【News】『焼け跡クロニクル』赤松陽構造氏による題字決定&3監督より熱い応援コメント到着!

2018年7月、『20世紀ノスタルジア』等で知られる映画監督・原將人氏の自宅が不慮の火事で全焼し、すべての家財道具と映画フィルム機材が焼失。やけどを負って入院した原氏に代わり、妻のまおり氏が家族の様子をスマートフォンで記録した。原將人、原まおりの両氏が共同監督を務め一家のゼロからの再起を記録したドキュメンタリー映画『焼け跡クロニクル』。
2022年の劇場公開を目指し、現在クラウドファンディングを実施中の本作に、原一男監督、犬童一心監督、浜野佐知監督より、応援コメントが届く。あわせて、映画タイトルデザインの第一人者である赤松陽構造さんによる題字が完成した。

『焼け跡クロニクル』はMotionGalleryにて、11月30日(火)までクラウドファンディングを実施している。スタート時より多くの支援を受け、現在目標金額の半分を達成している。

【映画概要】
2018年7月、京都・西陣の原監督宅より出火、自宅が全焼した。出火原因は不明。原は火傷を負って入院、残された家族は公民館へ避難。明日着る服も、帰る家もなく、映画監督の命である作品は燃え、生活するのに必要なものを何もかも失った。
火災当日の模様とゼロからの再起を、当事者自らが記録したドキュメンタリー。
●クラウドファンディングページ 

https://motion-gallery.net/projects/yakeato-movie

●目標金額:300万円
●クラウドファンディング募集期間:2021年11月30日(火)まで
●主なリターン:「全国共通特別鑑賞券」「焼け残った原將人作品の8mmフィルムの現物」「原將人、まおり監督からの年賀状」「2022年カレンダー付きマスコミ用プレスシート」「エンドクレジットにお名前掲載」「オンラインイベント参加券」「オンライン打ち上げ参加券」などを用意。

原-原コンビという硬い契り(?)を交わした、その相方の原將人監督から、電話をもらった。
今、最新作『焼け跡クロニクル』を製作中とのこと。
「焼け跡から見つけたフィルムをチェックしたんだけど、焼けたことによってフィルムが、凄くいい感じになってるんだよね」と、私に得意げ(?)に語る声は、凄く弾んでいた。
私は、ああ、この原將人という人は天性のフィルムメーカーなんだなあ、と改めて思い知らされた感じがして、深く感動していた。もっと言えば、神がかっているなあ、と感じたのだ。
普通ならば、自宅が火事になり、自身が大切な映像素材とデータを持ち出さねば、と火の中に飛び込んで、大やけどを負って入院した、という出来事はかなり大きなダメージをうけるハズだろう。が、この出来事は、新作のネタになる、と彼は考えた。そんなふうに考えるセンス自体が尋常ではない。
私からも皆さんに呼びかけたい。原將人監督の家族シリーズの集大成となるであろう『焼け跡クロニクル』を観てみたい、と期待する人は、是非是非、クラウドファンディングに協力してあげて欲しい。
多くの人の支援を頼みます!
-原一男(映画監督)

『焼け跡クロニクル』、拝見させていただきました。
まさにお宝映像でした。
前半、火事という災いの中でも、
映画が元気と強さに支えられ陽のまま進んでいく、そこに魅力を感じて見ていました。
でもそれは、奥様のカラーなんでしょうね。
原さんの火傷からの身体の回復とともに映像が原將人化していくのがとても
面白かったです。原將人は永遠に原將人だ。
原さんの握ったカメラでないと捉えられないものがあって、それはどこか、チャーリー・パーカーにしかできない演奏のようなものなのでしょうね。
原さん家族が、災いを日々の力で乗り切っていく姿に、焼け跡から戻ってきた家族の過去が重なり、次第に京都という土地が舞台のせいか、1000年の間にあった無数の災いを乗り超えた人々の姿、時間まで重なってきました。そんな風に重層的であること、その映像がまさに原將人だと思いました。
映像が生まれた意味、捉えるべきことが、ゴロッとそこに置かれている。
美しく魅力的な石ころのような映画だと思いました。
クラウドファンディングを経て、ここからまた、どう膨らんでいくのか、早く完成した作品を見たいです。
-犬童一心(映画監督)

この映画は断じて「小さな家族の再生の物語」などではない。これは、突然襲いかかって来た災いに戦いを挑んだ一人の女性の物語だ。原まおり監督の強さはどこから生まれるのか、映像の奥の冷静で優しい視線に私は息を飲んだ。焼けこげた8ミリフィルムが映し出す家族の記録は原まおり監督によって見事に未来へと繋がったのではないか。稀有な女性監督を誕生させた『焼け跡クロニクル』をぜひ多くの人が観て、応援してくれることを願っている。
ー浜野佐知(映画監督)

【監督:原將人 プロフィール】
1950年、東京生まれ。1999年より京都在住。1968年、麻布学園高校在学中に『おかしさに彩られた悲しみのバラード』(以下『バラード』)で第1回フィルムアートフェスティバル東京においてグランプリ・ ATG賞をW受賞。10代で松本俊夫監督の『薔薇の葬列』助監督、大島渚監督『東京战争戦後秘話』脚本・予告編の演出を手掛け、天才映画少年と称される。
1973年に発表した『初国知所之天皇』は独自のスタイルで新しい映画の地平を開き、インディーズ映画の傑作として語り継がれる。瀬々敬久、大森一樹、犬童一心らが「監督を志したきっかけは『バラード』と『初国知所之天皇』」と公言し、『バラード』は村上龍の小説「69」にも登場するなど、多大な影響を及ぼした。1997年、広末涼子映画デビュー作 『20世紀ノスタルジア』で日本映画監督協会新人賞受賞。2002 年、デジタルプロジェクター1台と8mm映写機2台による3面マルチ投影のライブ作品『MI・TA・RI!』が第1回フランクフルト国際映画祭観客賞受賞。63歳で、双子の姉妹の父になる。 その他の作品に芭蕉の「奥の細道」を追った『百代の過客』(93・山形国際ドキュメンタリー映画祭95コンペティション作品)、『あなたにゐてほしい』(13・ゆうばり国際ファンタスティック映画祭渚特別賞)、『双子暦記・私小説』(18・第1回東京ドキュメンタリー映画祭長編部門グランプリ)などがある。

【共同監督:原まおり プロフィール】
1973年1月1日、大分県日田市出身。湯布院映画祭の実行委員で原將人と出会い、結婚。第1回フランクフルト国際映画祭で観客賞受賞した『MI・TA・RI!』では、夫である原に師事し、撮影、編集、脚本、出演など映画全般を共同製作。戦後の昭和30年代を舞台にした、『あなたにゐてほしい~SOAR~』では主演(観音崎まおり)を務め、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭渚特別賞を受賞した。

『焼け跡クロニクル』公式サイト:http://www.yakeato-movie.com