【News】8/29(金)-31(日)開催!第7回シューレ大学国際映画祭「生きたいように生きる」

シューレ大学国際映画祭
第7回を迎える今年は、招待作品から公募作品まで、
ドキュメンタリーとアニメーション作品のみとなりました!

シューレ大学国際映画祭は、2008年にスタートしました。私たちが「生きたいように生きる」というテーマで7年間映画祭を続けてきたことの背景には、今、生きがたさを感じている人が少なくないこの社会において、私が私らしくあることをあきらめたくないと思って懸命に生き、表現をしている人たちと、映画を通して出会い、繋がれる場所と機会をつくっていきたいと思ったからです。

公募部門の特別選考委員は原一男監督です。なぜ原一男監督か? それは、原監督の映画とその在り様に、私たちが共鳴し続けているからです。カメラを武器に自らの人生や関係性を切り開いていく原監督の映画は、まさに「生きたいように生きる」作品群です。

今年は、第一回「CINEMA塾」(次世代のドキュメンタリー作家の養成を目指して原監督が開いた塾)作品の『わたしの見島』を上映します。今から約15年前、山口県萩市の沖合いより45キロ離れた見島を舞台に、島の人々を主人公として、監督と「CINEMA塾」の塾生とで作り上げたドキュメンタリーです。『全身小説家』の発表後、原監督が初めて奥崎謙三や井上光晴といったスーパーヒーローではない普通の人々にカメラを向けた作品でもあります。

今年度は原監督がアテネフランセでnew「CINEMA塾」を開催されているということもあって、ぜひこの、第一回CINEMA塾作品を上映したいと、お願いをしました。上映後は、この作品やCINEMA塾への思いについて監督にお話してもらう予定です。

『わたしの見島』(「CINEMA塾」+原一男監督)

また、昨年末からの話題作『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』(伊藤めぐみ監督)を上映します。戦争の歴史を振り返り、平和とは何かを考える機会の多い季節に開催している本映画祭では、これまでも戦争関連の作品を上映してきました。特に今年は、昨年の秘密保護法成立、そして7月の憲法解釈の変更など、平和国家日本の政治情勢は大きな曲がり角にきています。そうした中で、イラクでの日本人人質事件に現れる現代の日本社会の在り様と、今まさに起こっている戦禍を描いている『ファルージャ』のような映画を観て語り合うことは、今私達の日常に必要なことではないでしょうか。

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『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』(伊藤めぐみ監督)

特別上映の『風和里~平成の駄菓子屋物語~』は、現在大阪芸術大学で映画制作を学ぶ田中健太監督の作品。昔懐かしの駄菓子屋・風和里(ふわり)を舞台に、ここへ集まる生きづらさを抱えた子ども達と、その受け止め手となる駄菓子屋の母娘との交流を2年に渡って取材し、ていねいに描いたドキュメンタリーです。

『風和里~平成の駄菓子屋物語~』(田中健太監督)

今回の公募部門に選ばれたのは、力作ぞろいの4作品。表情豊かなアニメーションで綴る父と娘の物語『コップの中の子牛』(朱彦潼監督)、可愛らしいミツバチの主人公をモデルに人間社会への疑問を描いたアニメーション『Second trauma』(ユン・ボヒョン監督)。ドキュメンタリー作品では、10年間撮りためた「3分間ビデオ」をロックアルバムのように綴る短編『経年劣化 3分間ビデオ集2002~2012』(土屋トカチ監督)、「今、お婆ちゃんは幸せなのか?」を問いながら100歳の祖母と家族を追ったドキュメンタリー『おばあちゃんは幸せに死んでいった』(岸田明久監督)です。

各上映後には監督のトークがあります。最終日の夜はその年の公募作品を全て上映し、特別選考委員の原一男監督が観客を前に、各作品の作り手とやりとりをするという、白熱の時間があります。

『コップの中の子牛』(朱彦潼監督)

シューレ大学発の映画は2本。1本目は、太平洋戦争前夜、日米の日本人外交官の間で米側の態度を示す暗号としてその名が使われた、マリコ・テラサキ氏の半生を追った『マリコ(仮)』(豊雅俊監督)。2本目は、マーク・トウェインの傑作『王子と乞食』の物語から、乞食のトム・カンティを主軸に脚色したアニメーション『王子になった乞食』(山本菜々子監督)です。

『マリコ(仮)』(豊雅俊監督)

これまで毎年、観客と作り手、作り手と作り手同士が出会い、語り合える場である「映画祭」を目指してやってきました。最終日の8月31日(日)には、交流パーティもあります。作り手にとっては、観客から直接感想をもらうことが何よりも喜びであり、学びであり、次回作への糧になります。小さな会場ではありますが、ぜひ多くの方においでいただければ幸いです。

シューレ大学国際映画祭実行委員 石本恵美


第7回シューレ大学国際映画祭「生きたいように生きる」

【日時】2014年8月29日(金)~31日(日)
【場所】シューレ大学特設映画館(都営大江戸線若松河田駅下車・徒歩4分)
【料金】前売/一回券1000円/フリーパス3000円
    当日/一回券1200円/フリーパス3500円

各回終了後、トークセッションあり

シューレ大学国際映画祭HP
http://shureuniv.org/filmfes/
TEL:03-5155-9801(シューレ大学)

 ※セブンイレブンでチケットを求められる方はこちら↓

・オンラインチケットサービス・ゲッティカンフェティ
http://www.confetti-web.com/detail2.php?tid=25177&

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