〜福島映像祭2013上映作品決定〜
「東電テレビ会議」が劇場公開 !
そして、飯舘村の酪農家が映画監督デビュー。
様々な映像を通じて、福島のおかれた現状を共有しようと、9月14日(土)~9月20日(金)の1週間、東京で「福島映像祭」を開催します。ドキュメンタリー映画だけでなく、福島県内の民放テレビ局も参加。福島県内で放送されている報道番組をはじめ、未公開のドキュメンタリーなど計13本を上映します。
映像祭での目玉は、特別上映作品の「東電テレビ会議映像」。2011年3月11日の事故発生から15日までの東京電力のテレビ会議映像を劇場版として編集し、一挙上映します。「福島第一原発事故とは果たしてどんな事故だったのか?」「どんな情報が隠されていたのか」。現在の汚染水漏れにつながる事故の構造を明らかにします。
もう一つの目玉は、飯舘村から避難を余儀なくされた酪農家・長谷川健一さん自身が撮影・監督したドキュメンタリー作品です。3.11の事故後、未曾有の原発事故の中、自身の記録を克明に残す必要があると、ビデオカメラを購入した長谷川さん。乳牛が殺処分に送られる様子や家族が避難する前日の様子など、個人の記録を映画化しました。
期間中は、上記作品のほか、フリースペースの2つのスクリーンで、一般市民からの公募作品が多数上映予定。また、福島県内のテレビ局かで働くディレクターが一堂に集まるトークや長谷川健一さんの講演なども、イベントも多数予定しています。
※スケジュールはクリックで拡大します
■福島映像祭 開催概要
【日程】9月14日(土)~20日(金)
【会場】ポレポレ東中野 および スペース&カフェ ポレポレ坐
(JR中央線・都営大江戸線東中野駅下車徒歩1分)
【料金】当日1500円/前売り3600円(3枚セット)
※一部無料や500円、1000円のプログラムがあります。詳細はチラシをご参照ください。
【公式サイト】http://fukushimavoice.net/fes
主催者インタビューはこちら→http://webneo.org/archives/10993
■上映作品
※会場:ポレポレ東中野(一部 Space&Cafe ポレポレ坐)
*特別上映作品
『報道ドキュメント「東電テレビ会議」』
(2013/OurPlanetTV/約240分)
※参考上映(上映は無料ですがトーク代、資料代が必要です)
写真提供 :東京電力株式会社
1号機が爆発、3号機の原子炉水位も低くなり、刻々と近づくメルトダウン。本店の調達が後手に周り、バッテリー、ガソリン、水、食糧が不足する現場。打つ手打つ手が、ことごとく失敗する中、2号機、4号機にも危機が迫る様子。そして、ついに、作業員退避の検討がはじまる―。2011年3月12日から15日までの3日間、福島第一原発で何が起きていたのか。東京電力が一般向けにインターネット公開した映像をもとにまとめた報道ドキュメント。(解説トーク付)
『飯舘村 わたしの記録』
(2013/監督 長谷川健一/OurPlanetTV/約70分)
原発事故後、飯舘村は全村避難となり6,200人もの住人が村を追われ避難生活を強いられている。「当事者の目線で、自分が実際に味わっていることを伝え、後世に残さないとだめだ」。福島県飯舘村で酪農家として、家族とともに暮らしてきた長谷川健一さんはビデオカメラを購入し、独学で撮影をはじめた。長谷川さんが伝える、「あの日」からの日々の記録。
*テレビ作品
『Fukushima Reporters ~Keep the Cameras Rolling〜』
(福島中央テレビ/50分/日本語字幕版)
※国内未放送・ドイツ80分版2013年3月11日放送
2011年3月、東京電力福島第一原発1号機の水素爆発をメディアとして唯一撮影し世界に報じた福島中央テレビのスタッフたちが事故を当時どう伝え、その後、どんな思いで福島を伝え続けているのか描く国際共同制作ドキュメンタリー。カメラマン、アナウンサー、記者がそれぞれの思いを語る。
『原発水素爆発 わたしたちはどう伝えたのかⅡ』
(福島中央テレビ/47分)
※初回放送日:2011年12月31日
©FCT・NNN
2011年3月、福島中央テレビは東京電力福島第一原発1号機、3号機の水素爆発をメディアとして唯一撮影し世界に報じた。映像以外に全く情報がない中で事態をどう伝えたのか。その一方、国の発表そのままの「ただちに影響はない」報道には福島でもマスコミ不信が高まった。地元メディアとして、何ができ何ができなかったのか、震災9か月後に自己検証したローカル番組。
『それでも希望のタネをまく~福島農家2年めの試練~』(テレビユー福島/50分)
※初回放送日:2012年12月3日
写真注:福島県では昨年からコメの全袋検査を行っている
福島第一原発から約50㎞に位置する二本松市東和地区で、有機農業に取り組んできた専業農家・菅野正寿さん。有機農業の命とも言える土が放射性物質で汚染されたという現実に向き合いながら、農業の再生を目指している。原発事故から2年目、さまざまな困難にさらされながらも、安全なコメを作る努力を続ける菅野さんを通して、福島の農業が直面するひとつの現実を伝える。第28回農業ジャーナリスト賞受賞。
『農業をあきらめない~旧警戒区域の農家たち~』
(福島放送/26分)
※初回放送日:2013年1月26日
©KFB
2012年4月に避難指示区域が再編された南相馬市。全域が警戒区域だった小高区は、ほとんどが避難指示解除準備区域と居住制限区域になり、日中は住民が立ち入れるようになった。再編とほぼ同時に小高区の農家の一部は米の試験作付のため、田植えを行うなど営農再開に向けた準備を始めた。がれきの処理や農業用水の確保、農地除染など課題が山積する中でのスタート。ふるさとでの農業をあきらめない農家たちの9ヶ月間を追った。
『母とともに 避難区域に灯る一つの明かり』
(福島テレビ/54分)
※初回放送日:2013年5月27日
©FTV
物々しいバリケードが取り除かれたその日、普段と変わらず母の介護を続ける女性がいた。伊藤巨子さん。認知症を患う母親の介護を続けて12年になる。あの日、伊藤さんは自衛隊や警察からの再三にわたる避難の呼びかけにも応じず、自宅にとどまり続けた。寝たきりの母を、守るために。60年前、母は町議会議員を務めていた。原発の建設を進める町の唯一の女性議員。原発が地域にもたらしたものはなんだったのだろうか。
『闘う先生』(福島放送/46分)
※初回放送日:2012年3月2日
©KFB
原発事故後も南相馬に残り診察を続けた産婦人科医・高橋享平(73)。事故後、月20件以上あったお産は月1件となった。「子供の生まれない町に未来はない」と自費を投じて除染を続けた。そんな矢先、がんを宣告され自身が患者となった。抗がん剤治療を続けながら、闘い続けた先生に密着した。日本民間放送連盟賞優秀賞受賞作品。
*映画
『”BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW” Omnibus 2011-2012 for FUKUSHIMA』
(日本/63分/監督:前田真二郎ほか)
「ある一日を撮影、前日に声を録音、あくる日に声を録音」という指示書をもとに制作された5分間の作品群の中から、福島を舞台にしたものを中心に12作品をオムニバス形式で上映。相馬市でボランティア活動をした日、郡山に住む兄を訪ねた日、高速増殖炉もんじゅを訪れた日・・・。2011年から2012年にかけての”ある日”の記録が集積することで、あの時期の世の中が持っていた気分が見えてくる―
『霧の向こう*Yonaoshi 3.11』
*原題:AU-DELA DU NUAGE
(日仏合作/94分/監督:ケイコ・クルディ)
2011年3月11日の東日本大震災にショックを受けたフランス人映画監督のケイコ・クルディはそのあとすぐに現地に向かい、一年以上をかけて現地の住人、家庭の母親、子供達、農家などに取材をした。高濃度の放射能汚染が確認される地域にもまだたくさんの人が住んでいる。この状況を理解するために、彼女は次に今の日本を代表する著名人や活動家にインタビューを行った。貴重なインタビューから見えてくるのはこの災害の危機にあって、起こる矛盾とトラウマから立ち上がる国民の躍動である。
©桜映画社
福島第一原発から70km離れた福島県天栄村は、豊かな里山に囲まれ村人たちが農業を営んできた。なかでも日本一の米づくりを目指す農家のグ ループ「天栄米栽培研究会」は、耕作放棄田の再生などを試みながら、コンクールで4年連続金賞を受賞。しかし、2011年の原発事故によって 田畑は汚染されてしまう。それでも彼らは、様々な方法で放射性物質の除去に挑みつつ日本一の味を保つ道を模索する。未曾有の環境破壊を乗り越 えようとする農家の人々の苦闘を追った。
『福島 生きものの記録』
(2013年/日本/76分/監督・製作:岩崎雅典)
原発事故後、放射線による人体への健康被害の問題はさまざまなメディアで報道・検証されているが、本作は福島の生きものたちを見つめることで、放射線の健康や遺伝への影響をあぶり出していく。“被曝牛”を育てる牧場の苦悩、アカネズミやモグラの捕獲調査結果、ツバメの子育ての経過観察…。他の生物に目を向けることで他では語られない発見を見出した科学ドキュメンタリー。
『福島へようこそ』
*原題:Welcome to Fukushima
(ベルギー/60分/監督・撮影:アラン・ド・アルー)
福島第一原発から約25km離れた福島南相馬市。事故後、南相馬を離れた人もいれば、戻ってきた人もいる。国がしてくれない線量測定を始めた男性、避難によってパニック障害を発症してしまった少女―、多様にある南相馬の人々の声を紡ぎながら、事故から半年後、一年後、一年半後を描く。美しい旋律の弦楽とともに描かれる南相馬の断片。事故から一年半後、南相馬の誇りである“相馬野馬追”でスケッチは結ばれる。
■関連イベント
※会場はすべてSpace&Cafe ポレポレ坐
(予約:03-3227-1405 event@polepoletimes.jp)
オープニングレセプション
9月14日(土)18:30開場/19:00開演
【料金】予約1,500円/当日2,000円(上映三回券使用不可)
市民のカメラがとらえた福島の記録をアーカイブするプロジェクト「ふくしまのこえ」の映像上映と、撮影したご本人のお話を聞きながらのオープニングレセプション。その他「福島映像祭」出品者も多数参加予定。福島の農産物を使った軽食もご用意します。
<ゲスト>
公募映像上映&制作者トーク、出品者トーク
トークセッション「地元テレビ局は福島をどう伝えていくのか」
9月15日(日)12:30開場/13:00開演
【料金】予約1,500円/当日2,000円(上映三回券使用不可)
震災から2年半が経った今、福島の地元テレビ局は福島をどう見つめ、どう伝えようとしているのか。映像に残せなかったもの、地元テレビ局としての苦悩と葛藤とは―。福島の民放局全4社、テレビユー福島、福島中央テレビ、福島テレビ、福島放送から関係者をお招きし、ジャーナリストの小田桐誠氏を迎え、原発事故後のメディアの役割を地元・福島からの視点で考えるトークセッション。
<ゲスト>
佐藤 崇(福島中央テレビ報道制作局長)
鈴木 延弘(福島テレビ報道局報道部長)
高橋 良明(福島放送報道制作部主任)
深谷 茂美(テレビユー福島制作部副部長)
<ファシリテーター>
小田桐 誠(ジャーナリスト)
白石 草(OurPlanetTV)
「飯舘村 わたしの記録」完成記念上映+トークイベント
9月16日(月・祝) 16:30開場/17:00開演
【料金】予約1,500円/当日2,000円(上映三回券使用不可)
福島県飯舘村で酪農家として、家族とともに暮らしてきた長谷川健一さん。原発事故後、ビデオカメラを購入し、独学で撮影をはじめました。飼っていた牛が売られていく様子、荒れ果てていく田畑、全村避難までの粛々とした時間、そして、村の自宅で家族が集まった最後の晩餐―。「当事者の目線で後世に残したい」という思いが成した、長谷川さんだけが伝えられる物語が『飯舘村 わたしの記録』として映画になりました。この作品の完成を記念し、長谷川さんに撮影時の思いや、現在の心境についてお話していただきます。
<ゲスト>
長谷川健一(酪農家/『飯舘村 わたしの記録』監督・撮影)
報道ドキュメント「東電テレビ会議」上映+トーク
9月19日(木)17:30開場/18:00開演
【料金】予約1,200円 ※ゲストトーク料として(上映三回券使用可能)
2011年3月12日から15日までの3日間、福島第一原発で何が起きていたのか。東京電力が一般向けにインターネット公開した映像をもとにまとめた報道ドキュメントを、朝日新聞記者・木村英昭さんの解説トーク付で上映。
<ゲスト>
木村英昭(朝日新聞経済部/「プロメテウスの罠」)
<進行>
白石 草(OurPlanetTV)
トークイベント「福島の農業のいま」
9月20日(金)18:30開場/19:00開演
【料金】予約1,500円/当日2,000円(上映三回券使用不可)
原発事故前から人々の食卓を支えてきた福島の農産物。最終日イベントでは、「食」にスポットをあて、事故後も現実から目をそらさず、放射能汚染の実態調査と農産物の測定を行い、正しい情報を消費者に届ける取り組みを続けている福島の農家の現在を、農家と映画監督、それぞれの視点から語っていただきます。
<ゲスト>
原村政樹(「天に栄える村」監督)
菅野正寿(NPO法人福島県有機農業ネットワーク理事長)
<進行>
大江正章(コモンズ出版)
福島映像祭in早稲田
日程:9月26日(木)14時〜20時
会場:早稲田大学大隈講堂小講堂(26日)
※京都の龍谷大学でも9月23日に関連するイベントが開催されます。