【News】『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとを呼ぶ』


1980年5月、韓国・光州の11日間を描いた版画集
『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとを呼ぶ』
全国書店にて発売中




花はあでやかに咲いた
勇敢な心臓が
わたしに自分の願いをささげる

火花は夜っぴて壁をこえた

暗い夜の海で失踪したように
背後(うしろ)は孤独な死
行列は遠く去り
太虚の空間で時間をさがし求める

夜明けを許さぬ火花が
夜っぴて壁をこえる。



「〈光州〉がわたしたちにもたらしたもっとも大きな教訓は、都市において血と飯で結ばれた〈抵抗する共同体〉が実現したことだ」 著者 洪成潭(ホン・ソンダム)





大同世−1

ひとを呼ぶ
ひとがひとを呼ぶ

この世の純潔な名前と名前が
おたがいに目であいさつする

勇気あるひととひとがおたがいに
ほほずりあう

今日
ひとがひとを呼ぶ世だ。

1930年代から革命にいたる中国、1950年代日本における炭坑や東京南部のサークル運動、光州民衆抗争から沸き上がった1980年 代韓国の民衆美術運動など、アジアにおいて版画と運動とは様々な局面で連動してきました。

光州民衆抗争とは、1980年5月、朴正煕軍事独裁政権下の韓国・光州で、戒厳軍とたたかった10日にわたる市民のたたかいです。
戒厳軍による包囲下、自主管理状態となった光州市では、学生や市民たちがバスやタクシーを倒してバリケードを築き武装して抵抗しましたが、戦車や大規模な部隊の投入によって多数の死傷者や逮捕・拘留者を出し、市内全域が制圧されました。
市民側の文化宣伝隊長として活動した洪成潭は、光州での11日間を、83年から「光州抗争・5月連作版画」として描きました。本書は、その50点全ての版画と、作品ごとに洪成潭自身が添えた詩によって構成されています。詩は、日本語訳のほか、原語と英 翻訳を併録。さらに、洪成潭によるテクストや、ブレヒトの芝居小屋にて2012年3月29日〜4月4日に開催された洪成潭版画展でおこなわれた対談などを収録。
これまで洪成潭作品集は各国で出版されてきましたが、日本ではこれが書籍として初の出版となります。

洪成潭(Hong Sungdam)
画家。1955年全羅南道生まれ。1980年5月、「光州民衆抗争」において文化宣伝隊として活動。その後、韓国民衆美術運動の最も先鋭的な担い手とな る。95年、00年光州ビエンナーレ、07年「靖国の迷妄」展など。


たいまつ行進

道なりに果てしなくつながった
世のすべての道が火をともした
暗い夜を追いやる種子(たね)

われらはその日
土中ふかく飢えつけた
火花。




著者*洪成潭 詩翻訳*徐勝(日本語)、尹浚(英語) 解説*古川美佳 翻訳*古川美佳 岡本有佳 発言*高和政 中西新太郎 編集*岡本有佳(風工房)  デザイン*追川恵子 発行*五月版画刊行委員会 発売元*夜光社
2012年10月1日刊行 本体2800円


五月版画刊行委員会のfacebook
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洪成潭のwebページ
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風工房
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『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとを呼ぶ』は全国約80店舗の書店、生協、ネット書店で販売中(2012年11月現在)です。 下記までお問い合わせいただければ最寄りの販売店をご案内いたします。
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