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著書『撮影術ー映画キャメラマン大津幸四郎の全仕事』(以文社)が出版され、45年ぶりに「三里塚」に挑んだ最新作がクランクアップ、完成間近の大津幸四郎キャメラマン。その撮影哲学を、佐藤真、土本典昭、小川紳介各監督との仕事を通じてたどる特別企画。制作中の長編ドキュメンタリー『三里塚(仮題)』の抜粋上映も予定しています。
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|上映スケジュール
●13:00- プログラムA 「障害者アートを撮る」
上映『まひるのほし』(95分/監督:佐藤真)+『表現という快楽』(43分/同)
※上映前に、大津幸四郎(キャメラマン)による舞台挨拶あり
●16:00- プログラムB「被害者の闘いを撮る」
上映『水俣一揆ー一生を問う人びとー』(108分/監督:土本典昭)
+トーク:大津幸四郎
●18:30- プログラムC 「ふたたび三里塚を撮る」
抜粋上映『三里塚(仮題)』(2014年1月完成予定)撮影・共同監督:大津幸四郎
+トーク:大津幸四郎、北井一夫(写真家)、代島治彦(『三里塚(仮題)』共同監督)
+上映『日本解放戦線 三里塚の夏』(108分)
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|料金
1プログラム券=800円/3プログラム券=2000円
※アテネ・フランセ文化センター会員、映画美学校受講生、「撮影術ー映画キャメラマン大津幸四郎の全仕事」をご持参の方は3プログラム券を1500円でお求めいただけます。
|会場
草月ホール
東京都港区赤坂7-2-21
(地下鉄・青山一丁目駅下車4番出口徒歩5分)
TEL. 03-3408-9113
*11:30から各回の整理券を配布します
*各回入れ替え制
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|上映作品
『まひるのほし』
1998(95分)
監督:佐藤真 撮影:大津幸四郎 録音:久保田幸雄
登場するのは7人のアーティストたち。彼らは、知的障害者と呼ばれる人たちでもある。神戸・武庫川すずかげ作業所、神奈川県平塚・工房絵(かい)、滋賀県信楽・信楽青年寮で、創作に取り組む彼らの活動を通し、芸術表現の根底に迫るドキュメンタリー。
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『表現という快楽』
2001(43分)
監督・録音:佐藤真 撮影:大津幸四郎
2001年に、O美術館とヨコハマポートサイドギャラリーで開催された「二十一世紀アートのエネルギーをみる展」のために制作。佐藤真監督作品『花子』の展覧会での上映・シンポジウムと合わせて展示された「障害者アート」の作家たちの制作風景を撮影。
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『水俣一揆-一生を問う人びと-』
1973(108分)
監督:土本典昭 撮影:大津幸四郎 高岩仁 録音:浅沼幸一
チッソに慰謝料支払を命じた判決後、チッソと水俣病患者との間で行われた直接交渉を記録。患者たちは、人間の尊厳を賭けて、生涯の医療と生活の補償をチッソに要求する。土本監督はこの映画で初めてシンクロ録音を行い、緻密な映画構成を成立させた。
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『日本解放戦線・三里塚の夏』
1968(108分)
監督:小川紳介 撮影:大津幸四郎 田村正毅
成田空港建設反対闘争を記録した「三里塚」シリーズの第一作。「全部(のショットを)、農民の列中から、その視座から撮り、権力側を撮るにも、正面から、キャメラの存在をかけて、それとの対面で、すべてを撮った」。(小川紳介)
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|著作紹介
「映画」と「運動」、戦後日本のすべてがここに!
学生反乱、三里塚、水俣から原発まで、戦後社会運動の現場や世界各地へ赴き、日本ドキュメンタリーの「眼」を担ってきた著者が、その全軌跡を振り返りつつ自作を詳細に分析。独立で映画を志す者に「人間の撮り方」を指南する。
本体価格:3.400円(定価:3.570円)以文社
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|プロフィール
大津幸四郎
1934年生まれ。1958年、岩波映画製作所に入社。撮影助手を5年間努め、以後、フリーランスのキャメラマンとして独立。劇映画からCFまであらゆる撮影をこなしつつ、「三里塚」の小川紳介、「水俣」の土本典昭、彼らの衣鉢を継いだ佐藤真、TVプロデューサーの牛山純一ら日本のドキュメンタリーの旗頭と共闘。広島、長崎、沖縄、三池から原発まで、戦後社会運動の各現場に赴き、また中国、韓国、パレスチナ、東ドイツなどの貴重な時代をキャメラに収める。2005年、自ら撮影・構成した『大野一雄 ひとりごとのように』を発表。本年6月には撮影と共同監督をつとめた長編ドキュメンタリー『三里塚(仮題)』がクランクアップ。現在、編集作業に入っており、来年1月の完成が待たれる。
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|お問い合せ
アテネ・フランセ文化センター
TEL. 03-3291-4339(13:00-20:00)
後援
草月ホール
協力
シグロ
山形国際ドキュメンタリー映画祭
スコブル工房