「Tokyo Experimental Performance Archive」は実験的なパフォーマンスにおける継承と創作のサイクルを促す、創造的アーカイブのプラットフォームを構築していくプロジェクトです。 20世紀初頭に生まれ、身体行為表現、美術、音楽等の間で発展して来た実験的なパフォーマンスという表現領域、その蓄積された歴史的コンテクストを再構築し、次世代の創作活動に繋げていくことをミッションに掲げていきます。
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1. 継承と創造のサイクル
身体表現を軸とし、ダンスや演劇、美術、実験的な音楽など様々な分野を横断するパフォーマンスの領域にはすでに豊かな歴史的蓄積と背景があります。
しかし、複製技術が前提になっている音楽や映像などと比べると、パフォーマンスの表現領域は、その「継承と創造のサイクル」が行われる範囲は小さく、リアルタイムで上演を体験できる同時代性の中でのみなされてきたといえるのかもしれません。
パフォーミング・アーツやパフォーマンス・アートのような「ライブ・パフォーマンス」は、上演された過去の記録映像を見ることが、かつては困難なことでした。
現在、記録として映像を残すことは増えましたが、ほとんどはアーカイブされることなく埋もれています。また、海外の美術館や劇場では積極的に過去の映像を収集し、アーカイブ化する動きがありますが、その多くは図書館のような決められた場所に行き、しかるべき手続きをとらなくては一般の人々は簡単には見ることができません。
人はゼロから全く新しくモノを産み出すわけではなく、どんな創作物であれ過去の創作からの影響を受けています。映画、写真、音楽、文学、ファッション、建築などあらゆるジャンルで、新しい作品が生み出される時、過去の作品は必ず参照されてきました。
過去の創作物から刺激を受けてつくられた新しい創作物が次の世代の創造性を刺激する。「新しい作品」という概念は常に過去の作品を乗り越えなくては成立しないのです。このプロジェクトではインターネット上にアーカイブを構築することで、創作物がより多くの人に開かれ、時代や地域を超えた「継承と創造のサイクル」を活発化させることを意図しています。
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2. 新しい劇場
一般社団法人日本パフォーマンス/アート研究所は設立以来、多くの先鋭的なパフォーマンス公演をプロデュースしてきました。そうした立場から、これまでの歴史を改めて見つめ直し、次世代に伝えていくことは私たちの責務だと考えています。
このアーカイブは先述した継承と創造のための参照体系であるだけではなく、より多くの人に開かれ、世界中の何処からでも無料でアクセスすることが可能な新しい時代の劇場となることを目指しています。
舞台芸術をはじめ、多くのパフォーマンス公演では、複製技術が発達してもなお、限定された時間と場所に集客をし、上演するという行為が前提として続いています。そのことが優れた表現をより多くの人と共有することに対する枷となっており、特に実験的なパフォーマンスでは観客層を狭め閉鎖的になりがちです。
「Tokyo Experimental Performance Archive」ではインターネットという新しいメディアを活用し、制限された時間と場所から解放された新しいプラットフォームをつくることにより、実験的なパフォーマンスを新しい観客層に開くと同時に、そのオリジナリティを時空を超えたタイムカプセルに乗せて未来の人々に届けることを目指します。
その結果、アーティストのもつ創造の遺伝子が次の時代の新しいアーティストにバトンタッチされることになるでしょう。
アンダーグラウンドで培われた先鋭的なパフォーマンスの遺伝子を世界中に拡散し、遠い未来にまで届ける。その先にいるであろう観客、産まれるであろうまだ見ぬ表現のためにこのプロジェクトは胎動し続けます。
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3. プログラムについて
1.実験的なパフォーマンス・アートやコンテンポラリーダンスなどを六本木スーパー・デラックスで上演。
2.その模様を複数のカメラであらゆる方向から撮影し、リアルタイムでネット上にて配信。
3.最終形態として配信された映像を編集し、新たな映像作品としてネット上にアーカイブし、公開する。
4.実験的なパフォーマンスのコンテクストを言語化、歴史的パースペクティブを新たにつくる。
この4段階を一つのプログラムとして行うことで、アーカイブであると同時により開かれた新しい劇場でもある新しいプラットフォームの構築を目指します。
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イベント
●2014年7月18日(金)
出演 大友良英、contact Gonzo
開演 19時30分(開場は開演の30分前)
会場 スーパー・デラックス
料金 前売2.300円 当日2.500円 ワンドリンク別途(700円)
●2014年8月30日(土)
出演 室伏鴻、伊東篤宏
開演 19時30分(開場は開演の30分前)
会場 スーパー・デラックス
料金 前売2.300円 当日2.500円 ワンドリンク別途(700円)
●2014年9月23日(火・祝)
出演 山崎広太、恩田晃
開演 19時30分(開場は開演の30分前)
会場 スーパー・デラックス
料金 前売2.300円 当日2.500円 ワンドリンク別途(700円)
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カンファレンス
●2014年9月15日(月・祝)
出演 藤幡正樹(東京藝術大学教授)、太下義之(UFJリサーチ&コンサルティング)、福井建策(弁護士)、川口隆夫(ダンサー/パフォーマー)、向雲太郎(舞踏家・振付家・演出家)、大谷能生(音楽家・批評家)、木村覚(美学研究者、ダンス批評)他
開演 17時00分(開場は開演の30分前)
会場 スーパー・デラックス
料金 前売2.300円 当日2.500円 ワンドリンク別途(700円)
※日時指定・全席自由
※チケットの予約は準備が整ったものから公式サイトのチケット予約フォームからおこなえます。
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主催 一般社団法人日本パフォーマンス/アート研究所
企画協力・会場協力・運営協力 スーパー・デラックス
協力 藤森 純(弁護士)
プロデューサー 小沢康夫(一般社団法人日本パフォーマンス/アート研究所)
助成 アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
公式サイト http://t-epa.com/
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出演者
大友良英
ギタリスト、ターンテーブル奏者、作曲家 1959年横浜生まれ。実験的な音楽からジャズやポップスの領域までその作風は多種多様、その活動は海外でも大きな注目を集める。また映画やテレビの劇伴作家としても数多くのキャリアを有する。
近年は「アンサンブルズ」の名のもと様々な人たちとのコラボレーションを軸に展示作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、一般参加型のプロジェクトにも力をいれている。
震災後は十代を過ごした福島でプロジェクトを立ち上げ、2012年プロジェクトFUKUSHIMA ! の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。2013年には「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞他数多くの賞を受賞している。
contact Gonzo
2006年結成。contact Gonzoとは集団の、そして方法論の名称、つまりローファイなスパークである。肉体の衝突を起因とする独自の牧歌的崇高論を構築し、パフォーマンス作品 や、映像、写真作品を制作。その背後には山がある。
現在、事務所を自分たちで作りながら、そのスペースで時速百キロで飛ぶ果物を受ける肉体とその 音を観察している。メンバーは個々においてもそれぞれの分野で作品を発表、もしくは日々料理や読書をしている。セゾン文化財団助成対象アーティス ト。
http://contactgonzo.blogspot.jp
室伏 鴻
ダンサー・振付家。1969年土方巽に師事。72年「大駱駝艦」の創立、旗揚げに参加。74年舞踏新聞「激しい季節」を編集・刊行、「アリアドーネの会」をプロデュース(のちに演出・振付)。76年舞踏派「背火」を主宰 。78年パリ『最期の楽園—彼方の門』で、世界にButohが認知されるきっかけを作る。 2000年ソロ『Edge』で日本での活動を再開、また「Ko&Edge Co.」で、『美貌の青空』『始原児』『DEAD1』等を発表する。『quick silver』で2005年度、『Ritournelle』で2013年度の舞踊批評家協会賞受賞。
ImPulsTanz、モンペリエ・ダンス、ベネチア・ビエンナーレなど数々の国際フェスティバルに招聘され、放浪する孤高の舞踏家として世界各地で人々に衝撃を与え続けている。
近年の共同制作として、バルタバスとの『ケンタウルスとアニマル』2011、又、振付作品『Un coup de don』2012、『最後のニュース』2012、『墓場で踊られる熱狂的なダンス』2013などがある。2013年『<外>の千夜一夜』(横浜赤レンガ倉庫)のプロデュースではダンスを越える試みとして高い評価を得た。ImPulsTanz、アンジェ国立現代舞踊センター(仏)、ベネチア・ビエンナーレ、「瞬間の学校」等で若手ダンサーの指導にあたる。Ko& Edge Co. 主宰。
伊東篤宏
1965年生まれ。1980 年代後半より美術作家として活動を始める。98年から展覧会などでサウンド・パフォーマンスを開始し、インスタレーション作品と同素材である蛍光灯を使用 した自作音具「オプトロン」を制作。数々の改良を加えつつ現代美術側からの音あるいは音楽へのアプローチを世界各国で続けている。
数々の個展やソロ・パフォーマンス の他に Optrum, 今井和雄TRIO, OFFSEASON, 等のバンドやユニットでも活動中。またここ数年はカールステン・ニコライらの「diamond version」へのゲスト参加やアンダーグラウンドHIP HOPレーベル「BLACK SMOKER records」からのCDリリース等、ジャンルや音楽スタイルの枠を飛び越えた幅広い展開を見せている。
山崎広太
新潟県生まれ。舞踏を笠井叡、バレエを井上博文に師事。文化服装学院卒業。1995年より2001年まで、東京拠点のrosy Coを主宰し、国内外問わず多数公演。建築家の伊東豊雄他、コラボレーション作品を多数制作。
2001年より、NYにも拠点に移しKota Yamazaki/Fluid hug-hug主宰。BAM (Brooklyn Academy Music)、Jacob’s Pillow Dance Festival、Arizona State University、Bates Dance Festival、Chicago Columbia College Dance Center、PICA/TBA Festival、Japan Society、 Melbourne International Festival、Dance Theater Workshop、The Painted Bride Arts Center、Danspaceproject、シアターコクーン、新国立劇場他で作品を発表。現在、ベン二トン大学ゲスト講師、コロンビア大学非常勤教授、近畿大学四谷アートステュディウム講師を務める。
94 年バニョレ国際振付賞、07年NYダンス・パフォーマンスアワード(ベッシー賞)受賞。アフリカ、アメリカ、日本など4カ国のダンサーによる新作(glowing)が2012~13年北米ツアー。その功績により2013年、Foundation for Contemporary Artsアワード受賞。他に2012年Urban Bush Woman作品『visible』に出演。2013年2月28日~3月3日、ARICA『ネエアンタ』に出演。2015年、建築集団so-ilとのコラボレーション新作”OQ”で北米ツアー予定。2009年より、Whenever Wherever Festivalを立ち上げ、ボディ・アーツ・ラボラトリーの代表。
恩田晃
音楽家、美術作家、パフォーマー。日本に生まれ、現在はニューヨークに在住。カセット・ウォークマンで日記のように録り溜めたフィールド・レコーディングを用いた「カセット・メモリーズ」でよく知られている。音楽、映像、美術にまたがる幅広い分野で、メディアを縦断する活動を精力的に行っている。
主なプロジェクトとして、前衛映画の巨匠ケン・ジェイコブスとの「ナーバス・マジック・ランタン」、マイケル・スノウ、アラン・リクトとの即興演奏トリオ、サウンドアートの鈴木昭男とのサイトスペシフィック・ハプニング、美術作家ラハ・レイシニャとのコラボレーションなど。
ニューヨークのキッチン、MoMA PS1、パリのポンピドゥー・センター、カルティエ・ファンデーション、パレ・ド・トーキョー、ロンドンのICA、マドリッドのラ・カサ・エンセンディーダなど、世界各地のフェスティバル、芸術センターに頻繁に招待され、パフォーマンス、上映、展示をつづけている。
http://www.akionda.net