【News】「ジェンダー・ギャップ映画祭」が12月にユーロスペースで開催!

12月4日(土)〜10日(金)の1週間、ユーロスペースにて「ジェンダー・ギャップ」映画祭が開催される。上映されるのは1935年の中国映画『新女性』から来年劇場公開が予定されている日本映画『ある職場』までの計15作品。日本大学芸術学部映画学科の、映像表現・理論コース映画ビジネスゼミに所属する3年生たちが主催する「日芸映画祭」だ。テーマ設定、企画から作品選定、上映交渉、ゲスト交渉、チラシやパンフレットの制作や会場運営に至るまで、全て学生の主導で行われる。これまでは天皇や朝鮮問題、マイノリティの問題などをテーマに選んできたが、今回は「性差間の格差」がテーマとなった。

『新女性』

開催にあたってのコメント

2011年度に始まった“日芸映画祭”は、今年で11回目を迎えます。
今年3⽉、「日本の男女平等指数が世界で120位」というニュースが発表されました。その少し前の2月にはJOC森前会⻑による「性差別発言」もありました。考えてみると、私たち学生もそれぞれがこれまで「女だから」「男だから」と理不尽に扱われてきた記憶があります。私たちの住む日本は、無意識な差別や偏見、特に男女差別が根強く残る国だと改めて思います。
2017年にアメリカの映画界で始まった#MeToo運動も日本では拡散が弱く、これから社会に出る私たち学生は、将来に大きな不安を抱えています。
そこで今年度、私たちの映画祭のテーマを「ジェンダー・ギャップ」に決定しました。映画を学ぶ私たちは、映画史のさまざまな作品を⾒ながら、まさに映画がジェンダー・ギャップの歴史だったことを知っています。映画にはそれぞれの時代や各国の価値観が無意識に反映されています。⻑年⾒過ごされてきたジェンダー・ギャップという問題に今一度、映画を通じて改めて観客の方々と共に向き合いたいと考えてこの映画祭を企画しました。まず、私たちがこの映画祭を企画するに至ったこの⼼情を知って欲しいと思います。
そして古今東西の映画15本から、いかに⼥性たちが戦ってきたのか、そして社会はそれをどう阻んできたのか、ジェンダーをめぐる価値観はどう変わっていったのか、国によってどう違うのかなどを観客の皆さんと共に考えていきたいと考えています。

上映作品は以下の通り。舩橋淳監督の『ある職場』はプレミア上映となる。

『新女性』(蔡楚生/1935)
『浪華悲歌』(溝口健二/1936)
『赤線基地』(谷口千吉/1953)
『月は上りぬ』(田中絹代/1954)
『女が階段を上る時』(成瀬巳喜男/1960)
『5時から7時までのクレオ』(アニエス・ヴァルダ/1961)
『叫びとささやき』(イングマール・ベルイマン/1973)
『百万円と苦虫女』(タナダユキ/2008)
『ハンナ・アーレント』(マルガレーテ・フォン・トロッタ/2012)
『少女は自転車にのって』(ハイファ・アル=マンスール/2013)
『はちどり』(キム・ボラ/2018)
『RBG 最強の85才』(ジュリー・コーエン,ベッツィ・ウェスト/2018)
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直/2019)
『この星は、私の星じゃない』(吉峯美和/2019)
『ある職場』(舩橋淳/2022)

公式ホームページ︓ http://nichigei-eigasai.com

『ある職場』