沖島勲監督の全七作品、七週に亘り、一挙公開!!
過激で、キュートな、ユートピア。
2015年6月6日(土)~7月24日(金)連日20:40より
ラピュタ阿佐ヶ谷にて
沖島勲監督の全七作品、七週に亘り、一挙公開!!
それぞれが別の作品でありながら、まるで一本の大河映画のように、流れて行く。
我々は今、何処に居るのか?
徹底的にその事を問い詰める、沖島映画の超過激なノスタルジー、甘美なユートピア願望、逆巻くエロスの渦、哄笑、
映画が映画を超えて、映画でなくなる時・・・・・。
映画監督、沖島勲。これまでに7本の劇場公開作品を発表。いずれの作品も一度見たら忘れることのできない歪な個性と 危うさを孕み、その独特の作品世界に魅せられ「沖島フリーク」を自称する文化人、映画関係者は少なくありません。
ラピュタ阿佐ヶ谷では6月6日(土)より、その沖島勲監督作品を完全網羅した特集上映を7週間に亘り開催いたします。 日大映画学科出身の盟友・足立正生からの誘いで若松プロの一員となり、若松孝二を支える助監督としてそのキャリアをスタートさせた沖島は、1969年に監督デビュー。その後映画監督としては20年の沈黙がありましたが、この間に 国民的TVアニメ『まんが日本昔ばなし』のメインライターとして活躍し、シリーズ通算1230本もの脚本を執筆してきました。
「前衛的なピンク映画」と「子供向けの童話番組」という両極の世界を渡り歩いてきた沖島ならではの視点と発想は、まさに過激で、キュート。デビュー作である、ブルジョワ一家の崩壊をナンセンスな笑いと狂気で描いたブラックコメディ『ニュー・ジャック・ アンド・ヴェティ モダン夫婦生活讀本』をはじめ、地方の温泉旅館に現れた謎の美女にまつわる悲しい過去を摩訶不思議 且つエロティックに描いた『したくて、したくて、たまらない、女。』や、とある少年の元に一万年前からやって来たという奇怪な 男が出現し、観客を困惑の彼方へいざなう電波映画『一万年、後・・・・。』、一妻多夫制の近未来社会に生きる男女の悲喜こもごもを描いた『WHO IS THAT MAN !? あの男は誰だ !?』など、不穏なムードが漂いつつも、どこかチャーミングな沖島作品の全貌を、是非この機会にスクリーンでご体感ください。
2015年6月6日(土)~7月24日(金)連日20:40
【料金】
一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円
※水曜サービスデー…1,000円均一
※トークイベント開催!
6月6日(土)20:40『ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ モダン夫婦生活讀本』上映後 ゲスト:高橋洋さん(映画監督・脚本家)、西山洋市さん(映画監督)
最新情報はラピュタ阿佐ケ谷HPにて
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/okishimaisao/
沖島勲(おきしまいさお)
1940年、大阪生まれ。日大芸術学部映画学科卒。日大映研時代に仲間達と『椀』『鎖陰』等の映画を撮る。69年、『ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ』で監督デビュー。又、75 年よりテレビアニメ『まんが日本昔ばなし』のシナリオを約千三百本担当する。01年より07年迄、熊本、崇城大学芸術学部教授を務める。
【上映日程】
6.6[土]-12[金]
ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ モダン夫婦生活讀本
(1969年/若松プロダクション/パートカラー/72分)
※16mmでの上映
脚本:出口出(沖島勲)/撮影:伊東英男/照明:磯貝一/編集:中島勇/音楽:ホルモン・アート
出演:矢島宏志、加藤町子、香取環、松浦康、江島裕子、須摩ひとみ、相原香織、津崎公平
顕一・笙子の二人は結婚する事が決まり、結婚式の打ち合わせの為、笙子の別荘で両家の関係者が顔を合わせる。食事が終り酒が回ると・・・・それ迄の体裁をつくろった雰囲気はどこへやら生々しいバトルが繰り広げられる。種村季弘はこれを表して、“ピランデルロの舞台でも観ているようだ”と評した。
6.13[土]-19[金]
出張
(1989年/URBAN21/カラー/91分)
脚本:沖島勲/撮影:大津幸四郎/照明:岩崎豊/美術:大石章二/音楽:山崎宏
出演:石橋蓮司、原田芳雄、松尾嘉代、亜湖、松井千佳、吉沢健、外波山文明、常田富士男、佐藤慶(声)
中年のサラリーマン熊井は東北地方に出張に出掛けた。ところが落石事故に遭い、鉄道はストップ、一夜温泉での休息を得る。近所の飲み屋で二人のお姐ちゃんと良い目にあった熊井だが・・・・次の日なんと、山岳ゲリラに誘拐され女房と会社は身代金を要求されてしまう。さて、両者のその反応は・・・・?
6.20[土]-26[金]
したくて、したくて、たまらない、女。
(1995年/RELAX/カラー/61分)
脚本:沖島勲/撮影:芦澤明子/照明:牛場賢二/編集:神谷信武/音楽:石山理
出演:城野みさ、倉田昇一、葉月螢、小川美那子、江川加絵、皆川衆、松川信、黒沢清、室田日出男
山奥の温泉場。夜毎美しい見知らぬ女が現れ、番頭の喜六や女中の亭主まで誘惑し、後を追うと暗い空から“したいよー、したいよー”の声が響く。女はかつて栄華を誇った大女優。その実、幸せを得られなかった切ない生涯を、雑誌記者役の黒沢清が渋い演技で追って行く。
6.27[土]-7.3[金]
YYK論争 永遠の“誤解”
(1999年/YYKプロダクション/カラー/103分)
脚本:沖島勲/撮影:芦澤明子/照明:牛場賢二/美術:磯見俊裕、吉田悦子/音楽:村山竜二
出演:あさいゆきの、松川信、蒲田哲、黒澤正義、外波山文明、室田日出男、中井啓輔
Y(義経)Y(頼朝)K(清盛)そして常盤御前が、八百年の時を超えて色々語り合う。そしてその様をたったの三日間で撮り上げようとしている撮影隊。その現在・過去の入り混じった中で、美しい絵本に描かれた牛若丸の慕情とそれを踏み躙った史実への沖島の怒りが発意させた映画。
7.4[土]-10[金]
一万年、後・・・・。
(2007年/YYKプロダクション/カラー/77分)
※DVCAMでの上映
脚本:沖島勲/撮影:芦澤明子/照明:石塚誠/美術:黒川通利/編集:近藤聖治
出演:阿藤快、田村勇馬、遠藤恵里奈、下杉一元、松川新、洞口依子
岡山の田舎に住む正一・淳子の兄妹のところへ、一万年前に伯父さんだったという男が、奇妙な衣裳を着て時空を切り裂いて現れる。今や家の周辺には怪物がばっこし、兄妹の両親は怪物に食われてしまったという話だ。“叔父さん達は傲慢だった。だから怪物に喰われても仕方ないんだ!!”少年が、叫ぶ。
7.11[土]-17[金]
怒る西行 これでいーのかしら。(井の頭)
(2009年/YYKプロダクション/カラー/97分)
※DVCAMでの上映
撮影:四宮秀俊/録音:川井崇満/編集:石山友美
出演:沖島勲、石山友美
新緑が美しい四月の或る日、玉川上水沿いに久我山方面から井の頭公園へ向かって、色々喋りながら、沖島と聞き役の女性が歩いて行く。モーリス・ド・ブラマンク、谷内六郎、西行、横尾忠則、つげ義春・・・話は多岐に渡り、自然と人間とのダイナミックな共生、両者の“秘密”の関係が示される。
7.18[土]-24[金]
WHO IS THAT MAN!? あの男は誰だ!?
(2013年/YYKプロダクション/カラー/88分)
※DVCAMでの上映
脚本:沖島勲/撮影:四宮秀俊/編集:平田竜馬/音楽:宇波拓/アニメーション制作:新谷尚之
出演:蒲田哲、内木英二、黒澤正義、石塚義高、恒松敦巳、愛奏、中原翔子、外波山文明
“何さらしとんねん政権”から、“お前等、阿呆ちゃうか政権 ”“えゝ加減にさらせ政権 ”と目まぐるしく政権が変る中、男に性的瑕疵がある場合、女は二人目の亭主を持つ事が許され、それはドンドンエスカレートされて、八人目迄O・Kとなった。ゴミ程の価値も失った男たちが、街中の公園で放浪する。
■neoneo web 関連記事
【金子遊のドキュメンタリストの眼3】 足立正生監督インタビュー text 金子遊
(日大映研の同級生)
【Inerview】山崎裕に聞く 三木茂さんのこと/座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルのこと text 佐藤寛朗
(日大映研の同級生)