2012年7月29日に世を去ったフランスの映画作家クリス・マルケルの追悼特集。
初の日本語字幕付き上映となる『美しき五月』と『笑う猫事件』を含めた、
監督作品8本を一挙上映。
クリス・マルケルは映画史のなかでも異彩を放つ映像作家である。旅人として国境を越え、記憶と歴史への鋭いまなざしを向ける一方、抵抗する人々を鮮明にとらえた。また、多様なメディアを交錯させ、映像とは何かを問い続けた。世界が非寛容の空気に包まれている今、マルケルの広大な映像の宇宙を体験することが求められている。
【日程】2015年7月27日(月)-8月1日(土)
【会場】アテネ・フランセ文化センター
東京都神田駿河台2-11アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
tel:03-3291-4339
【料金】一般=1500円 アテネ・フランセ文化センター会員=1300円
書籍割引=1300円
※書籍割引をご希望の方は『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』を受付にてご提示下さい。
全プログラム通券(6回有効/複数人使用不可)一般=6000円
アテネ・フランセ文化センター会員=5000円
【上映スケジュール】
※整理番号つきチケットは一回目の上映開始20分前から販売します。トークご参加には当日のチケット(半券)が必要になります。
7月27日(月)
16:30 ラ・ジュテ/ 不思議なクミコ(計73分)
18:00 トーク:筒井武文(映画監督)
19:00 ラ・ジュテ/ 不思議なクミコ(計73分)
7月28日(火)
15:30 美しき五月(136分)
18:00 トーク:港千尋(写真家)
19:00 美しき五月(136分)
7月29日(水)
16:00 サン・ソレイユ ※池田理代子ナレーション版(104分)
18:00 トーク:諏訪敦彦(映画監督)
聞き手:五十嵐健司(『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』編集者)
19:00 サン・ソレイユ ※池田理代子ナレーション版(104分)
7月30日(木)
15:40 A.K.ドキュメント黒澤明 ※蓮實重彦ナレーション版/ アンドレイ・アルセニエヴィッチの1日(計126分)
18:00 トーク:筒井武文(映画監督)× 岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター)
19:00 A.K.ドキュメント黒澤明 ※蓮實重彦ナレーション版/ アンドレイ・アルセニエヴィッチの1日(計126分)
7月31日(金)
16:00 アレクサンドルの墓 最後のボルシェヴィキ(120分)
18:00 トーク:鴻英良(演劇批評家)× 金子遊(批評家・映像作家)
19:00 アレクサンドルの墓 最後のボルシェヴィキ(120分)
8月1日(土)
クリス・マルケル・シンポジウム
「マルチメディア・アーティストとしてのクリス・マルケル1952-2012」
13:00 笑う猫事件(58分)
14:00 レクチャー 「マルケルの北朝鮮写真集」 門間貴志(映画研究者)
15:00 レクチャー 「マルケルのヴァーチャルな書物」 千葉文夫(フランス文学者)
16:00 シンポジウム
門間貴志(映画研究者)× 千葉文夫(フランス文学者)× 港千尋(写真家=予定)
司会:東志保(映画研究者)
※各作品解説は、アテネ・フランセ文化センターの公式サイトをご覧下さい
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/mar/markers.html
【主催】
アテネ・フランセ文化センタ—
森話社
映画美学校
【共催】
アンスティチュ・フランセ日本
クリス・マルケル
Chris Marker
1921年7月29日、パリ生まれ。
20代中頃より、左翼系文化組織の活動に携わるようになり、そこでアンドレ・バザン、アラン・レネらと出会う。53年、レネとの共同監督で『彫像もまた死す』を発表、その反植民地主義的な内容のために上映禁止処分となるも、同作でジャン・ヴィゴ賞を受賞する。
『ある闘いの記述』(60)でベルリン国際映画祭短編映画部門金熊賞受賞。62年、スチル写真で構成されたSF映画『ラ・ジュテ』で国際的な評価を得る。64年には東京オリンピックの撮影のために来日するが、そこで出会った日本人女性、村岡久美子についての映画『不思議なクミコ』(65)を撮影する。68年からはゴダール、レネらと共にアジビラ映画「シネトラクト」の連作を開始し、上映活動をおこなう。また同年、労働者たちとの映画グループ、メドヴェトキン集団を結成し、映像を駆使した政治活動を展開していく。82年、アイスランド~アフリカ~東京を結ぶエッセイ映画の傑作『サン・ソレイユ』を発表。90年代後半よりCD-ROM作品《Immemory》(98)をはじめ、インターネット上の仮想空間セカンドライフ内に制作した「ウヴロワール」や、それ自体がマルケルの作品となっているウェブサイト「ゴルゴマンシー」の開設といった電脳世界での表現や、インスタレーション作品の制作など、マルチメディアでの表現活動を展開する。
国境を越え、メディアを横断して表現を続けたマルケルは、2012年の誕生日に91歳でこの世を去る。死後も、2013年のポンピドゥー・センターでの回顧展〈プラネット・マルケル〉をはじめ、今も全世界で大きな注目を集めている。
【参考文献】※会場でも販売します
クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト
スチル写真で構成された近未来SF映画『ラ・ジュテ』や、八〇年代日本の霊性を異邦人の視点からとらえた『サン・ソレイユ』などの伝説的な作品で知られる映画作家、クリス・マルケル。空間とメディアを横断し創作を通して闘い続けた稀代の表現者。死後もなお注目をあつめてやまない、 その謎に包まれた世界を多角的に考察する、本邦初のクリス・マルケル論集。
港千尋=監修
金子遊・東志保=編
執筆者=港千尋、四方田犬彦、堀潤之、門間貴志、
金子遊、柳原孝敦、鴻英良、東志保、越後谷卓司、岡田秀則、千葉文夫、吉田孝行
森話社/本体3500円+税
※「neoneo web」のブックレビュー
【Book Review】『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社) text 風間 正
neoneo #03(2013年Autumn)
小特集「Unknown Marker:知られざるクリス・マルケルの世界」
好評既刊 本誌03号でもクリス・マルケルを特集!
小特集「UNKNOWN MARKER ~知られざるクリス・マルケルの世界~」で、映画のみならず執筆活動や写真など、多岐に渡るマルチメディア・アーティストとしてのクリス・マルケルに迫ります。
執筆者=吉田孝行、金子遊、越後谷卓司、藤田修平、丸谷肇、碓井千鶴、河合政之、東志保
クリス・マルケルへのインタビュー(1968年)、クリス・マルケル写真展 あり
2013年10月発売。販売価格1000円
※お求めはこちらから
※詳しい内容は下記をご覧下さい
【Magazine】「neoneo」#03 特集「〈ゼロ年代〉(プラスワン)とドキュメンタリー」
【お知らせ】
『サン・ソレイユ』銀座メゾンエルメス ル・ステュディオでも上映!
『サン・ソレイユ』は銀座メゾンエルメス ル・ステュディオでも7月のプログラムとして土曜、日曜、祝日に上映します。
予約制(入場無料)につき、下記にお問合せ下さい。
■オンライン予約 http://maisonhermes.jp/ginza(要会員登録)
■電話予約 03-3569-3300(受付時間11:00-19:00)