これどうやって撮ったの!?
ドキュメントとフィクションの枠を飛び越える驚きの映画体験!
2014年は、ウィーン映画祭、NYリンカーンセンター、ハーバード大学、イエール大学と、大規模な特集が続き、海外での評価の高まる羽仁進監督。国内でも『そして父になる』の是枝裕和監督をはじめ、多くのファンを持つ羽仁監督を改めて特集!誰にも為し得なかった、その革新的な創作の秘密に迫ります!
『教室の子供たち』で、カメラが消え去ったかのような、撮られることをまるで意識しない子供たちのみずみずしい姿を捉え、『絵を描く子どもたち』では、子供たちが恐る恐る自分を表現し始める瞬間をフィルムに焼き付ける、という未だかつて誰も為し得なかったことを軽々とやってのけ、世界中のドキュメンタリー作家たちの神話となった羽仁進。記録し得ないものが魔法のように記録されているそのフィルムに、「どうやって撮ったんだ!?」と世界が驚嘆。
また劇映画でも、8mmフィルムでの撮影や隠し撮りといった実験的手法を用いた、寺山修司と共同脚本で作り上げた『初恋・地獄篇』や、2014年の『アクト・オブ・キリング』に先んじ、無名の不良少年たちが自分たち自身を演じた1961年の『不良少年』は、ドキュメンタリーの手法を取り入れた革新的なアイディアが多くの映画人に衝撃を与えました。
ドキュメンタリーと演技の垣根を飛び越えて、その人物の「かくれた、ほんとう」を浮かび上がらせる羽仁進の映画を観れば、あなたも必ずびっくり仰天!今回、羽仁進監督本人と、意外な羽仁ファンである豪華ゲストが登壇し、他の誰にも為し得ない、人間そのものを捉えるそのカメラの秘密に迫ります!
さあ、どこまでも広がる映画の可能性を再発見!!
監督・羽仁 進(はに・すすむ)
1928年東京都出身。自由学園を卒業後、1949年岩波映画製作所設立に参加。教育・記録映画を手がけ、『教室の子供たち』で注目される。初の長編劇映画となる『不良少年』では、ドキュメンタリーの手法を多用し、新境地を開拓、キネマ旬報ベストテン第1位、日本映画監督協会第1回新人賞に選ばれた。後にフリーとなり、約30年にわたりアフリカをはじめとする海外ロケを敢行し、TV番組「動物家族」など、野生動物を撮り続けた。
【日時】2014年9月21日(日)〜24日(水)
【会場】東京国立近代美術館フィルムセンター・大ホール
【料金】前売一般 1000円 ※チケットぴあにて発売【Pコード:553-400】
当日一般 1200円/高校・大学・シニア800円/小・中520円
【上映作品】
9/21[日]12:00~
『教室の子供たち』
(1954年/35mm/モノクロ/29分)
日本に於けるドキュメンタリーの概念を覆した、羽仁進の代表作。小学2年生の教室をみつめる監督の「眼」は、カメラなどまるで意識しない、活き活きとした子供たちの姿を捉える。その圧倒的なみずみずしさに驚嘆!
『絵を描く子どもたち』
(1956年/35mm/パートカラー/38分)
※『教室の子供たち』と併映
小学1年生の図画工作の授業の中で、表現する楽しさに目覚め、恐る恐る何かを語り始める子供たちを捉えた記録映画。人生に一度きりのその一瞬が鮮やかに焼き付けられている。1956年キネマ旬報短編映画ベストテン第1位。
■ゲスト
岡田秀則 (東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
金子遊 (neoneo編集委員)
ドキュメンタリーに造詣の深い2人が徹底解説する「はじめての羽仁進」。
羽仁監督を初体験するなら、これは絶対見逃せない!
9/21[日]18:00~
『不良少年』
(1961年/35mm/モノクロ/89分)
非行少年のシャバでの生活と少年院での姿を描いた初の長編劇映画。全く無名の不良少年達を起用し、ドキュメンタリーの手法を用いた新たな作風は、多くの映画人に衝撃を与え伝説に。1961年キネマ旬報ベストテン第1位。
■ゲスト
諏訪敦彦(映画監督)
映画の概念を覆す羽仁監督の魅力に、諏訪敦彦監督が迫る!
あなたの「映画」の概念を覆すトークが聞けるかも!?
9/23[火・祝]11:30~
『恋の大冒険』
(1970年/35mm/カラー/93分)
恋を求めて憧れの東京にやってきた少女に巻き起こる騒動を描いたミュージカル・コメディ。共同脚本を映画評論家の山田宏一、渡辺武信が務め、和田誠による美術とアニメーションも登場する刺激的な快作であり怪作。
■ゲスト
和田誠(イラストレーター・エッセイスト・映画監督)
一流クリエイターたちが集結した、日本版『DUNE』(こっちは無事完成)は
どのように生まれたのか?
本作の美術とアニメーション作画を手掛けた和田誠氏が登壇!
9/23[火・祝]14:30~
『初恋・地獄篇』
(1968年/35mm/パートカラー/107分)
養護施設で育った孤独な少年シュンと奔放な少女ナナミの初恋を綴る青春映画。羽仁進と寺山修司が共同でオリジナル脚本を執筆。ドキュメンタリーや隠し撮り、8mmフィルムなど実験的な手法を交え、熱烈なファンを持つ1本。
■ゲスト
山本政志(映画監督)
本作の大ファンであり、映画のためなら何でもやる男・山本政志監督に聞く、羽仁進の実験精神!
常に映画の常識を破り続ける監督が嵐を巻き起こします!
9/24[水]12:30~
『手をつなぐ子ら』
(1964年/35mm/モノクロ/100分)
稲垣浩監督、伊丹万作脚本による、田村一二の児童文学『手をつなぐ子等』映画化(’48)をリメイク。まだ特別学級のない学校で、多彩な子供たちの生身の魅力が画面いっぱいに溢れ出す。第4回モスクワ国際映画祭審査員特別賞受賞。©KADOKAWA 1964
「第36回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」
9月13日(土)~25日(木)、東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催!
公式サイト:http://pff.jp/36th/
イベント情報ページ:http://pff.jp/36th/event/