【News】311前の南三陸を描いた『波伝谷に生きる人びと』 第36回PFFで9/14・18上映

 

東日本大震災前の南三陸を舞台にしたドキュメンタリー映画

『波伝谷に生きる人びと』。

山形国際ドキュメンタリー映画祭出品作に修正を加えた
バージョンが、
36回ぴあフィルムフェスティバルに入選!
 

東京国立近代美術館フィルムセンターにて

9月14日(日)14:30~、18日(木)12:00~の2回、上映



 

 

<作品概要>

宮城県南三陸町の海沿いに位置する戸数約80軒の波伝谷(はでんや)部落。本作は、東日本大震災の津波により壊滅したこの小さな漁村に生きる人びとの、震災前の日常を追ったドキュメンタリー映画である。

物語は2008年の3月に始まり、漁業者たちの日々の仕事や地域の年中行事、そこでの多様な人間関係などが、ゆったりとした土地の空気とともに描き出されていく。過疎化が進みながらも豊かなくらしを育んできた波伝谷の人びとの時間と、そこに寄り添う作者自身の時間。二つの時間が重なりながら、物語はやがて2011年の3月11日へと向かっていく……。 

「人が生きている限り、人の営みは続いていく」 

震災前から東日本沿岸部の人の営みを見続けてきた作者が、震災を経験した日本人に贈る入魂の一作。

 

ピーストゥリー・プロダクツ製作/我妻和樹監督/2014年/134
13回山形国際ドキュメンタリー映画祭「ともにある Cinema with Us 2013」参加作品
36回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2014入選作品

 

<作品紹介ページ>
http://pff.jp/36th/lineup/award15.html

 

 

 

<本サイトに寄稿:監督のことば>

僕が初めて波伝谷を訪れたのは、大学1年も終わりに差し掛かった2005年の3月12日のことです。もともと大学の民俗調査で訪れたこの波伝谷ですが、その出会いはその後の僕の人生を大きく変えることになりました。それだけ波伝谷の人たちの生き方が、当時の僕には魅力的に映ったのだと思います。

海や陸の恵みとそこでの人のつながり。面倒なことも多いけれど、それが生き甲斐でもあるという大きな矛盾を孕んだ豊かで複雑な世界。「土地とともに生きる」ということがどういうことなのか。波伝谷という一つの地域社会の中で、互いが深く関わりあい、ときに葛藤しながら生きている人びとの姿を、その瞬間を生きる人びとの表情と言葉をもって伝えたい。そうして映像の下積みもないまま、2008年3月の大学卒業と同時に、僕の映画製作はスタートしました。
この映画は、確かに震災という大きな出来事を含んでいますが、それが主題の映画ではありません。ある時代を人はどう生きてきたのか。時代の移り変わりという大きな波にさらされながら、それでも共同体として生きることを貫いてきた人びとの姿と、絶え間なく続く人の営みを、是非多くの方に観て欲しいと思っています。 

※作品はこの夏宮城県沿岸部11カ所での縦断上映を終え、来年の全国劇場公開に向けて準備中です。詳しくは作品のフェイスブックを覗いてみてください。https://www.facebook.com/hadenyaniikiruhitobito