(ドイツ)正式出品作品
「映画を完成させてね。できればハッピーエンドで」
それが友人の最後の言葉だった―。
夢半ばにして自ら命を絶ったミュージシャンと、彼を慕う後輩、そして映画監督の「私」。
3人の若者たちが織りなす、美しくも過激に心に刺さる青春群像ドキュメンタリー。
2010年12月、かけ出しの映画監督の太田は、ひとりの友人を自殺で亡くした。彼の名は増田壮太(そうた)。かねてより壮太とバンド仲間の冨永蔵人(くらんど)を撮影していた太田にとって、そのショックは大きかった。10代のバンドコンテストで優勝するほど音楽の才能に恵まれ「ミュージシャンになる」という強い夢を持っていた壮太がなぜ———。一方、壮太に誘われバンドを組んでいたものの、何がやりたいのか自分でも分かっていなかった蔵人は、徐々に壮太と袂を分かち、就職することで自分の居場所を見つけはじめる…。
本作はそんな3人の若者たちをめぐるドキュメンタリー。監督は岡田利規が主催するチェルフィッチュに俳優として参加するなど、多彩な活動でも知られる新鋭・太田信吾。「映画を完成させてね、できればハッピーエンドで」という壮太の遺言と実直に向き合い、時にはフィクショナルなカットも織り交ぜながら、「表現とは何か、自由とは何か」を模索する長編初監督作として完成させた。
8月16日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開