【Info】京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT「使えるプログラム」[支援系A]まだまだ参加者募集中!

けのび「会して」上演写真(© Satoshi Nishizawa )

 劇場でしか、あるいは演じられなければ、劇はないのでしょうか?(だいたい、劇とは何でできているのか? ) 「劇的だね」というとき、私たちは何を想っているのでしょうか?

「劇は使える」をコンセプトに、劇を認知する回路が日常の関係やコミュニケーションにおいても使えることを示そうとするプログラムです。

[支援系][上演系][ワークショップ系][記録集]の4つをプログラムの柱とし、劇とはなんなのか? 使えるとはどういうことか?が検討されていきます。

 

京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT 2013 フリンジ企画「使えるプログラム」
会期:2013.9.28 – 10.27
公式サイト:http://kyoto-ex-useful.jp

[支援系A]参加者募集中

参加の仕方や度合いを参加者自身が選び、「使えるプログラム」を「いかに使うか」を考えることができる、[支援系]の参加者を募集します。募集は[支援系A][支援系B(応募期間終了)]の二種です。

[支援系A]上演やワークショップを行うゲスト(下記)へのインタビューや、トークイベントでの発言、作品への批評、ゲストと並んでの上演・ワークショップ等の企画などを行うことができ、滞在費や各種招待などの支援を受けることができるもの。

[支援系B]本プログラムの制作現場や、会期前の批評講座を通して、演劇をはじめとする表現への批評的なまなざし・行動力・経験を得ることができるもの。

「劇は使える」というコンセプトに共感(あるいは興味)を持って、積極的に参加して下さる方を求めます。いずれの募集も、本年のプログラム周辺にとどまらない、運動の継続を見込んでのものです。

応募〆切
[支援系A]6/11(火)
[支援系B]5/21(火) ※応募期間終了
それぞれ募集対象や、条件が異なっておりますので、詳細は募集要項をご確認下さい。
お問い合わせ:info@kyoto-ex-useful.jp

有効な事例となる、ゲスト参加者による[上演系]企画は、必ずインストラクション(指示)を含むことで、立ち会う・参加する人々の中に「劇」が成立するようなものとなります。また、彼らの制作方法に触れて「劇」を持ち帰ることができる「使える」ワークショップも行うことで、「劇」についての考察をさらに深めます。

現在発表されているゲスト参加者は、インタラクティブ性を重視した活動を続けるゲームデザイナー、立命館大学映像学部教授の米光一成(代表作:『ぷよぷよ』『バロック』)

AR アプリ「セカイカメラ」を活用し、詩を画面を通した拡張現実に浮かべる作品、AR詩で知られる、詩人・アーティストのni_ka

本プログラムのディレクター羽鳥嘉郎が代表を務め、「教え」や「心がけ」を制作し現実においても有効な「演出」を追求してきたけのび、の3組です(詳細)。



ステートメント

「劇は使える」 2013.02.01版
羽鳥嘉郎
 

劇は、劇場ではありません。
劇は、舞台ではありません。

劇の素材は、わかられていません。

もしも、絵画と建築から生まれた「デザイン」の感覚がわれわれの机の上の整理に影響しているように、劇についての感覚がわれわれの日常生活に役に立つ、使えるものだとしたら。

きっと、人間関係とか、あなたの日々の振る舞い、演技をも変えるかもしれません。

劇の技術を思い浮かべることで、どうすればいいのか悩むことができる。
これまで受けてきた教育、誰かの宗教、誰かの哲学、それだけに演出されずにいられる。

劇は使える、べきだ。
あなたのこれからの劇のために。

他のいわゆる芸術ジャンルと比較しても、演劇はその素材も曖昧で、それゆえに脱領域的な企てや転用の試みも精確には展開されがたかった。だが同時に、シアターなどの装置に引き込まれずに「演劇」ならぬ「劇」の定義を求めようとするならば、流通している語の書き換えとなることもできる。まだその要素や主体が確定していないなら、まずこの母語における政治のチャンスが残されているとも言いうる。つまり、表現や活動形態以外の面でもアクチュアルであれる可能性がある。この機会を逃すな。劇は使える。

初年度

劇というのは見出されるものである。
だからこそ使える。
使わせる側、あるいは作らせる側をなくしうる。
あなたによって使える何かを、劇だけが自ずから再現しようとする。
(※このステートメントは、「使えるプログラム」公式サイト上におけるプロジェクトメンバーとゲスト・コメントのやり取りの中で、会期まで・会期中もブラッシュアップされていきます。)

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