【News】2/8−12 第8回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルのみどころ

※拡大版のプログラム詳細は こちら

今年も2/8(水)から12日(日)まで、「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」が開催される。第8回目を迎える今年のテーマは「アジアの波」。「日本からアジアを見つめた作品」と「アジアのドキュメンタリストが自国を見つめた作品」のふたつの視線が交錯し、例年通りテレビ、映画の枠を越えた多彩な作品とゲストが集まった。
また、2/12(日)は、コンペティション部門の入賞作品が5本上映され、こちらにも注目だ。
今年の見どころを、簡単に解説しよう。
(neoneo編集室 佐藤寛朗)



『大東亜戦争』

2
8日(水)

11:00   カメラマン特集 堀田泰寛
『日曜日の子供たち』 
(1980年/103分/監督:堀田泰寛)
ゲスト:堀田泰寛

13:30  アジアの波 台湾
『太陽花(ひまわり)占拠』
(2014年/120分/監督:太陽花運動映像記録プロジェクト)
ゲスト:西原孝至×諏訪原研×奥田愛基(skype) 特別ゲスト:田原総一朗

 16:30 アジアの波 韓国
『ダイビング・ベル/セウォル号の真実』 
(2014年/77分/監督:イ・サンホ、アン・ヘリョン)
ゲスト:アン・へリョン

18:45 是枝裕和スペシャルセレクション ※無料参考上映 
20世紀アワー『大東亜戦争』(前・後編)&是枝裕和 ビデオメッセージ
(1968年/98分/ディレクター:大島渚)
ゲスト:金平茂紀×鈴木嘉一

『日曜日の子供たち』はカメラマン堀田泰寛自身が、横浜の工業地帯の海辺で遊ぶ子供たちを16mmで撮り続けた叙情的な作品。『太陽花(ひまわり)占拠』は2014年におきた、学生らの台湾の立法員占拠事件のダイジェスト・ドキュメンタリー。『わたしの自由について』の西原監督ともとSEALDsのメンバー、田原総一朗らが集い、日台の民主主義のあり方を比較。セウォル号沈没事件を追った『ダイビング・ベル』は、アン監督が語る韓国の最新情勢に注目。『大東亜戦争』は、大島渚による異例の全編アーカイブ・ドキュメンタリー。あえて「大東亜戦争」と銘打たれた当時の映像が、翻って現在の世相をうつ。

『我々のものではない世界』
 
2月9日(木)

11:00 アジアの波 パレスティナ 
『我々のものではない世界』
(2012年/93分/監督:マハディ・フレフェル)
ゲスト:足立正生

13:30 松江哲明セレクション 
『将軍様、あなたのために映画を撮ります』 
(2016年/97分/監督:ロス・アダム、ロバート・カンナン)
ゲスト:松江哲明×町山智浩

16:15 アジアの波 フィリピン
『BASURA バスーラ』 
(2009年/103分/監督:四ノ宮浩)
ゲスト:四ノ宮浩

19:00  西川美和 セレクション 
『ヤクザと憲法』
(2015年/96分/監督:圡方宏史)
ゲスト:西川美和×圡方宏史

2013年山形映画祭の大賞受賞作『我々のものではない世界』は、難民キャンプ出身の監督が“故郷”のキャンプに生きる人びとを見つめた作品。金正日の肉声が聞ける話題作『将軍様、あなたのために映画を撮ります』は、主人公・シン・サンオク監督と町山智浩氏の意外な縁が…『BASURA バスーラ』はフィリピンのゴミの山「スモーキーマウンテン」で生きる少女の20年後を追う。昨年のヒット作『ヤクザと憲法』は、登場人物の“その後”がトークで聞けるかも。

『標的の島 風(かじ)かたか』

2月10日(金)
11:00 アジアの波 沖縄  ※特別先行上映
『標的の島 風(かじ)かたか』 
(2017年/118分/監督:三上智恵)
ゲスト:三上智恵

 14:00  中山大樹 セレクション 
『最後の木こりたち』
(2014年/111分/監督:ユー・グアンイー)
ゲスト:中山大樹

17:00  アジアの波 韓国 
『3本足のカラス』
(1997年/72分/監督:オ・ジョンフン)
ゲスト:崔洋一

19:15  西加奈子 セレクション 
『イラン式料理本』

(2010年/72分/監督:モハマド・シルワーニ)
ゲスト:西加奈子

『標的の島 風(かじ)かたか』を、3月の全国公開に先がけ特別上映、『最後の木こりたち』は、中国北部の過酷な環境下で木を切り力強く生きる男たちを追う。日本では久々の上映となる『3本足のカラス』は、90年代韓国のカリスマ労働詩人、パク・ノへの精神的軌跡を追い求めるロード・ムーヴィー。料理の愚痴から旦那の愚痴まで、キッチンという小宇宙で広がるイラン女性の深い世界をコミカルに描いた『イラン式料理本』は必見。

 『青年★趙』

2月11日(土・祝)
11:00  アジアの波 台湾
『トーテム Song for home』 
(2009年/85分/監督:若木信吾)
ゲスト:若木信吾

13:30  アジアの波 中国
『青年★趙(チャオ)』
(2015年/106分/監督:ドゥ・ハイビン)
ゲスト:秋山珠子(本作翻訳)×シャオ・チャオ(Skype)

 16:30 アジアの波 中国+日本 ※無料参考上映
NHKスペシャル『日中戦争~なぜ戦争は拡大したのか~』
(2006年/74分/ディレクター:鎌倉英也、宮本康宏)
ゲスト:塩田純(制作統括)×吉岡忍


 19:00  森達也 セレクション 
『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち
(2002年/101分/監督:リティ・パン)
ゲスト:森達也

台湾の原住民バンド『TOTEM』メンバーの、故郷で生き生きする姿を追う『トーテム』。『青年★趙』は、愛国青年?チャオの現在の姿がskypeで登場する。『日中戦争』は、兵士の証言と各地に存在する資料から、特に南京の戦闘の問題に迫る力作。『S21』は、カンボジアを代表する監督リティ・パン、クメール・ルージュ時代に存在した強制収容所の加害者と被害者の実態を、ロールプレイにより再演させる。

『ひいくんのあるく町』

2月12日(日)

10:00【コンペティション入賞作品上映】
『ひいくんのあるく町』
(2017年/47分/監督:青柳拓/日本映画大学)
『ぼくの、メリット』
(2016年/46分/ディレクター:武藤久/南日本放送)

12:00【コンペティション入賞作品上映】 
 
『彼らの原発』
(2015年/126分/監督:川口勉

14:20【コンペティション入賞作品上映】 
『飯舘村の母ちゃんたち 土とともに』
(2016年/95分/監督:古居みずえ)

『リアルマリオ。〜空想と現実のあいだで〜』
(2015年/62分/ディレクター:下野賢志/中部日本放送)



17:30 井浦新 セレクション ※無料参考上映 
井浦新 アジアハイウェイを行く 『第5集 “インドシナ回廊”心を映す道』
2015年/89分/ディレクター:萬はじめ
ゲスト:井浦新×萬はじめ 番組紹介:浜野高宏

コンペティション部門は5作品が入選。日本映画大学の卒業制作『ひいくんのあるく町』は、山梨県のある町に現れる不思議な「ひいくん」と、彼を受け入れる町の人の物語。『ぼくの、メリット』は、不登校の少年が人口70人の離島へ移住し起きる変化を描く。『彼らの、原発』は、原発とともに生きてきた福井県おおい町の住民の本音に迫る。『飯舘村の母ちゃんたち 土とともに』は、帰村叶わぬ中、仮説住宅でも畑を借りて土を耕す母ちゃんたちの生を描く。『リアルマリオ。』は愛知県に現れる、マリオカート軍団の中年男たちに密着。そこには意外な“影”が…
他に、俳優・井浦新が独自の視点でアジアを見つめる人気シリーズを上映。

【開催情報】

第8回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル
2016年2月8日(水)- 12日(日)

【会場】座・高円寺2(高円寺駅下車徒歩5分) 【地図】
【料金】当日 各プログラム1500円
※無料参考上映あり(トークは有料)

 

公式サイト http://zkdf.net