福島での取材から社会のあり方、進むべき可能性を思考する。他人の言葉に耳を澄ますことで、この国にとって、本当に必要な物語を作り上げる。
私たちかもめマシーンは、2011 年 8 月 6 日、福島県双葉郡広野町の国道 6 号線路上で『ゴドーを待ちながら』を上演しました。
この「公演」は、震災、原発事故の発生した現在に対するリアクションとして企画されました。「フクシマ」と表記されることとなってしまった場所に、もう一度「福島」を取り戻すために、そこに存在する「日常」を、ゴドーを待ちながらを通じて提示する。結果、この公演には、東京から一人の観客が駆けつけてく れましたが、そもそもは観客を想定していないものでした。距離の離れた外国、もしくは時間の離れた未来 を「観客」として想定していました。その結果、「目の前の観客に対して上演する」という演劇の約束から離れ、別の可能性を提示することができました。
今年 8 月、私たちは、再び福島県を訪れました。
今年の目的は公演を実施することではありませんでした。 日に日に、人々の意識から「福島」は薄れているように感じます。いわきの町を訪れると、そこでは震災の面影すらも見つけることが難しいような状況でした。しかし、わずか 2 年で、復興はなされるものなのでしょうか? むしろ、人の心の奥の方に震災は追いやられて、見えにくくなっているのではないか ……。
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|カンパニープロフィール
かもめマシーン 2007 年より東京都を中心に活動。カンパニー名はチェーホフの「かもめ」とハイナー・ミュラーの「ハム レットマシーン」に由来する。演劇界のシューゲイザーとしてケレン味をあまり出すことなく、「言葉」と 「身体」にフォーカスを当て、演劇そのものの枠組みを疑い続けるとともに、不器用ながら現代日本の日常 を追求している。
カンパニーのメンバーは暫定主宰の萩原のみ。
https://sites.google.com/site/kamomemachine/
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作・演出/萩原雄太
出演/井黒英明 清水穂奈美 松原一郎 林弥生(海ガメのゴサン) 横手慎太郎(シンクロ少女)
スタッフ
照明/千田実(CHIDA OFFICE) 舞台監督/西村耕之 宣伝美術/藤井隆史
|日時
2013 年 5 月 28 日(火)~6 月 2 日(日) 計 7 ステージ
5 月 28 日(火) 19:30 6 月 1 日(土) 14:30 / 19:30
5 月 29 日(水) 19:30 6 月 2 日(日)17:00
5 月 30 日(木) 19:30
5 月 31 日(金) 19:30 ※受付・開場は開演の 30 分前
|会場
ST スポット
〒220-0004 横浜市西区北幸 1-11-15 横浜 ST ビル B1
横浜駅から徒歩 8 分
http://www.stspot.jp/guide/access.html
|チケット
全席自由
前売一般 2000 円 前売学生 1800 円 当日一般 2200 円 当日学生 2000 円 初日割引 1800 円
ご予約4 月 27 日(土)発売開始
かもめマシーン/ E-mail:kamomemachine@gmail.com
ST スポット/ Web フォーム:http://www.stspot.jp/ticket/stylecouncil
Tel.045-325-0411 E-mail:tickets@stspot.jp
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