Author Archives: neoneoweb2017

【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜中野理惠 すきな映画を仕事にして 〜 第7話 text 中野理惠

開拓者(フロンティア)たちの肖像〜中野理惠 すきな映画を仕事にして〜 <前回(第6話)はこちら> 第7話 田中美津の『いのちの女たちへ―とり乱しウーマン・リブ論』 前回の最終章の流れで、詩集ではないが、一冊だけ触れておき

【Book Review】帝国の境界を解体する、風景への眼差し―金子遊 著『辺境のフォークロア』 text 野澤光

本書は、日清戦争後から二次大戦末期にかけて、日本の辺境を旅した、20名以上にわたる民俗学者や文学者たちの足跡を辿り直したものである。その「辺境」には、琉球、小笠原諸島をはじめとして、かつて大東亜共栄圏の一部であったサハリ

【News】4/25[土]開催★『季節の記憶(仮)』夏篇+『An Elephant’s Tail ―ゾウノシッポ』上映とトーク 吉祥寺「百年」にて

奇跡のようなもの、とどめられないものをめぐって 2014年、都内でひっそりと上映された只石博紀『季節の記憶(仮)』は、全キャストがカメラマン、ノーファインダー(カメラを覗いて撮影することの禁止)、30分ノーカットという異

【Review】ランズマンとワイズマンの共通点〜『SHOAH』『ソビブル、1943年10月14日午後4時』『不正義の果て』連続上映に寄せて〜text 山石幸雄

2月に渋谷のシアター・イメージフォーラムで行われたクロード・ランズマンの連続上映は快挙であった。 長らく見ることができなかった『SHOAH(ショア)』の再上映をはじめ、これまで日本未公開の『ソビブル、1943年10月14

【News】5/2-6 神戸映画資料館で「三里塚特集」。『三里塚に生きる』から小川プロ・福田克彦の名作まで

『三里塚に生きる』から小川プロ・福田克彦の名作まで神戸映画資料館で「三里塚特集」2015年5月2日(土)〜6日(水・祝) 土本典昭や小川紳介など日本のドキュメンタリー映画を支えた名キャメラマン、大津幸四郎氏が昨年11月に

【News】4/11-19広島で開催 浅見俊哉「呼吸する影ーShadow of Bombed Treesー」 被爆樹木の影を直接感光紙で写し撮ったフォトグラムの作品展

昨年東京・ニコンサロンで開催された好評の写真展が、広島でも開催!『呼吸する影ー被爆樹木のフォトグラムー』 浅見俊哉作品展 本展覧会は、ヒロシマにある「被爆樹木(Bombed tree)」を、太陽を光源として、直接感光紙に

【Report】SFのアクチュアリティー/タルコフスキーの諸作品をベースにした演劇作品『 石のような水』<作:松田正隆(マレビトの会)/演出:松井周(サンプル)> text 太田信吾

———人は過去を思い出すと、より善良になる (『ストーカー』アンドレイ・タルコフスキー監督) 余りにも示唆に富んだ台詞だ。タルコフスキーが1979年に発表した映画「ストーカー」は複雑な世界を複雑なままに、矛盾を矛盾のまま

【Interview】『繩文号とパクール号の航海』 水本博之監督インタビュー

「グレートジャーニー」で知られる探検家・関野吉晴は、2004年から「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」と名付けた、日本列島にやってきた古代人の足跡の追体験行をスタートさせた。北方ルート、南方ルートに続いて2

【News】連続講演「映画批評をめぐる冒険」5月開催・予約受付スタート

「5月の3日間」ジョン・フランケンハイマーの映画のタイトルみたい……。すぐそんな連想をしてしまう人には、うってつけ。これから、そんな連想をできてしまう猛者になりたい人にはさらに興味深いイベントが開催されます。蔵前のイベン

【Review/Interview】ヘイトスピーチに対抗する人たちを扱ったドキュメンタリー『レイシスト・カウンター』わたなべりんたろう監督 text 名久井梨香

流行語大賞にノミネートもされた「ヘイトスピーチ」。社会問題に疎い若者でも、新大久保辺りで行われているぐらいは知っているだろう。しかしどれだけの人が、ヘイトスピーチの実態を理解しているだろうか。 2013年2月、ヘイトスピ

【News】4/17-25『優れたドキュメンタリーを観る会 vol.31』@下高井戸シネマ

優れたドキュメンタリー映画を観る会 vol.31“来し方、行く末”1999年4月からスタートした「優れたドキュメンタリー映画を観る会」は、今年も下高井戸シネマと日大文理学部をはじめ、沢山の地域の団

【News】5/9[金]より開催★代表作9作品を上映、名キャメラマンの足跡をたどる――「追悼特集 大津幸四郎からのメッセージ」 横浜シネマリンにて

人間を撮る、存在をじっと見つめる、そこから語られないものが浮かんでくる キャメラマン大津幸四郎。その仕事は、日本のドキュメンタリー史の軌跡そのものであると言っても過言ではない――。 横浜シネマリンでは、5月9日(土)-5

【Review】私たちはいかに「敵」と向きあうか―鎌仲ひとみ監督『小さき声のカノン』に寄せて text若林良

東日本大震災、またそれに端を発した東京電力福島第一原子力発電所事故をうけて、2015年3月現在に至るまで「原発」をテーマとした数々の映画が制作された。 たとえば、放射線の影響に焦点をあてた劇映画『おだやかな日常』(201

【News】『フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように』 チョンジュ国際映画祭上映決定!

近代メキシコを代表する画家であるフリーダ・カーロの遺品を、世界的な写真家・石内都が撮影する過程を捉えたドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように』が、第16回チョンジュ国際映画祭(2015.4.30

【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜中野理惠 すきな映画を仕事にして 〜 第6話 text 中野理惠

開拓者(フロンティア)たちの肖像〜中野理惠 すきな映画を仕事にして〜 <前回(第5話)はこちら> 第6話 お金をいただく人生の始まり 1972年、新卒で就職したのは、大手建築会社であった。志望していた新聞社が、その年だけ

【Review】映画と現実の間の裂け目を歩く-ソ・ヒョンソク『From the Sea』(後編)text 夏目深雪

映画と現実の間の裂け目を歩く-ソ・ヒョンソク『From the Sea』(後編)前編 はこちら 映画の自動性 『タツノオトシゴ』(1934年)や『ミジンコ』(1929年)といった科学映画のパイオニアである映画作家パンルヴ

【Interview】「いのちを肯定する」というメッセージを届けたい〜『スーパーローカルヒーロー』主演ノブエさん&田中トシノリ監督

先日、『スーパーローカルヒーロー』の試写を拝見し、ぜひ、主演のノブエさんと田中監督にお会いしたり、登場するミュージシャンのライブを観たいとおもっていた。折よく「東京公開記念ライブイベント」が開催されたので、足を運び、イン

【Review/Report 】音楽で人を包む、尾道の『スーパーローカルヒーロー』text 小林蓮実

魅力に富む、錚々たるミュージシャンが名を連ねるドキュメンタリー。山に抱かれ、坂から海が見渡せる尾道の、CDショップオーナーとは? まずは、好ましいミュージシャンが名を連ねるドキュメンタリーということに惹かれた。EGO-W

【Review】むきだしの混沌――アレクセイ・ゲルマン監督作品『神々のたそがれ』 text 越後谷研

  その名はゲルマン。アレクセイ・ゲルマン。我々の前に、60年目にしてようやく現れた曙光。あの怪物的小説を映画化できる、唯一にして最高最良の映画監督。ナチスの戦法に想を得て、アレクサンドル・デュマを換骨奪胎し、

【News】4/10[金]より★築50年の一軒家をまるごと<舞台>にした「家プロジェクト」最後の本公演――贅沢貧乏vol.6「ヘイセイ・アパートメント」 @江東区北砂の一軒家

この世の中がひっくり返ったって、生きていかなきゃいけない。どんな世の中になったって、わたしたちは、食べて眠って、暮らすことをやめられない。 一軒家を借り、そこで稽古をし、そこで演劇作品を発表する、という家プロジェクトを始

【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜中野理惠 すきな映画を仕事にして 〜 第5話 text 中野理惠

開拓者(フロンティア)たちの肖像〜中野理惠 すきな映画を仕事にして〜 第5話 大島渚監督  <前回(第4話)はこちら> 大島さんの著書では、もうひとつ、記憶に残っていることがある。松竹の助監督仲間で脚本を批評し合っていた

【Review】私達は映画を恐れている――三浦哲哉著『映画とは何か フランス映画思想史』 text 奥平詩野

様々なメディアの出現過程を知らない、いわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代に当たる私達は、コンピューターや携帯電話などのメディアの発展について毎回新鮮さを感じて驚きながらもそれを疑わず、当たり前の、一種の世界の決まり事