テレビドキュメンタリー ’80年代からの検証 ※無料上映
1981年から2001年まで、川崎市・神奈川県・NHKと民放各局の協力で「地方の時代」映像祭を市民ミュージアムが開館(’88)以来、開催し、博物館として初めてテレビ番組の収集・保存に着手しました。高齢化社会、少子化、貧困、格差などの社会問題は‘80年代から顕在化し、テレビドキュメンタリーは数々の問題を提起してきました。映像を通して問題を直視し、次世代に向けた未来像を考えるとともに、地域の創生や市民社会のあり方などを捉えなおします。
【期間】 5/23(土)〜7/11(土)までの土、日(詳細は下記を参照ください)
【会場】 川崎市市民ミュージアム ミニホール(3F、定員40名)
神奈川県川崎市中原区等々力1-2(等々力緑地内)
TEL:044-754-4500
JR南武線・横須賀線/東急東横線・目黒線 武蔵小杉駅下車バス
【上映プログラム】
5月23日(土) 構造改革と民営化の先にあるもの
11:00
「甲信越ところどころ 企業移転」 1984年 29分 NHK甲府放送
川崎市多摩区に本社と工場をもつ(株)キトーは山梨の工場団地に全面移転。そこで働いてきた人たちの悲喜こもごも人生の分かれ道を追う。
14:00
「さよなら国鉄 民営三陸鉄道株式会社」1982年 49分 NHK仙台放送
全国40の廃止対象路線の中で岩手県では地域住民が鉄道を走らせる。沿線住民27万人の願いが経営形態を変えた。鉄路に寄せる想いを石に書いて線路に敷き詰める運動からはじまった。
「国鉄は清算されたか・検証・分割民営化から2年」1989年50分札幌テレビ放送
北海道内4本の赤字ローカル線を廃止。国鉄の不採算部門切り離し。旧国鉄時代からの長期負債、37兆円。人口の減少する地方に犠牲を強いるしかないのか、赤字のツケは国民にまわってきた。
5月24日(日) 地場産業の力
11:00
「あしたを創る 活力ある地場産業群」1980年 30分 盛岡市・岩手放送テレビ
400年の伝統を誇る南部鉄器、南部漆器は、若い世代に受け継がれ、今では海外で人気がでるほどに知られるようになった。保温性と割れにくさと独特の質感を守り、そして新しい創造に燃える若者たちがいた。
14:00
「吉野杉箸白書 岐路に立つ地場産業」1985年 28分 下市町情報センター
奈良県下市(しもいち)町は、割り箸の発祥地。森林面積79%をしめ、吉野杉から一本一本巧みに加工して美しさと芳香を損なうことなく作られ、自然を大切にする心は受け継がれています。
「ザ・サバイバル 技術革新の嵐の中で」1985年 59分 富山テレビ放送
新産業、新技術都市、未来志向型のテクノポリス、その成功例をアメリカのボストンを取材。富山県八尾町がテクノポリス開発にのりだし、頭脳立地計画、新事業創出などを構想していくことなる。
5月30日(土) 失われたものを残す
11:00
「ドキュメンタリー わが故郷は消えても」1982年 50分 東海テレビ放送
岐阜県揖斐郡(いびぐん)徳山村は、1987年に藤橋村、現在の揖斐川町に合併され、2008年村はダムによって水没。村の写真を記録に残す村人を取材し、村の想い出を記録に残されたドキュメンタリー。
14:00
「ドキュメンタリー 消える村」1985年 60分 東海テレビ放送
水没する岐阜県揖斐郡(いびぐん)徳山村の記憶は3,500枚の写真、人口、1,500人の村人は故郷を失った。増山たづ子『ありがとう徳山村』(影書房、1978)、2007年には映画『水になった村』として残された。
「天狗のすむ山」1990年 70分 石川テレビ放送
石川県能美郡にあった村、新丸村(現在小松市南部に位置する)は、大日川ダムの湖底に沈んだ。村人は山を離れ伊藤常次郎は故郷を思い、山村で生活する。山で暮らし自然と共生した先人の智慧を伝える。
5月31日(日) 産業が変わるとき
11:00
「破産 ある畜産農家の光と影」1989年 37分 山形放送
山形県櫛引町(しびきまち)の大規模畜産農家が1億5千万円の負債を抱えて破産した。県内有数の優良農家が、なぜここまで追い込まれたのか。農協の過剰なまでの融資があったことを突きとめる。
14:00
「負債の構造 ある農民の死」1988年 52分 北海道放送
北海道旭川市で起きた2件の自殺。50%に及ぶ減反で打ち捨てられた休耕作地。やむなく続けられる土地基盤整備事業。土地改良区の理事長と離農者の2人の死は、負担金と多額の負債、いずれも農業負債が原因だった。
「蒲田・町工場物語」1987年 45分 NHK放送総局
大手電機メーカーの下請け、さらなるコストダウンが要求された。円高不況で蒲田付近の地下は高騰。この年までに20以上が倒産。従業員の給与も上がらない。日本の物づくり、蒲田の工場、その日常の記録。
「五平太流転 高島礦閉山の記録」1987年 55分 九州朝日放送
五平太(ごへいだ)とは石炭。1986年に九州地区、高島鉱業所も閉山。日本の石炭採掘事業は終止符が打たれた。下請け鉱員の退職金は低い。閉山闘争、自殺と残された家族、遺書、裏金疑惑を探ったドキュメンタリー。