【News】7月17(月)~23日(日) 巣内尚子写真展『彼女を探して―現代ベトナムと女性移住家事労働者』 @新宿 PlaceM

© Naoko Sunai

国境を超えて“移住家事労働者”として働いた
女性たちの
思いと素顔、
そしてベトナムの<いま>を見つめた写真展

7月17(月)~23日(日)に、フォトギャラリー <PlaceM> (東京都新宿区)で、巣内尚子写真展『彼女を探して―現代ベトナムと女性移住家事労働者』を開催します。

日本で国家戦略特区 における海外からの「家事支援人材」の受け入れが進められる中、この写真展では移住労働者の 送り出し地となっているベトナムの<いま>を切り取った写真と移住家事労働経験を持つベトナム人女性をうつした写真計 30点を展示し、送り出し地と移住家事労働者について考える機会をつくりたいと思います。ぜひご来場ください。

◽️写真展の背景
巣内尚子はジャーナリストとして、インドネシア、フィリピン、ベトナムに暮らし取材活動を行ってきたほか、近年は日本で働くベトナム人技能実習生やフィリピン出身の女性たちを取材しています。2014年からは大学院で、近年急速に移住労働者の送り出し国となっているベトナムから外国へわたり家事労働者として働く女性たちについて、社会学とジェンダー研究の視点から研究してきました。今回の写真展では、巣内尚子が撮りためたベトナムの<いま>を切り取った写真を展示します。同時に、海外で家事労働者として就労した経験を持つベトナム人女性に対する聞き取り調査時に撮影した写真も展示します。

日本では国家戦略特区において、海外から「家事支援人材」と呼ばれる家事労働者の受け入れが進んでいます。一方、先行して外国人家事労働者を受け入れている香港、シンガポール、台湾、 マレーシア、中東諸国などでは家事労働者への虐待やハラスメントが発生するなど、家事労働者の保護が求められています。家事労働者の多くは女性が占める上、社会的に低く評価され労働法規の対象にならないケースもある「家事労働」部門で外国人が就労しているため、外国人家事労働者はぜい弱性の高い存在となっています。

そんな中、2011年6月16日の第100回国際労働機関(ILO)総会で、家事労働者に対し他の労働者と同じ基本的な権利を保障する初めての国際労働基準「家事労働者の適切な仕事に関する条約(第189号)」が採択されました。家事労働者の保護を進める動きは現在、国際的に大きな潮流となっています。しかし、日本は国家戦略特区で「家事支援人材」の受け入れが進みながらも、この条約を批准していない上、「受け入れ側」の目線に立った議論が多く、家事労働者本人や送り出し地への目線が限定的ではないかと、感じられます。

このような状況の中、国家戦略特区の一角を成す東京で、移住労働者の送り出し国となっているベトナムの<いま>と海外での家事労働を経験した女性たちの写真を展示することで、送り出し地や移住家事労働者について考える機会になればと思います。


【日時】  7/17日(月)~23日(月) 12:00~19:00
【場所】 フォトギャラリーP <PlaceM> 【地図】
(東京都新宿区新宿 1-2-11 近代ビル 3F/03-3341-6107)
地下鉄丸ノ内線「新宿御苑前」駅徒歩3分、四谷区民会館そば 
http://www.placem.com/

※入場無料

【写真展の HP】
http://lookingforher.strikingly.com/
http://www.placem.com/schedule/2017/20170717/170717.html

【お問い合わせ】
lookingfordomesticworkers@gmail.com

巣内尚子  Naoko Sanai
ジャーナリスト。東京学芸大学在学中に、三池炭鉱のドキュメンタリー映画のアシスタントを経験したほか、記録映画制作のため所沢高校問題を取材し、取材者としての活動を開始。大学卒業後はフランスに滞在し「移民問題」を知る。その後、インドネシア、フィリピン、ベトナム、日本で記者やフリーライターとして活動。東南アジア各国からの国境を超える移住労働に関心を深める。2016年3月に一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。

© Naoko Sunai