【自作を語る】命を吹き込む「獅子」――『ウムイ 芸能の村』 text ダニエル・ロペス(本作監督)
2020年9月、世界中でパンデミックが本格化していた。この時期、私は沖縄にいて畑で果物や野菜を育てていた。自然の中に身を置くのは、気が紛れていいことだ。そんな時、宜野座にあるがらまんホールのプロデュ―サーである小越友也氏
【自作を語る】あなたを揺さぶるブラジルのストリート 『街は誰のもの?』 text 阿部航太(本作監督)
2018年10月1日、僕はブラジルはサンパウロに到着した。季節は春。インターネットの情報から、ブラジルがいかに危険な場所か、嫌になるほど目にしていたので体は緊張で強張っている。日が暮れかかったころに到着した中心街には「悪
【自作を語る】「感動」の呪縛——『ラプソディ オブ colors』text 佐藤隆之(本作監督)
「佐藤さんて、アイヌだったんですか?」 とは、前作『kapiwとapappo~アイヌの姉妹の物語~』(2016年)を撮っていた頃、よく聞かされた言葉だ。企画書やトレイラーを見て、知人たち(多くはプロデューサー)がそん
【自作を語る】人の強さに触れて――『たゆたえども沈まず』 text 遠藤隆(本作監督)
東日本大震災から10年の節目となる2021年3月。テレビ各局は様々にこの10年を振り返り、被災地の今を伝える番組を放送するだろう。しかし、私はこの未曽有の大惨事を伝えるのにテレビという媒体には限界があると思っている。
【自作を語る】「つまらん映画」と言われたい/『あこがれの空の下 〜教科書のない小学校の一年〜』text 増田浩(本作共同監督)
3年⽣の国語「ちいちゃんのかげおくり」で、晴れた⽇に校庭で実際に「影送り」をやってみた時の⼀コマ。何度か挑戦して、「⾒えた!」と喜んでいる⼦どもたち。 「和光小学校って知ってる? 教科書がない学校なんだって
【自作を語る】調査屋を調査――『調査屋マオさんの恋文』 text 今井いおり(本作監督)
マオさんとの出会い 元々自給自足に興味があった私は、そういった本を読んでいました。 その中の一つに佐藤眞生さん(以下マオさん)の本がありました。大阪府茨木市に住んでいる事が分かり、同じ大阪なので連絡をとりました。マオさん
【自作を語る】この世の記録/あの世と企画 『アリ地獄天国』text 土屋トカチ(本作監督)
11年ぶりの新作長編『アリ地獄天国』が、この秋に都内で劇場公開される。これまで名古屋、大阪、横浜で公開されてきたが、コロナ禍による影響もあり大幅に遅れていた。 本作は、理不尽な労働環境に置かれた30代の正社員が個人加盟の
【自作を語る】島々の音楽を繋ぐ奇跡のアンサンブル!『大海原のソングライン』の制作バッググラウンドストーリー text ティム・コール
このプロジェクトは最初から音楽、映画、コンサートの3つがクロスオーバーすることを念頭に置いて企画しました。音楽を録音しながら映画を撮り、また映画からコンサートへと繋がります。文字の読み書きが始まる前のオーストラリアの先住
【News】『飯舘村』監督のことば text by 土井敏邦
3・11という未曽有の惨事を前に、30年近くパレスチナ”を追い続けてきた私は、ジャーナリストとして何を伝えるべきなのかがわからず、金縛りにあったように、まったく身動きができなかった。そして長く自問し、もがいて出た結論は、
【自作を語る】ブルーノプロデュース『My Favorite Phantom』 text 橋本清
みなさん、はじめまして。ブルーノプロデュースという劇団の主宰と演出の橋本清です。この度は「自作を語る」を書かせてもらえる機会を頂けたので、今月末に控えている新作公演『My Favorite Phantom』について綴って
【自作を語る】『タケヤネの里』の道程 text 青原さとし
かつて東京都新宿区に民族文化映像研究所(通称・民映研)というドキュメンタリーの製作会社があった。(現在は中央区日本橋馬喰町)。民映研は、主に日本列島に暮らす農山漁村の庶民文化を映像で記録してきた研究所で、活動は1961年