【News】4/9〜22 大阪シアターセブンにて公開!映画『ロスト・マンチュリア・サマン』(金 大偉 監督)

2016. 4.9〜22 大阪シアターセブンにて一般公開上映
金 大偉 監督が贈る魂のロードムービー!  
映画『ロスト・マンチュリア・サマン』     
Lost Manchuria Shamans         

この映画は天空の物語である!      
〜失われた満洲民族の原郷と薩満の宇宙の時空を求めて〜     
今に残る最後の満洲族の言語、音、儀式、文化を描写する文化映像詩!

中国満洲族の伝統儀式を捉えた世界初のドキュメンタリー映画。
今に残る最後の満洲族の言語、音、儀式、文化を描写する文化映像詩!

本作品は中国・東北地方の旧満洲を舞台に繰り広げられるロードムービーです。約7年の月日を費やし、今現在、消滅の危機にある満洲族の言語や彼らが信仰するサマン教の現在の継承のあり方に焦点を絞って制作されたドキュメンタリー映画です。

自分自身の民族のアイデンティティについて考えた時に、どうしても撮りたいと決心しこの作品を作りました。

近代中国において、サマン文化は60年代の文化大革命期に徹底排除されたため、死滅するかに見えました。ほとんどの村では、当時の混乱の中、サマン儀式で使用する道具を捨ててしまったという。80年代の改革開放後、国の許可を得て、ほんの一握りの村で、ようやく再開出来るようになったのです。しかし、たったひと世代の空白の時代を経て、サマン文化は危機的な状況へ陥ってしまったのです。満洲族の人口は現在約1.200万人といわれますが、満洲語を話せる人はわずかに20数名しかいないと言われています。本篇の登場した2人の長老サマンは、私の撮影を終えて翌年に2人とも他界してしまいました。奇しくも時代の変換期に立ち会い、何とも言えない悲しみを覚えました。これは一つの民族の存在の末期ということでしょうか?自らの風習や信仰もなくなり、言語も消えるとしたら、この民族における根本的な精神部分が失われてゆくのではないでしょうか。

 今日、我々はどこへ向かって進むべきか、時代の厳しい岐路に立たされています。この映画はそれぞれの固有の文化を後世に遺すため、伝承するすべての者たちへの警鐘とも言えるかもしれません。これはむしろ満洲族のみの問題ではなく、失われゆく民族の伝統風習においては、日本や世界も同じような状況に見えるところが多いです。

またこの映画では、民族文化が消失しつつある現状に悲哀を感じながらも、存続が危ぶまれる伝統風習を守りぬこうとする人々の苦闘や希望、精神や意志が描かれています。その姿は、いわゆる現代の管理社会の狭間でもがき苦しんでいる我々現代人の心の叫びとも重なると同時に、現在社会で見失われた人間本来の野生の魂を懐かしい原風景へと導いてくれる作品でもあります。古くから伝わるシャーマニズムは、文明を解明する一つの鍵であるように、現在社会における良き知恵として受け止める必要があると思います。

金大偉 KinTaii(本作品監督)

★映画official site:
http://taiiproject.wix.com/lostmanchuriashamans

『ロスト・マンチュリア・サマン』
(2015年/117分/満洲語、中国語/日本語字幕/16:9)

監督/音楽/撮影/構成:金 大偉
◉日中共同プロジェクト合作記念作品   
◉企画/制作:TAII Project

【上映情報】
2016年 4/9(土)〜22(金)
大阪・シアターセブンにて上映!

 【時間】4/9~4/15  13:00~
    4/16~4/22 16:40~

★上映後トークショー&舞台挨拶あり

4/ 9    (土) 藤原良雄(藤原書店 店主)、金 大偉(監督)
4/10(日)  金 大偉(監督)
4/11   (月)  鎌田東二(上智大学グリーフケア研究所特任教授・京都大学名誉教授)×金大偉(監督)

【料金】
一般:1,500円・他館提携割引:1,300円
(提携している映画館さんの会員証提示での割引価格)
シニア:1,100円 専門・大学生:1,200円 中学生・高校生:1,000円
小学生以下:700円・シアターセブン会員:1,000円

【上映会場】 
淀川文化創造館 シアターセブン
大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
問い合わせ:TEL/FAX:06-4862-7733
MAIL:info@theater-seven.com

http://www.theater-seven.com/2016/movie_lostmanchuria.html

【監督プロフィール】

金 大偉  Kin Taii
中国遼寧省撫順市生まれ。父は満洲貴族の中国人、母は日本人。小学生時に家族と共に来日。以降、独自の技法と多彩なイマジネーションによって音楽、映像、美術などの世界を統合的に表現。近年はアジアをテーマに音楽や映像作品を創作するほか、映像インスタレーション展、美術展、ファッションショー、TV音楽や映像音楽の制作、国内外にて音楽コンサートやイベントを行い、様々な要素を融合した斬新な表現空間と作品を創出している。

映像監督作品は、『回生〜鶴見和子の遺言』(’01)『しゅうりりえんえん』(’04)『短歌百選〜回生から花道へ』(’04)『海霊の宮』(’06)『水郷紹興1,2』(’10)『花の億土へ』(’13)『ロスト・マンチュリア・サマン』(’15) 他にアートイメージ作品や短編作品多数。

音楽CD『Harmony』(’96)『Waterland』(’97)『新・中国紀行』(’00) 『 龍・DRAGON 』(’00) 2006年に「道 tao」シリーズ3枚を発表。また中国の納西族をテーマにした『 東巴TOMPA.』シリーズ3枚を発売。中国の原風景をイメージに『水郷・紹興』(’10)。東日本大震災への祈りの組曲『念祷 nentou』(’11)、『Hi-Fu-Mi 火風水』(’12)『冨士祝祭・冨士山組曲』(’14)など多数リリース。最新作『変形記』(’15)は中国にて発売された。


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