【News】8/24(水)ー27(土)『チリの闘い』公開記念  パトリシオ・グスマン監督特集@アテネフランセ文化センター

9月からの渋谷のユーロスペースでの『チリの闘い』公開を記念し、パトリシオ・グスマンが監督した3つのドキュメンタリー作品の上映、そして『チリの闘い』の特別先行上映と、トークを行います。

※9/10公開『チリの闘い』 公式サイトはこちら 
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【日時・会場】
2016年8月24日(水)-8月27日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター【地図】

東京都千代田区神田駿河台2-11アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339(13:00-20:00)

【上映時間および作品】

8月24日(水)
17:00 『チリ、頑固な記憶』(59分)
18:30 『ピノチェト・ケース』(110分)

8月25日(木)

16:30 『サルバドール・アジェンデ』(100分)
18:15 トーク:「映画史の中のパトリシオ・グスマン」
岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
19:30 『チリ、頑固な記憶』(59分)

8月26日(金)
16:40 『ピノチェト・ケース』(110分)
19:00 『サルバドール・アジェンデ』(100分)

8月27日(土)

14:30 『チリの闘い』第一部(96分)
16:40 『チリの闘い』第二部(88分)
18:40 『チリの闘い』第三部(79分)
20:00 トーク:「政治と詩が出会うところ グスマンの魅力」
斉藤綾子(映画研究者)

■各回入れ替え制
■全作品デジタル上映
■全作品日本語字幕付き
■トークは本特集のチケット半券でご覧いただけます。

【料金】
一般=1500円(3回券=4200円)
アテネ・フランセ文化センター会員/学生/シニア=1300円(3回券=3600円)

※『チリの闘い』前売り券をご提示で会員価格に割引。
※『チリの闘い』の前売り券の利用は、本特集ではできません。

『チリの闘い』©Courtesy Icarus Films 

■監督紹介 パトリシオ・グスマン

1941年8月11日、サンティアゴ生まれ。チリの大学で映画作りを学んだ後、スペインの国立映画大学で映画演出の学位を取得。71年に帰国後、初の監督作『最初の年』を制作。クリス・マルケルが配給権を取得し、以降マルケルと密接な付き合いが始まる。その後軍事クーデターが勃発し、撮りためていたフィルムとともにキューバへ赴き、『チリの闘い』を完成し、その力強いドキュメンタリーは多くの映画祭で上映された。その後スペイン、フランスへと移住し、その間にチリの政治状況を描いた『チリ、頑固な記憶』、『ピノチェト・ケース』『サルバドール・アジェンデ』を制作した一方、マヤおよびアステカの古代文明を主題とする『先コロンブス期のメキシコ』(85)、啓蒙時代のスペインおよび北米を主題とした『カルロス三世の啓蒙計画』(88)、アメリカ大陸発見とラテンアメリカ諸国における民間信仰を扱った『南十字座』(92)や、メキシコのある小村の歴史および村民の記憶を描いた『孤独のバリア』(95)。ダニエル・デフォーの小説およびチリ沿岸沖にあるロビンソン・クルーソー島(旧称マサティエラ島)をめぐる『ロビンソン・クルーソー島』(99)、スペインの首都を探求した『マドリード』(01)などさまざまなジャンルの映画を手がける。『光のノスタルジア』(2011)と『真珠のボタン』(2015)は日本でも劇場公開され、話題となった。現在はフランスのパリに在住。

■作品紹介
※詳細はアテネフランセ公式HPをご覧下さい

チリ、頑固な記憶 Chile, la memoria obstinada
(1997年/58分/カラー)

監督・脚本:パトリシオ・グスマン
撮影:エリック・ピタール パブロ・サウラ
編集:エレーヌ・ジロー

軍によるクーデターから20余年が過ぎ、パトリシオ・グスマンは祖国チリへと帰国する。そこで、故アジェンデ大統領の側近で事件の生存者たちから、当時の状況や証言を聞く。軍事政権下では上映が禁止されていた、グスマンの代表作『チリの闘い』を鑑賞し、9月11日を回顧し、仲間や同僚を思い、アジェンデを懐かしむ。さらに、当時の情勢についてほとんど知らない学生たちを集めて『チリの闘い』を上映し、彼らの率直な感想を聞き出す。『チリの闘い』の後日譚とも言える作品。トロント国際映画祭など多くの映画祭で上映された。

ピノチェト・ケース El caso Pinochet
2001年/110分/カラー)

監督・脚本:パトリシオ・グスマン
撮影:ジャック・ブーキン
編集:クラウディオ・マルティネス

1973 年の政権交代後に軍事評議会の議長となり、翌年から1990年までチリの大統領だったアウグスト・ピノチェト。1998年に病気療養のため渡ったイギリスで、スペインの司法当局からの要請によりロンドン警視庁に逮捕される。イギリスの裁判所が他国での容疑を断罪する権利についての論争が巻き起こる中、ピノチェトは一年以上も自宅監禁されることになる。ピノチェトのロンドンでの裁判を中心に追ったドキュメンタリー。カンヌ国際映画祭国際批評家週間でプレミア上映の他、多くの映画祭で上映。

サルバドール・アジェンデ Salvador Allende
2004年/100分/モノクロ&カラー)

監督・脚本:パトリシオ・グスマン
撮影:パトリシオ・グスマン ジュリア・ムニョス
編集:クラウディオ・マルティネス

人民連合の党首で、1970年から1973年のクーデターまで大統領を勤めたサルバドール・アジェンデについてのドキュメンタリー。バルパライソ生まれの医師でもあり、チリ社会党結成に参加し、政治家としてのキャリアを築いた彼の人生を、貴重な映像や家族写真とともに、アジェンデの友人や同僚、家族や労働者などへのインタビューから探る。政治家としてだけでなく、あまり知られていない一人の男性としてのアジェンデを見つめる。トロント国際映画祭やカンヌ国際映画祭など世界中の映画祭で上映された。

特別先行上映
チリの闘い La batalla de Chile – La lucha de un pueblo sin armas

1975-1978年/モノクロ/263分
監督・脚本:パトリシオ・グスマン
助監督:ホセ・バルトロメ
撮影:ホルヘ・ミューラー・シルバ
編集:ペドロ・チャスケル
録音:ベルナルド・メンス

《第一部:ブルジョワジーの叛乱》(96分)
1973年3月におこなわれた議会選挙における左派(人民連合)の予期せぬ勝利に続く、右派による攻勢の激化を検証する。議会制民主主義がアジェンデの社会主義政策を阻止できないことを思い知った右派は、その戦略を国民投票から街頭闘争へと転換する。この第一部は、右派が政府を弱体化して危機的状況を引き起こすために、デモやストライキの扇動から暴動、そしてテロへとその暴力的戦術をさまざまに駆使する様子、そしてついには軍部がクーデター未遂事件を引き起こすまでの数か月間を追う。

《第二部:クーデター》(88分)
第二部は、第一部の終盤に登場した1973年6月29日のクーデター未遂事件で幕を開ける。この「クーデター未遂」は、軍にとって有益な予行演習となったことは明らかであり、「本番」がおこなわれるのは時間の問題だと誰もが認識しはじめた。左派は戦略をめぐって分裂し、一方右派は着々と軍による権力掌握の準備を進める。最終的に73年9月11日の朝にクーデターが実行に移され、大統領府は軍による爆撃を受け破壊される。アジェンデはラジオを通じてチリ国民に向け演説をした後、自殺と思われる死を遂げる。同じ日の夜、アウグスト・ピノチェトを議長とする軍事評議会のメンバーがテレビ出演し、新たな軍事政権の発足を宣する。

《第三部:民衆の力》(79分)
平凡な労働者や農民が協力し合い、“民衆の力”と総称される無数の地域別グループを組織してゆく姿を追う。彼らは食糧を配給し、工場や農地を占拠・運営・警備し、暴利をむさぼる闇市場に対抗し、近隣の社会奉仕団体と連携する。こうした活動は、まず反アジェンデ派の工場経営者や小売店主や職業団体によるストライキへの対抗手段として始められたものだった。やがて“民衆の力”は、右派に対し決然たる態度で臨むことを政府に要求する、ソビエト型の社会主義的組織体へと徐々に変質してゆく。

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