天皇と自衛隊を正面から見据えた
フランス制作ドキュメンタリー
元号改定に伴い、特別アンコール上映!
象徴天皇制や自衛隊など、日本の戦後史を問うフランス発のドキュメンタリー映画『天皇と軍隊』が、天皇の代替わりおよび元号改定に伴い、東京・横浜・大阪・福岡でアンコール上映が決まりました。
フランス在住の渡辺謙一監督による2009年製作の本作は、今は亡き政治家の田英夫氏や中川昭一氏、日本国憲法人権条項の草案作成のメンバーだったベアテ・シロタ・ゴードン氏などの貴重なインタビュー映像や、戦後初めての天皇の公式会見の映像など国内外から集められたアーカイブ映像で構成され、曖昧で矛盾をはらんだ日本の戦後史を通観する作品として、また元号改定のこの時期に昭和・平成を総括する上でも貴重なドキュメンタリー作品です。
東京、横浜、福岡では、昨年夏に公開された渡辺監督の新作『国家主義の誘惑』(2017年/54分)もあわせて上映され、トークイベントも一部予定しています。
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【Review】「天皇」を描く意味とは――渡辺謙一監督『天皇と軍隊』text 若林良
【上映日程及び上映館】
ポレポレ東中野(東京)
4月27日(土)~5月10日(金) 連日19:00
★但し5/2(木休)、5/4(土祝)、5/6(月休)、5/8(水)は『国家主義の誘惑』の上映+ゲストトーク
5/2(木休) 北野隆一さん(朝日新聞編集委員)
5/6(月休) 金平茂紀さん(TBS報道特集キャスター)
5/4(土祝) 原武史さん(放送大学教授)
5/8(水) 高橋哲哉さん(東京大学大学院教授)
横浜シネマリン (横浜)
4月27日(土)~5月3日(金祝) 連日20:30
5月4日(土祝)~5月10日(金) 連日10:00
★但し4/28(日)、5/1(水休)、5/4(土祝)、5/7(火)は『国家主義の誘惑』の上映
5/4(土祝)は上映後にトーク有 ゲスト:小森陽一さん(日本文学研究者、九条の会事務局長)
シアタ―セブン(大阪)
4月27日(土)~5月3日(金祝) 連日10:00
KBCシネマ(福岡)
4月22日(月)13:25、4月25日(木) 20:00
★『国家主義の誘惑』も同時上映
【作品情報】
冷戦期アメリカの庇護のもとで、日本は第二次世界大戦の荒廃から経済的復興を遂げた。ソ連の崩壊、中国の市場開放、欧州統合とグローバリゼーションの波は、日本の政治に舵を切らせた。世界の中の日本のプレゼンスを高めるための“国際貢献”である。
日本は矛盾と曖昧さの国であるとよく言う。憲法一つをとってもその矛盾は見てとれる。自衛隊の存在と、戦争および軍の保持を禁じた9条。主権在民と天皇の地位の曖昧さ。本作はこれら3本の軸と言える、9条、天皇そして軍隊について、天皇の貴重な映像をはじめ世界中から集めたアーカイブと、いまや鬼籍に入った政治家の田英夫や中川昭一など国内外の論客による秘蔵インタビューを交え、日本の戦後史を問い掛ける。
『天皇と軍隊』
(2009年/フランス/HDV/90分)
原題:Le Japon, l’Empereur et l’Armee
監督:渡辺 謙一
プロデューサー:オリヴィエ・ミル、渡辺クリスティーヌ
撮影:エマニュエル・ヴァレット
編集:ファブリス・タブリエ
音楽:ジェローム・クレ
録音:ステファン・ララ
ナレーション:フェオドール・アトキン
制作:KAMI Productions, ARTLINE Films, ARTE France
制作協力:TBS
宣伝美術:追川 恵子
配給:きろくびと
公式サイト→http://www.kiroku-bito.com/article1&9/index.html