クラウドファンディング・プラットフォーム「Motion Gallery」にて、 映画『きらめく拍手の音』がバリアフリー字幕版製作の支援を募集するクラウドファンディングを実施しています。目標金額は50万円。2017年4月28日まで実施し、集まった資金はバリアフリー字幕版の製作費に充てられます。支援へのリターンとして、劇場鑑賞券やマスコミ試写会への招待などが用意されています。
▼クラウドファンディングページ
https://motion-gallery.net/projects/kirameku_hakusyu
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|『きらめく拍手の音』について
耳の聞こえない父母の日常を、聴者の娘の目線からつつましく切り取ったこの作品は、2015年に韓国国内で劇場公開され、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015「アジア千波万波」部門で特別賞を受賞するなど、 多くの観客にあたたかい感動とともに迎えられました。監督のイギル・ボラは、韓国国際美術大学でドキュメンタリーをまなんだ27歳の才媛で、本作が劇場公開デビュー作。繊細な語り口で自身の家族を見つめる 視線はやわらかく、聴覚障碍者の日常をこれまでにない親密な距離でつむいでゆきます。この映画は、大人になった娘が両親から受け取ったたくさんのものへ、まるでプレゼントを返すように撮られたドキュメン タリーです。
|ストーリー
サッカー選手を目指した青年が、ある日教会で出会った美しい娘にひとめぼれ。青年と娘はやがて夫婦になり、 ふたりの子どもを授かりました。つつましく暮らすどこにでもある家族ですが、他とちょっと違うのは、夫婦は耳が聴こえず、その子どもたちは聴こえるということ。声の代わりに手と表情で会話する父と母。子どもたちは、両親から手話を学び、社会から声を学びます。音のない世界と音であふれる世界とのはざまで、 姉と弟のきょうだいはときに苦悩しながらも、両親の愛情をいっぱいに受けとめて育ちました。聴こえない人たちは、ときに手をたたく代わりに手のひらを高くあげてひらひらときらめかせます。それは、もうひと つの世界へといざなう音のない拍手なのです。
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|バリアフリー字幕の制作費をクラウドファンディングで募集中
韓国や日本国内の映画祭での上映時には、聴者の観客に向けて、作中で繰り広げる手話に対応する字幕は付いていましたが、聞こえない観客に向けたバリアフリー対応の字幕はついていませんでした。ろう者の親から産まれる子供の多くが聴者であると言われてることから、聞こえない方にも映画を楽しんでいただけるよう、また聴こえる人には「聴こえない世界」の魅力を知って頂けるよう、劇場公開版はバリアフリー字幕版で上映します。その字幕制作の費用のご支援を募集しています。
|監督メッセージ
私は子どもの頃からずっと通訳したり説明したりしなければならない立場にありました。「私の母と父はろう者です」と言うと、いつも困惑した表情を浮かべたり、同情や憐みのまなざしで見られたりしました。でも、私が見た両親の世界は特別で美しかった。だから多くの人にそのことを知らせたいといつも思っていま した。手話で話すとき、顔の表情がどれほど豊かに見えるか、表情がどれほど繊細か、聞こえる人はあまり知らないし、言葉だけで説明しても理解してもらえない。そういったことを知らせたいという欲が大きくなり、映画で説明したいと自然に考えるようになりました。
大半の人たちは聴覚障碍者についてよく知りません。もし、健常者が視覚障碍者の困難を知るための体験を するとすれば、目隠しをして歩けばいい。しかしろう者の体験はできません。どんなに自分の耳をきつく塞いでも自分の話す声が聞こえ、世界の音が聞こえてきます。私たちは寝ている間さえも音を聞いています。 私もろう者の両親を持ちましたが、映画を作りながら、「音が聞こえない」というのはどんなことなのか悩むようになりました。聞こえない経験をしたことがないため、想像するのはとても難しい。だから見過ごし ている部分がたくさんあると思います。外見だけではろう者かどうか分からず、「健康だから問題ないだろう」と思われ、それがこの社会とろうの社会を次第に遠ざけているように思います。
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|MotionGallery(モーションギャラリー)とは
社会に新しい体験・価値観をもたらす創造的なプロジェクトを実現する国内最大級のクラウドファンディング・プラットフォームです。「創造的な社会を作り上げる活動全てがアートである」という芸術家ヨーゼフ・ボイスのビジョンを具現化するプラットフォームとして 2011年7月にス タートし、累計10億円の資金調達を行ってきました。映画、アート、音楽、ゲーム、出版、そしてまちづくり等のソーシャルグッドな活動な ど、様々なクリエイティブ活動をスタートさせる新しい形として活用されています。
日本で初めてクラウドファンディングを成功させた映画の事 例ともなった、アッバス・キアロスタミのカンヌ国際映画祭ノミネート作品『Like some one in Love』や、日本初の1000万円突破プロジェクトとなった映画『ハーブ&ドロシー』、約4000万円を集めて大きな話題となったフィリップ・スタルクがデザインした IOT『wistiki』など様々なプ ロジェクトが誕生しています。
URL:https://motion-gallery.net/