そもそも、ここまで映像があふれだした時代に、何故?映像表現などという戯言に付き合ってやらねばならないのだろうか。 ものによっては、それはアートだのという都合のいい呪文で厚化粧をしたゴマカシであったり、 ただの胸クソ悪い人生の無駄遣いだったりする。 芸術家に騙されてはならない。
第2回 三軒茶屋映像カーニバル 2013。
今回も、ここでいまとりあげるべき才能を厳選してお届けいたします。
【開催概要】
日時:11月9(土) ̶17(日)
料金:1000円〈各回入替制〉
会場: KEN http://www.kenawazu.com
Tel & Fax : 03-3795-1776
e-mail : info-ken@kenawazu.com
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4-8-3 地下1階 B102
(1階がペットショップのビル、地下1階)
《アクセス》
東急田園都市線「三軒茶屋駅」三茶パティオ口、東急世田谷線「三軒茶屋駅」より、徒歩約6分/東急世田谷線「西太子堂駅」より、徒歩約2分
【上映プログラム】
11/9(土)
17:00 【追悼・しまだゆきやす】
『SAWADA』(2013/32分/監督:松江哲明)
『妖精―SPRITE―』(2013/72分/監督:しまだゆきやす/編集:大西健児)
21:00 銀鉛画報会FILMワークショップ 真夜中の長時間露光撮影講座(1)
11/10(日)
15:00【ここでオワリだ8ミリ映画!】
『野良景色』(2013/78分/監督:薬袋恭子)
『オトヲカル』(2013/36分/村上賢司)
※村上賢司監督『オトヲカル』のレビューはこちら
11/11(月)
19:00【にいやなおゆき作品集】
『昨日今日明日記』(2012/30分)
『灰土警部の事件簿 人喰山』(2009/28分)
21:00【コンペ部門-A】
『IMIGRATION』(2013/58分/監督:小谷野五王)
11/12(火)
19:00【栗原みえ作品集(1)】
『冬凪』(1994/17分)
『空気息子』(1995/25分)
『青の数値』(1999/14分)
21:00【コンペ部門-B】
『WATER』(2013/28分/監督:手塚悟)
『鯖塩弁当』(2013年/20分/監督:安田哲)
『服人間』(2011/5分/高橋良多)
『桜トイレ』(2012/26分/赤羽健太郎)
11/13(水)
19:00【栗原みえ作品集(2)】
『無音の領域』(2003/13分)
『新年10日間』(2005-07/62分)
21:00【コンペ部門-C】
『on and on and on』(2013/90分/監督:高野美奈子)
11/14(木)
19:00【栗原みえ作品集(3)】
『夏草2/10』(2008/10分)
『小曲』(2011/4分)
『チェンマイ チェンライ ルアンパバーン』(2012/42分)
21:00【コンペ部門-D】
『もしかしたらバイバイ!』(2012/70分/監督:高畑鍬名+滝野弘仁)
11/15(金)
19:00【21世紀の映像万葉集】
『万葉律』(2012/60分/企画・提唱者:原將人)
21:00【コンペ部門-A】
『IMIGRATION』(2013/58分/監督:小谷野五王)
11/16(土)
15:00【コンペ部門-B】
『WATER』(2013/28分/監督:手塚悟)
『鯖塩弁当』(2013/20分/監督:安田哲)
『服人間』(2011/5分/監督:高橋良多)
『桜トイレ』(2012/26分/監督:赤羽健太郎)
17:00【コンペ部門-C】
『on and on and on』(2013/90分/監督:高野美奈子)
19:00【談山セッション】
『初国origin』(2013/56分/原將人)
『あんま』『バラ色のダンス』(1963、1965-2007/30分/飯村隆彦)
21:00 銀鉛画報会FILMワークショップ 長時間露光撮影講座(2)
11/17(日)
15:00【コンペ部門-D】
『もしかしたらバイバイ!』(2012/70分/監督:高畑鍬名+滝野弘仁)
17:00【プレミアLIVE上映 秩父前衛派】
『犬の装飾音』(2013/45分/監督:笹久保伸)
【短編映画コンペティション部門・講評】
まだ見ぬ才能をいち早く発掘し、既存の価値基準では計りきれない “はみ出した才能” を 1 つでも多く拾い あげる為、三軒茶屋映像カーニバルでは、短編映画コンペティション部門を設立いたします。上映期間最終 日に大賞・KEN 賞ほかを発表。KEN 賞受賞者には、三軒茶屋 KEN での上映企画プロデュース権が与えら れます。優れた若い才能、あるいは難ある特異すぎる才能を、より広く発信するサポートをいたします。
◎審査委員長=にいやまなおゆき
審査員=村上賢司/粟津ケン 他
◎講評
たった 5 分の短編作から 90 分の長編まで、今回もユニークで手強いヤングシネマが出揃いました。3.11 以 降の時代の空気を切り取った手塚悟監督の『WATER』や、所在無き異邦人たちの底辺の現状にフォーカス を向けた小谷野五王監督の『IMIGRATION』といった現実世界と地続きな意欲的な物語がある一方、ホラー漫画の 1 コマが動きだしたような不条理な日常を描いた高橋良多監督のシュールな短編作品『服人間』、緑に囲まれた渓谷の自然を舞台に、ギリギリまで削ぎ落された人間関係をじっくりと一時間半かけてみ せる高野美奈子監督の『on and on and on』はファンタジーとしてのデジタルシネマの有効性をそれぞれ 示してくれています。
変化球作品が出揃う今年のヤングシネマ部門内では、もっとも正統派のドラマ仕立て で、世代を超えた女性たちのコミュニケーションを演出する赤羽健太郎監督の『桜トイレ』はその丁寧な台本劇の組み立てが清々しい 1 本です。不器用な男女の恋愛感情のモヤモヤを絶妙なセンスできりとる高畑鍬名 & 滝野弘仁監督コンビによる『もしかしたらバイバイ!』は、既に幾つかの国内外の映画祭や映像コンテス トでも評価を得ており、あえて当コンペ部門で取り上げるべきか考慮させましたが、やはり認めざるを得ない娯楽性とその強烈な個性は外せないということで最終選考を通過しました。そして、安田悟作品『鯖塩弁当』デジタルビデオによる極私的ドキュメンタリー映画です。フィクションでは描けないリアリズムの嫌悪的なエ グみを、そして圧倒的なカタルシスを遺憾なく放ってくれました。ありきたりのジャンルやスタイルに当てはま らないこの 7 本の作品から、また新しい個性的な映像言語の可能性を見つけていただければ幸いです。
【真夜中の映画塾 長時間露光撮影講座1 長時間露光撮影講座2】
11 月 9 日(土)21:00~
11 月 16 日(土)21:00~
●料金:終電コース 2000円/始発コース 3500円
秋の夜長を浪費して撮影の持久戦、バルブ撮影テクニックの本格実 践ワークショップを2週にかけて開催します。 これで最後となる8ミリフィルムにじっくり一晩かけて三軒茶屋の夜景を記録します。
1コマ撮影するのに10秒間の感光だと、3分間の撮影で1秒ぶんの映像が得られるわけで、1時間かけて20秒ぶん の素材が撮影できるとすると……一晩かけて、やっと3分20秒の8ミリフィルムが1本撮影できる筈! にじんだ8ミリフィルムに光の帯が乱舞するバルブ撮影画像は、もっとも人気の映像テクニックですが、その機構 が使えるカメラが限定されているうえ、なによりウデとワザ、根気が必要な撮影技術。今回、ひとコマ単位で光のラ クガキをうんざりするほどとことんまで堪能していただきます。
初心者も歓迎! 今回のワークショップ内で撮影される映像は、夜景映像選に収録され、過去のワークショップ映像と共に最後の8 ミリ映画「夜ヲ蒐積」として完成・上映されてゆきます。