『森のムラブリ』DVD発売記念 レトロスペクティブ 金子遊監督

東京ドキュメンタリー映画祭で上映された、ラオスの森で暮らす狩猟採集民を撮った『森のムラブリ』が、ついにDVD化。発売にあわせて高円寺で、金子遊監督の過去作を一挙上映するレトロスペクティブ上映が開催。長編5本、短編2本を一

【連載】ドキュメンタリストの眼vol.28 アレクサンドル・ソクーロフ監督インタビュー text 金子遊

7年ぶりにソクーロフの監督作が上映されると聞き、2022年秋の東京国際映画祭に観に行った。劇映画もドキュメンタリーもジャンルに縛られることなく、多作で知られてきた映画作家にしては随分と間があいた印象だった。作品は期待を裏

【News】新著刊行記念、4/22(土)泪橋ホールで『森のムラブリ』上映会

2022年3月の劇場公開から1年が経っても、まだ全国での上映会がつづき、根強い人気をほこる映像人類学のドキュメンタリー『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』(監督:金子遊)。2023年2月には、同作に出演したフィールド

【News】「東京ドキュメンタリー映画祭2022」プレイベント 開催!

多摩美術大学TUBでは、「東京ドキュメンタリー映画祭2022」(12月10日(土)〜12月23日(金)まで新宿K’s cinemaにて開催)のプレイベントとして、シンポジウム「もっともっとドキュメンタリーを盛りあげたい!

【News】東京ドキュメンタリー映画祭2022 予告編&各コンペ部門のプログラマーのインタビュー解禁!

今年で5回目を迎える東京ドキュメンタリー映画祭が12月10日(土)〜12月23日(金)まで新宿K’s cinemaにて開催される。今年は2週に拡大。 今年も「短編」「長編」「人類学・民俗映像」の各コンペティション部門の厳

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.26 北村皆雄(前編)『チロンヌカムイ イオマンテ』インタビュー text 金子遊

 1986年、北海道屈斜路湖を臨む美幌峠で、大正時代から75年ぶりに「キタキツネのイオマンテ」が行われた。わが子と同じように育てたキタキツネを、神の国へ送り返す儀礼だ。祭祀を司るのは、明治44年生まれの日川善次郎エカシ(

【Review】身体、環境、言語が生まれるところ――『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』 text 長本かな海

「インドシナ最後の狩猟民」という崇高な副題とは裏腹に、このドキュメンタリーを見終わった後、いつまでたっても印象に残っているのは森の中でひたすらゴロゴロダラダラと過ごすムラブリの姿だ。筋骨隆々、果敢に弓矢で野生動物に挑む先

【自作を語る】天才映画詩人の光と影を描く『映画になった男』 text 金子遊

 大学に入ったばかりの頃、僕はいつも雑誌「ぴあ」のオフシアター欄をチェックして、アヴァンギャルド映画や実験映画ばかりを観ていた。あるとき、渋谷で伝説的な『初国知所之天皇』(73)が上映されることを知り、渋谷の会場へ観にい

【Interview】犬の視点から人間を問う――『犬は歌わない』監督インタビュー text 金子遊&ムーリンプロダクション

 現在、全国で劇場公開中の異色の動物ドキュメンタリー『犬は歌わない』。SNS上では公開直前に告知された警告文「本映画は都会で生きる”野生”の犬の視点で描かれています。一部過度に残酷と感じられる可能性があるシーンがあること

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.25 大森康宏(映像人類学者)インタビュー text 金子遊

 大森康宏さんは日本を代表する映像人類学者である。若かりし頃にフランスへ留学し、ジャン・ルーシュから直接、映像制作の方法を習ったことは有名である。その後、フランスのロマである「マヌーシュ」に関するドキュメンタリー映画を完

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.24 ダルデンヌ兄弟インタビュー text 金子遊

   世界的な映画の巨匠として知られるジャン=ピエール・ダルデンヌと、リュック・ダルデンヌの兄弟だが、もとはドキュメンタリー畑の出身であることはあまり知られていない。1970年代半ばからベルギーのブリュッセルを

【News】金子遊の映像作品がWEBで配信スタート

   2020年3月から、幻視社が配給する映像作家・金子遊の長編ドキュメンタリー、劇映画、実験映画、民族誌映像など10数本が「Vimeoオンデマンド」にて、WEB配信されます。新型コロナウィルスの影響で、映像作品の上映機

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.23 タル・ベーラ(映画監督)インタビュー text 金子遊

ハンガリーが生んだ孤高の映画作家タル・ベーラ。日本では『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(二〇〇〇年)や『倫敦から来た男』(二〇〇七年)といった代表作が公開されているが、初期の作品はまだ未紹介になっている。二〇一一年に完

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.22 アミール・ナデリ(映画監督)インタビュー text 金子遊

イラン映画を代表するアミール・ナデリ監督。2018年の東京フィルメックスの「特集上映 アミール・ナデリ」では、監督の初期の代表作『タングスィール』『ハーモニカ』といった作品が並び、さらに上映されることの珍しい映像詩的な作

【鼎談】クリス・マルケル特集上映記念『レベル5』をめぐって  越後谷卓司×渡辺真也×金子遊

『レベル5』 映画作家・アーティストのクリス・マルケルが、2012年7月に亡くなってから7年が経つ。『ラ・ジュテ』や『サン・ソレイユ』などの代表作をのぞけば、マルケルの作品は美術館やシネマテークで作品上映がされてきたもの

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.21 ブリランテ・メンドーサ監督(TIFFコンペ審査委員長)インタビュー text 金子遊

2005年の長編映画デビュー以来、『フォスター・チャイルド』(07)や『サービス』(08)や『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』(09)といった、いわゆる「スラムもの」のリアリティあふれる作品群で国際的な評価を高めて

【連載】ドキュメンタリストの眼⑳ ジョージア(グルジア)映画祭 はらだたけひでインタビュー text 金子遊

10/13(土)から東京・神保町にある岩波ホールで「ジョージア(グルジア)映画祭」が2週間の日程で開催される。劇場未公開作品ばかりを20本近く集めた本格的な映画祭である。1年以上前から映画祭を準備し、ジョージアの監督たち

【News】6/22より開催 「モアナ 南海の歓喜」公開記念 公開講座 ロバート・フラハティとドキュメンタリーの変容

「モアナ 南海の歓喜」公開記念 公開講座  ロバート・フラハティとドキュメンタリーの変容 ロバート・フラハティ監督作品『モアナ 南海の歓喜』(1926年制作/1980年サウンド版/2014年デジタル復元版)が劇場公開され

【連載】ドキュメンタリストの眼⑲ 『馬を放つ』アクタン・アリム・クバト監督インタビュー text 金子遊

キルギスは天山山脈とそのまわりに広がる高原からなる中央アジアの人口600万人の国であり、そのなかでキルギス人は約300万人といわれる。名匠アクタン・アリム・クバトは、世界でもっとも知られているキルギスの映画監督である。こ

【Review】むきだしの縄文—『海の産屋』と『廻り神楽』text 金子遊

『海の産屋』より 2011年の東日本大震災において津波被害にあった青森、岩手、宮城の三陸海岸では、復興事業の工事が進むにつれて、次々に遺跡や遺構が発掘されている。たとえば岩手県の大船渡市では、高台に縄文時代の貝塚が見つか

【Book Review】制作と批評が織りなすドキュメンタリーの公共性——金子遊『ドキュメンタリー映画術』text 中根若恵

世界との回路としてのドキュメンタリー 昨今のドキュメンタリー映画界が見せる活況についてはことさら論じるまでもない。世界中で多くのドキュメンタリーが生み出され、劇場や映画祭でそれらを目にする機会も増えた。個々の作品に目を向

【Review】『アピチャッポン・ウィーラセタクン 光と記憶のアーティスト』 text 佐藤奈緒子

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の映画は、見るものを未体験の困惑にいざなう。特に初めて見た時は不可解すぎてほとんど寝てしまったし、同じ映画を見た人とも話が噛み合わず狐につままれたような体験をした。そうした分かりにくさ