【Book Review】「時代」を読み解く感覚―大木晴子+鈴木一誌編『1969 新宿西口地下広場』 text 若林良

「青春」という言葉から、私たちはどのような色を連想するだろうか。恐らくは、爽やかさを想起させる青や、情熱を感じさせる赤が多いだろう。たとえば毎年の夏、全国各地から集まった甲子園球児たちの活躍を見て、私たちはこうした色を思

【Review】「生物」としての靖国への共鳴――大浦信行監督 『靖国・地霊・天皇』 text 若林良

この映画について、私は何を語るべきなのか。あるいは、何を語るべきではないのか。鑑賞後の私の中には、そのような問いがぐるぐると回った。恐らく、それはおのずと答えが出るという類のものではない。逆に言えば、おのずと答えが出ない

【Review】“人間”こそが持つおかしみ――ウディ・アレン監督『ブルージャスミン』 text 若林良

本作を観ながら、溝口健二の『祗園の姉妹』(1936)が私の脳裏をよぎった。義理人情に従順な姉と、封建的社会に批判的な妹。2人の対立を通して、男性本位で動く社会への批判が鋭く描かれる。山田五十鈴を中心とした役者の好演も相ま

【Review】“ウェルメイド”のその先に―『あなたを抱きしめる日まで』 text 若林良

今年の3月11日、つまり東日本大震災から3年が経過したその前後には、震災を振り返るコメントがSNSでも氾濫を見せていた。内容はさまざまだったが、私が見た中では「まだ何も終わっていない、今後とも継続的な支援が必要だ」といっ

【Review】「戦争」を語り継ぐために―映画『永遠の0』に寄せて text 若林良

©2013「永遠の0」製作委員会 近年の太平洋戦争を題材にした映画には、少しずつ、しかし確実に増えつつある視点が存在する。それは、戦争の記憶をいかに伝えるか、また現在の人々がそれをどう受け止め、生きていくかという視点であ