【Book Review】ヒトはなぜ結婚をするのか〜『恋する文化人類学者』鈴木裕之著 text 指田文夫

1949年の映画『晩春』以後、なぜ小津安二郎は、ほとんどの作品で、親が娘を嫁つがせる話を延々と作り続けたのだろうか。筋も役者もほとんど同じなので、どれがどれだかよく分からなくなるほどである。この本は、そうした私の疑問にも

【Review】『イザイホウ』と『イザイホー』のあいだ text 指田文夫(大衆文化評論家)  

今、日本のホテルなど結婚式場には、「三種の神器」があり、それがないと若者は使ってくれないという。外国人の牧師による式、コーラス隊とオルガン、そして式を公衆に見せるロビー、あるいは終了後に映画『風と共に去りぬ』のように降り

【Review】『こわれゆく女』ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ text 指田文夫

1975年に作られたジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演のこの映画を見て、すぐに思い出したのは、藤田敏八監督、秋吉久美子主演の1973年の日活映画『赤ちょうちん』である。『妹』『バージン・ブルース』と続く秋吉