【News】9/15−21 ドキュメンタリー映画“Ainu | ひと” (監督:溝口尚美)神戸・大阪で劇場公開!


アイヌ文化の継承に注力する古老たちの活動と生活を追ったドキュメンタリー映画 『Ainu | ひと』が完成し、9月15日(土)より神戸・元町映画館大阪・シアター セブンにて劇場公開が決定いたしました。 本作の監督は、今回が劇場公開初監督となる、兵庫県出身でニューヨーク在住の溝口尚美。2008 年から北海道の平取町を訪れ、アイヌ民族の古老の家にホームステイ。2015年から構想を始め、2016-2018年にかけて年に2-3回の割合で撮影を行い、同町の二風谷アイヌ文化博物館と協働しながら、本作を自主製作いたしました。この機会にみなさま是非ご覧下さい。

【上映情報】
神戸・元町映画館 
9 月15 日(土)~9 月21 日(金)  連日16:40 

神戸市中央区元町通4 丁目1-12
TEL078-366-2636 
★9 月15 日(土)上映後【Ainu クラフト&食マーケット】開催
出演者・監督・二風谷アイヌ文化博物館学芸員来場!民芸品やイナキビおにぎり販売

大阪・シアターセブン
9 月15 日(土)~9 月21 日(金)  連日14:00  
大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5F
TEL06-4862-7733

★9 月16 日(日)上映後【Ainu クラフト&食マーケット】開催
出演者・監督・二風谷アイヌ文化博物館学芸員来場!民芸品やイナキビおにぎり販売

※チラシのダウンロードはこちら


『Ainu|ひと』
(2018 年/日本/HD /81 分) 

 製作・監督・撮影・編集:溝口 尚美
アイヌ語監修・翻訳:関根 健司
アイヌ文化監修:山岸 俊紀
アイヌ音楽:平取アイヌ文化保存会
ムックリ(口琴):関根 真紀 (工芸家) 

オリジナル音楽:【02MA RECORDS】YASUNOBU MATSUO
製作・配給:GARA FILMS
協働企画・制作:平取町立二風谷アイヌ文化博物館

公式ウェブサイト:ainuhito.com

日本の先住民族・アイヌ。かつて、アイヌモシ(アイヌの大地)と呼ばれた北海道 の日高地方・平取町には、今も多くのアイヌ民族が暮らしている。アイヌ文化研究に おいて多大な貢献を果たした故・萱野茂氏の出身地でもある。 1869年、明治新政府がアイヌ民族を「平民」として戸籍を作成し、同化政策や 開拓を進めた結果、アイヌ文化は急速に衰退していった。 一世紀半経過した今、生活スタイルを変容させながらも、アイヌ文化を伝承する努 力を続けてきたこの街には、現代のアイヌが快活に生きる。ドキュメンタリーの主人 公は、個性多様な4人の「Ainu=ひと」たち。差別と貧乏を経験した人、伝統的な縫 物を作る人、祖母のカムイユカ(口承文芸)を聞き覚えている人、イオマンテ(熊送 り)などの儀礼儀式を小さい頃に見聞きした人。文化伝承のために、地域のリーダー 的存在として、積極的に活動する。昭和から平成のアイヌの変容を示す生き証人でも ある「ひと」の姿を描いたドキュメンタリー。 

予告編 https://vimeo.com/284854338

【監督プロフィール】

溝口尚美 (みぞぐち・なおみ)
関西の映像制作会社に3年勤めた後、1995 年よりフリーランスで、テレビド キュメンタリー・PR ビデオ・短編文化映画など、様々な分野の映像制作に携わる。2004 年、市民メディアを学ぶ目的でニューヨークに移住。2008 年、 非営利団体・シネミンガを共同設立し、コロンビア・エクアドル・ネパール の先住民族に映像制作に必要な機材とスキルを提供し、協働制作する活動を 行う。2014 年に辞任後、GARA FILMS (画楽フィルムズ)を設立。日米の商業メディア(鳥の目)と市民メディア(虫の目)を、自由に行き来しなが ら、制作活動を継続中。これまでにディレクターとして制作した作品は100 本以上。編集は300 本以上。

<監督より>
私は兵庫県で生まれ育ち、アイヌ民族について殆ど知識のないまま大人になりまし た。南米コロンビアの先住民族と協働で映像制作をした経験から、母国の先住民族の 事を知りたいという思いが強くなり、2008 年に初めて平取町を訪れました。

当初は、共通点も多い海外の先住民族との交流活動ができないかと模索しておりま した。2015 年に幾度目かの訪問をした際、博物館の方の「今のアイヌ文化を映像記録 として残したい」という言葉に動かされ、映画を製作しようと決めました。 主人公の4人の古老は、戦前に生まれ、時代の過渡期を生き抜き、80 代になっても アイヌ文化の継承の為・自分の勉強の為に、様々な地域の活動を積極的に行っている 人たちです。

4人の話や活動はアイヌ史、ひいては日本史の貴重な映像資料になると いう確信がありました。この4人は、博物館の提案で名前があがりましたが、偶然に もアイヌ語教室を通して、私が長年、見知った人たちばかりでした。 海外だけでなく、日本国内の特に本州以南では、アイヌ民族の事は殆ど知られてい ません。このドキュメンリーで、アイヌの全てを網羅する事は、到底できませんが、 少しでもアイヌの人々の人生や歴史、そして、文化の豊かさやカッコ良さに関心を持 つ人が、国内外で増えるきっかけになる事が一番の願いです。

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