【自作を語る】ブルーノプロデュース『My Favorite Phantom』 text 橋本清



みなさん、はじめまして。ブルーノプロデュースという劇団の主宰と演出の橋本清です。この度は「自作を語る」を書かせてもらえる機会を頂けたので、今月末に控えている新作公演『My Favorite Phantom』について綴っていこうと思います。

まずは、この作品を上演するにあたっての経緯などを。今回の公演は(公財)武蔵野文化事業団との共催公演でして、その事業団が運営する吉祥寺シアターのディレクターの方から声をかけてもらったのが全てのはじまりでした。2011年の冬頃でした。


劇場下見。みんな仮衣装を身にまとって、あちこち確認してます。(2013.4.13)



ブルーノプロデュースは2011年10月~2012年10月までの1年間、他者の記憶をベースに演劇作品を構成する《ドキュメンタリーシリーズ》を創作してきました。これは、稽古場での俳優たちへのインタビューを通して、過去の体験や事実を、フィクションへと昇華させる試みです。僕の実感だけでなく、作品の中に、他人の「イメージ」を積極的に取り込んでいきたくなったのがシリーズをはじめた理由です。

Cialis no prescription 「2013年度より劇場で開催する《シェイクスピアシリーズ》のトップバッターとして、シェイクスピア作品をブルーノプロデュースに上演してほしい」

話をもらった時には、嬉しさと同時に不安にもなりました。自分たちが一体何者で、この先、何者になっていくのか、あるいは、なれないのか。それは今も変わらずに常々思っていることなのですが、その当時は、今よりももっとわからない状態でした。しかし、自分の予想できないこと、実感が生まれないものから作品作りをするということは、これから僕が試みようとしていることと根本的には同じことなんじゃないかと思い、引き受けることに決めました。

シェイクスピアならなんでもいい、ということと、すぐに決めなくても大丈夫だったので、《ドキュメンタリーシリーズ》に取り組みながら、何を上演すれば自分たちにとってプラスになるかをずっと考えていました。『ロミオとジュリエット』だけは「若い劇団が現代化しやすいからやるもの」って世間から「イメージ」が貼り付けられるんじゃないかという、変な自意識が出てきてしまい、絶対やるもんか!と思ってました。そして、話をもらってから1年後の、2012年の冬。《他者の過去》という「目に見えないもの」を扱ってきたので、亡霊が出てきたり、かつてあった事実だけが語られる戯曲そのものについて興味が出てきて『ハムレット』に決めました。


吉祥寺シアターの稽古場。毎日ここで稽古しています。この日は字幕などをいろいろ試しました。(2013.4.14)



その後、映画や関連書籍を観たり読んだりしているうちに、その「像」の多さにびっくりしてしまいました。『ハムレット』に出てくる登場人物は、多くの矛盾を抱えていると言われています。様々に解釈ができるからこそ、多くの人々がその答えを、「ハムレット像」を、長年の間、追い求めてきました。

先述しましたが、僕はある時期から、僕の実感だけで作品を作ることをやめました。それまでは、僕の「イメージ」だけで演劇に携わっていたということになります。僕の愛着のあるもの、想像力の根源にあるものを、無意識に創作の支えにしていました。《ドキュメンタリーシリーズ》で、自分自身から遠く離れることを目指していたはずが、気づけば、イメージ群の固まりの『ハムレット』に、演出家である僕の「イメージ」を込めることを求められている気分になり、(これまた僕の勝手なイメージなのですが)結果として、今まで以上に「イメージ」について意識するようになりました。

『My Favorite Phantom』というタイトルは、単純に「亡霊」という意味もありますが、「まぼろし」といった目に見えない「イメージ」に向き合いたくて、また、これまで向き合ってきた短い演出家人生に対して、名前を授けました。

思えば、2011年の冬から、自分の「イメージ」とまわりの「イメージ」について、常に考えてきたように思います。今回の公演も、この二つの見えないものと向き合いながら、今の自分たちにしかできない『ハムレット』を生み出したいです。春の吉祥寺で、皆様にお届けできることを、今から楽しみにしています。

http://propeciaonlineinfo.net/ buy finasteride 5mg ブルーノプロデュース 『 Crestor Online My Favorite Phantom』

構成・演出 橋本清
音楽 涌井智仁
原作 ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』

2013年4月26日[金]-29日[月] 全4ステージ
[開演時間]
26日[金] 19:30
27日[土] 15:00
28日[日] 15:00
29日[月] 15:00
受付開始は開演の40分前、開場は開演20分前より

★ポストトーク開催!
終演後にトークを開催いたします。
27日15:00:出演者
28日15:00:涌井智仁(『My Favorite Phantom』音楽担当)

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亡霊となった先王が、夜な夜な城壁に現れる――。デンマーク王の急死から二ヶ月。王の弟クローディアスは先王の妻ガードルードと結婚し、王位に就いていた。若き王子ハムレットは、従臣たちの噂を確かめるべく、城壁の監視所へと赴く。亡霊と出会ったハムレットは『父の死は弟クローディアスによる毒殺』と告げられ、復讐を誓う。

父の言葉に煩悶するハムレットは狂気を装い真相を探る。やがて暗殺の確信を掴んだハムレットだが、ガードルードの不忠を責め立てるさなか、物陰に隠れていた宰相ポローニアスを刺殺してしまう。父の死に娘オフィーリアは正気を失い、溺死する。息子レアティーズは怒り狂い、父と妹の仇を討つことを心に決める。

ハムレットを亡き者にするため、クローディアスはレアティーズを唆し、剣術試合を開催する。剣には毒が塗られ、毒入りの酒も用意されていた。しかし、誤ってガードルードが毒入りの酒を飲み死に、ハムレットとレアティーズもお互いの剣の毒に冒される。死にゆくレアティーズから真相を聞かされたハムレットは、王を殺して復讐を果たした後、事の顛末を語り伝えてくれるよう親友のホレイショーに託して、死んでゆく。

俳優たちの記憶という、かつてあった事実を起点に演劇作品という虚構を構築する《ドキュメンタリーシリーズ》。
誰しもが持ち、そして分かち合うことの困難な「記憶」を演劇作品に取り込み2011年10月よりスタートしたこのシリーズは、第二作 Generic Propecia 『ワールド・イズ・ネバーランド』(2011.12)では「記憶」の脚色を、 『ラクト』(2012.8)では客席も含めた演劇空間における「体験」へと踏み込み、北九州市での滞在制作『空とくじら』(2012.10)では当地の子どもたち、おとなたちと生活と創作の時間を共有し作品が生み出されました。
《ドキュメンタリーシリーズ》の制作は、「記憶」が演劇作品の中でどのように作用するか、「記憶」そのものを私たちが演劇を介して考える時間でもあり、そして「わたし」と「わたし」の絶対的な相違を感じさせる瞬間もありました。

今作『My Favorite Phantom』はシェイクスピア『ハムレット』をもとに創作する新作です。
「古典」には積み重なった時間により巨大化したイメージが付着し、この世界に共有されています。
そのイメージは実体を持たない、文字通り虚像のような姿です。「古典」を今のわたしたちが演劇作品として扱うことは、「わたしたち」という架空の姿を貼り付ける社会や歴史について考えることと同義です。

「わたし」という存在を出発点にした《ドキュメンタリーシリーズ》を経て、「物語」による架空の「わたしたち」を出発点にした今作、異なる入口から歴史の大きな流れの中で生き抜く「わたし」を描きます。

|出演

味戸龍之介 井上みなみ(青年団) 岩佐みちる(演劇活性化団体uni) 片倉裕介 加藤サイセイ(再生倶楽部) 
金谷奈緒(青山ねりもの協会) 阪口美由紀(楽塾) 世古シュンスケ 武田実生 立本夏山(重力/Note) 
南波早(なんばしすたーず) 堀内萌 間野律子(東京デスロック) 吉川綾美 李そじん 竜史(20歳の国)

|会場 吉祥寺シアター

(〒180-0004 武蔵野市吉祥寺本町1-33-22)
 JR中央線/京王井の頭線「吉祥寺」駅北口 徒歩5分

|チケット価格(全席自由) 

前売り 一般 2500円/高校生以下 1500円
当日券 一般 2800円/高校生以下 1500円
 
|チケット取扱い

☆ブルーノプロデュース(公演前日24時まで受付) 
 予約フォーム https://ticket.corich.jp/apply/42891/
  ※リンク先予約フォームに必須事項をご入力下さい。
 お電話 080-4344-4968 
  ※万が一繋がらない場合は、恐れ入りますが留守番電話にご用件をお残し下さい。折り返しご連絡致します。

☆(公財)武蔵野文化事業団チケット予約
 0422-54-2011(年中無休・9時‐22時)
 https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-t/

・受付開始は開演の40分前、開場は開演の20分前です。
・高校生以下の方は、当日受付にて学籍・年齢などを確認できる証明書をご提示下さい。
・開演5分前を過ぎますと予約がキャンセルになる場合がございます。
・開演後のご入場はお時間をいただくか、制限させていただく場合がございます。予めご了承下さい。
・未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
・劇場には駐車場がありませんので、お車でのお越しはご遠慮下さい。
・劇場駐輪場内におけるオートバイ及びスクーターの駐車はご遠慮下さい。

|スタッフ

舞台監督 土居歩 照明 板谷悠希子 音響 池田野歩 衣装 椙山K子 
演出助手 森田百合花 宣伝美術 原麻理子 WEB 平舘宏大 制作 スズキヨウヘイ
主催 ブルーノプロデュース 共催 (公財)武蔵野文化事業団
協力 坂あがりスカラシップ

|お問い合わせ

TEL 080-4344-4968 MAIL info@brunoproduce.net WEB http://brunoproduce.net  twitter @bruno_produce

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