【News】3月12日開催『neoneo』編集委員も参加 批評誌の現在~なぜいま批評「誌」なのか~ @amu KYOTO

【3.12 Sat イベント】批評誌の現在~なぜいま批評「誌」なのか~
ゲスト:櫻井拓さん(『ART CRITIQUE』編集発行人)・ 増田千恵さん(リア制作室)・佐藤寛朗(『neoneo』編集委員)

しばしば斜陽産業の代名詞として取り上げられる出版業界。

とりわけ「文化」や「芸術」という、そもそもマスマーケット向けではない分野の出版を「事業」として行っていくことが難しい時代になりました。

また印刷物は、その特性上リアルタイムでの情報発信や読者との双方的なコミュニケーションに向いておらず、次第に批評やレビューの舞台は紙からwebへと移行してきました。

しかし、その一方で、インディペンデントで小規模な「新しい出版」が誕生しています。そのような「新しい出版」は、マスマーケットにリーチすることを志向しておらず、文化・芸術分野の出版との相性がよいという特徴があります。

出版技術がパーソナル化し、印刷・製本にかかるコストも下がってきました。商品の流通においても、ツバメ出版流通などの小取次が誕生したことで、インディペンデントな出版物が書店に並びやすくなりました。amazonで直接販売することも容易にできます。

出版活動の主軸となる「つくること」「流通させること」のハードルは、昔に比べ低くなったといえます。そのための道具や仕組みは整っています。つまり、誰でもとりあえず本をつくって売ることはできるということです。

 しかし、大事なのは、

  • なぜつくるのか
  • 何を届けたいのか
  • 誰に伝えたいのか

 ということです。

今回の座談会では、業界内外で注目を集める批評誌の編集者3名にご登壇いただき、「なぜいま批評「誌」なのか」をテーマに、お話しいただきます。

モデレーターは京都在住で『ART CRITIQUE』の 編集発行人 、櫻井拓さん。

美術批評を中心とした批評誌『ART CRITIQUE』は、 美術、建築、経済、文芸、社会思想、哲学など、ジャンルを問わず、世界の見方を一変させるようなポテンシャルを持ったコンテンツを掲載している雑誌です。テキスト・ベースのハードコアな内容で、読み応えのあるコンテンツ満載です。

そしてゲストとして、名古屋から芸術批評誌『REAR』制作室の増田千恵さん、東京からドキュメンタリーカルチャー雑誌『neoneo』編集部の佐藤寛朗さんにお越しいただきます。

芸術批評誌REAR(リア)は、おもに中部・東海地域の美術・音楽・演劇・映画など、芸術のさまざまなジャンルの記録(ドキュメント)、批評誌として、地域の執筆者有志により創刊しました。2003年1月発行、1号の特集は『名古屋発/名古屋脱』です。

特集/批評/レビューの構成を軸に、「後衛(rear)」として地域の芸術活動を批評・記録しながら、書き手や読者の広がりとともに視野を拡大してきました。

2016年1月に発行した36号の特集『2015 戦争を視る』では、批評誌の原点として「視る」ことを掲げ、2015年に開催•公開された展覧会や映画、講演会などから、戦後70年を見つめ直していく活動や言説に向き合っています。

日本で唯一のドキュメンタリーカルチャーマガジン『neoneo』は、映画やテレビだけではなく、あらゆる領域のドキュメンタリー表現に関する話題を取り扱った雑誌です。

「ドキュメンタリーは、表現のジャンルではなく方法である、とわたしたちは考えます。表現方法としてのドキュメンタリーはまた、映画やテレビだけにみられるものではありません。写真、舞台表現、現代美術、あるいは広告など、さまざまな表現領域でいま、ドキュメンタリーの方法がためされています。カメラやペン、あるいは身体やその他のメディアで現実を記録し、表現にむすんでゆくこと。いまいっそう際だつそれらのこころみをみつめることは、現代の社会をゆたかにとらえ返すことにもなるはずです。」(『neoneo』HPより)

座談会では、上記の

  • なぜつくるのか
  • 何を届けたいのか
  • 誰に伝えたいのか

という点に加えて

  •  なぜ批評「誌」という紙のメディアを選んだのか。
  • 批評誌に求められるもの
  • 批評誌の可能性

という話題や、もちろん「つくりかた」「届けかた(売りかた)」についても、触れていただく予定です。

  •  インディペンデントな出版活動に興味のあるかた
  • 『ART CRITIQUE』『REAR』『neoneo』の読者
  • 広義の「批評」の世界に興味のあるかた
  • アートや映画に興味のあるかた

はぜひご参加ください。

当日は、3誌のバックナンバーを会場で販売する予定です。

 皆様のご来場をお待ちしています。


 【日時】
2016年3月12日(土)

15:00~17:00(開場14:30)

【タイムテーブル】

14:30~ 開場
15:00~ トーク開始
16:30~ 質疑応答
~17:00 終了

 【参加方法】 

下記のいずれかの方法でお申し込みください。

その①
Facebookイベントページで「参加する」ボタンを押す。
その②
こちらのフォームに必要事項を記入する。

※お申し込み後のキャンセルはご遠慮ください。

【定員】 
30名程度

【参加費】
一般:1,500円(下記2冊の書籍付)

『REAR』 第3号 (税込:378円)
『ART CRITIQUE』 n.02 (税込:1,512円)
合計1,890円相当

 【その他】
『ART CRITIQUE』『neoneo』『REAR』各誌のバックナンバーを販売予定

 【会場】
amu KYOTO
京都市下京区紅葉町364
京都駅から徒歩10分

〒600-8345 京都府京都市下京区紅葉町364 
TEL:075-746-4675
MAIL:az_kyoto_pr@az-hd.co.jp

【プロフィール】

モデレーター

櫻井拓
さん(『ART CRITIQUE』の編集発行人)
1984年宮城県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。編集者。京都市在住。美術批評誌『ART CRITIQUE』を編集発行、出版レーベルBLUE ARTを主宰。主な仕事に、福士朋子『元祖FAXマンガ お絵描き少女☆ラッキーちゃん』、『引込線 2015』、ロズウェル・アンジェ『まなざしのエクササイズ ポートレイト写真を撮るための批評と実践』など。

ゲスト

増田千恵さん(リア制作室)
1978年東京都生まれ。武蔵野美術大学、同大学院にて油絵と版画を学ぶ。2004年より愛知県に移住、リア制作室に参加。博物館、広告代理店、ギャラリー、教員などさまざまなアルバイトを経て、雑誌・書籍・カタログなど紙媒体の編集を中心に美術と地域にかかわる。

佐藤寛朗(『neoneo』編集委員)
1976年生まれ。早稲田大学在学中にドキュメンタリーに目覚め、原一男監督率いる「CINEMA塾」の現場に参加。卒業後も「つくる」「みせる」の両面からドキュメンタリーとの関わりを模索する。映像制作会社でADとして働きながら、「neoneo」では2012年のリニューアル時より編集委員として運営に携わる。雑誌・Web両方でドキュメンタリの情報発信を続ける一方で、自らの「食えない暮らし」を赤裸々に綴ったセルフドキュメンタリー『極私的ドキュメント にっぽんリアル「38歳 自立とは?」』(NHK)を発表し、話題となる。