【Review】矛盾の中心でエロを叫ぶ 『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』text 越後谷研


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 プリンスはデカい!

 というのは、大きな間違いだ!

知ってるひとは多いかもしれないけど、プリンスの身長は160センチに満たない。一説には157センチ。爆笑問題の田中が154センチだそうだから…。え? 小っちゃ…。

でも、映画で見るプリンスはデカい。「パープル・レイン」(84)でもデカく見えたし、このライブ映画だってそうだ。いや、そもそも、そんなこと考えない。気にならないし、気にしない。映画館の椅子に座っていたって、立ち上がって踊り出したくなるほどテンションの高いパフォーマンスだ。スクリーンの中の殿下の身長がどうこうなんて、思考外。だから、映画の中盤でメンバーがステージ前面に出てきて並ぶシーンで「あれ? プリンス、どこ?」と思ったとき、はじめてそれに気付く。…プリンスって、ちびっ子なんだね。

でもデカく見える。それはこの映画のアートワークのように、一生懸命背伸びをしているからじゃない。それが映画のマジックなんだ。サイレント時代のハリウッドスター、早川雪洲は純粋な日本人だけど、女優とのツーショットでは身長差をカバーするため台に乗った(もちろん台は画面に映らないから観客には分からない)。意外とデカい(169センチ)オードリー・ヘップバーンには、身に付ける小道具などを大きめに作って小柄にみせたという逸話がある。本作がムーラン・ルージュのネオンサインで幕を開けるのは暗示的だ。キャバレー、ムーラン・ルージュに入り浸って梅毒で死んだ画家、ロートレックは、子供のころのけがや病気で成長が止まってしまった。伝記映画「赤い風車」(52)で、身長176センチのホセ・フェラーは膝を折って152センチのロートレックを演じた。俳優が体形を変えてみせるのは、ロバート・デ・ニーロの専売特許じゃない。映画ってのは、はじめっからそういうものなんだ。素晴らしき哉、映画マジック!

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考えてみれば、プリンス&ザ・レヴォリューションだ。日常生活で常に相手を見上げる/相手に見下ろされる、という視線を持つ人間が、「世の中ひっくり返してやる!」と考えても、なんの不思議もない。だから音楽に革命を起こした。80年代のプリンスは無敵だった。ロックもファンクもソウルもジャズも、白人音楽も黒人音楽もみんな融合してヒットチャートを席巻した。ビッグセールスを記録する一方で、評論家受けもよかった。マイケル・ジャクソンやマドンナを腐す評論家はいたけど、プリンスを否定する評論家はいなかった。まさに唯一無二の存在。で、革命のあとは新しい世代が台頭する。レヴォリューションのあとに結成したバックバンドはニュー・パワー・ジェネレーション。実に筋が通っている。音楽で世界を変えよう! 万国のちびっ子よ、団結せよ! 無血革命バンザイ!!ラブ・アンド・ピース!!!

でも、プリンスならラブ・アンド・セクシーといったほうがイイ。いや、ラブ・アンド・エロかな。初期のころから、ビキニパンツ一丁で胸毛や腋毛やパンツからはみ出る○毛を披露した悩殺官能セクシー・ショットで世の婦女子(と一部男子)をクラクラさせていたし、 buy viagra 「LOVESEXY」(1988)では堂々とレコード・ジャケットでフルヌードだ。全国のショップに、エロ・アンド・セクシーなパープル・ヌードがズラリ。光GENJI(88年の年間ベストワン)のCDを買いにきた女子中学生が、31.5センチ角正方形に鎮座まします素っ裸の髭殿下に思わず「イヤ〜ン♡」なんて光景が、至るところで見られたとか見られないとか…。これ、日本でリリースされたプリンス最後のアナログLPだったけど、ギリギリ間にあってよかった。せっかくのジャケットも、CDサイズじゃインパクト減だもんね。

そう、プリンスのエロは革命だった。

表現の自由をめぐるエロの闘いは、洋の東西を問わない。日本ではチャタレイ裁判やサド裁判から最近の非実在青少年なんとかまで枚挙に暇がないし、アメリカだってヘンリー・ミラーの「北回帰線」みたいに、国内で出版できずパリでやっと出版された小説は多い。ポルノ雑誌「ハスラー」を創刊したラリー・フリントの裁判沙汰は映画にもなった。グーテンベルグの当時から、発禁本といえばエロだった(たぶん)。プリンスも、「危ない歌だからよい子はおうちのひとと相談してから買ってね」という、ジャケットに貼られる注意喚起ステッカーの適用第一号になった。正確には、プリンスのエロ・ソングがあったから、エライひとがそういうシステムを考え出した。プリンスは世間を挑発していた。と同時に、それは官能性の称揚であり、平和への具体的な一歩だった。ジョン・レノンだって言っている。「メイク・ラブ・ノット・ウォー」って。

エロを論じたフランスの思想家、ジョルジュ・バタイユは、人間にとって裸こそが決定的な状態であり、閉じた状態を超えた連続性をもたらす、と言った。ここでの連続性ってのは、乱暴かつ簡単にいえば、孤独からの解放。まったき個でしかない人間が、他者との融合によって生を称揚する状態。バタイユ曰く「エロティシズムとは、死におけるまで生を称えることだ」。まさに、エロ・アンド・ピース! ライフ・イズ・エロ!! オール・ユー・ニード・イズ・エロ!!!

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さて、この映画は、殿下の全キャリアを通した最高傑作といわれるアルバム 「サイン・オブ・ザ・タイムズ」(1987)リリース時のツアーを記録したライブ映画。レヴォリューションを解散してニュー・パワー・ジェネレーションを結成する前、ソロ・アーティストとしてのプリンスが主人公だ。といっても、バックバンドにはシーラ・EやDr.フィンクといったレヴォリューション時代のメンバーがいたりするので、サウンドはそれまでとあまり変わらないかもしれない。なにしろ、バンドだろうがソロだろうが、曲を作っているのはプリンスひとり。プロデュースも自分。アレンジも自分。楽器演奏も自分。何もかも自分ひとりでやってしまう天才。それをステージで再現するためにバンドが必要となる。結果、バンドは完全にプリンスのコントロール下におかれ、アドリブはほとんど許されない。完全主義者プリンスの独裁体制のもと、一分の隙もない演出が記録されたのが、この映画だ。なにしろ監督もプリンス自身だ。

当時、プリンスの音楽に対して「密室的」というキーワードが頻繁に用いられた。渋谷陽一のラジオで聞いた記憶がある。ひとりで録音室にこもってコツコツ音を積み重ねるようにして曲を作り上げていく。そんなイメージが実際の曲に表れていたんだろう。でも、できあがった曲はポップでダンサブル、グルーヴィーでソウルフル。それがステージで展開されるや、最強のエンタテインメント・ショーとして有無をいわせない完成度を誇る。ひとりでチマチマ作る音楽が、ノリノリのダンス・ミュージックになり、万単位の観客を興奮させる。それは、完璧な計算のうえに地道な作業でセッティングされた巨大ドミノが、数々の難所をクリアしながら最後の一個まで見事に倒れる快感に似ているかもしれない。あるいは、一個一個コツコツと積み上げていったレゴが、実物大ガンダムになってしまうような。ミニマリズムがマキシマリズムに直結する。孤独な作業が巨大な大衆性をもたらす。それがプリンスのマジックだ。ここに見られるステージに、密室的な息苦しさはない。あるのは、徹底的な解放感。女性ダンサーのスカートを口でくわえて脱がせたり、ハート型のベッドで抱きあったり。解放性と連続性のステージに、数万の客はひとつの塊となって歓声を送る。実際に会場にいるわけじゃないのに、映画を見る観客も同様の興奮に身を浸す。我々は孤独じゃない。ミュージック・アンド・ラブ。ノー・ライフ・ノー・ミュージック! ウィー・アー・ノット・アローン!! ウィー・アー・ザ・ワールド!!!

でも、なぜいまプリンスなんだろう。25年も前の映画が、なぜいま再公開されるんだろう。


●人気

実はその絶頂期から、日本でのプリンス人気はイマイチだった。いや、もちろん、来日公演で東京ドームを満員にするくらい売れてはいたんだけど、所属レコード会社であるワーナーの偉いさんが来日して「どうして日本ではプリンスとポール・サイモンの人気がないんだ」とボヤいた、という話を、これも渋谷陽一のラジオで聞いた記憶がある。ちびっ子仲間のポール・サイモンはまずとして、80年代のメジャー洋楽シーンを牽引した三人、マイケル・ジャクソン、マドンナ、プリンスのなかで、確かに殿下の人気はほかのふたりに水をあけられていた。ゴージャス感満点のマイケル、セクシャリティ沸騰のマドンナに比べると、あのヌメッとした感じはやっぱりカルトだったのかもしれない。シングル曲「サイン・オブ・ザ・タイムズ」のビデオクリップは文字(歌詞)だけが出てくるものだったけど、本人が映ってないのがイイ、という声もあったくらいだ。

あのヒゲも、マズかった。ヒゲのロック・スターといったら、エリック・クラプトンとかジョージ・ハリソンとか、そっち系のひと。あっち系でヒゲといったら、「YMCA」のヴィレッジ・ピープルになっちゃう。さらにこの映画では、プラス・メガネ。「メガネ男子」人気なんて、ごく最近のこと。エロ、ヒゲ、メガネ。すべてが裏目に出たのか? オー! ミステイク!

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