【Review】“ウェルメイド”のその先に―『あなたを抱きしめる日まで』 text 若林良

今年の3月11日、つまり東日本大震災から3年が経過したその前後には、震災を振り返るコメントがSNSでも氾濫を見せていた。内容はさまざまだったが、私が見た中では「まだ何も終わっていない、今後とも継続的な支援が必要だ」といっ

【Interview】 生誕100年★トーベ・ヤンソンの映画3部作/ムーミンからフィンランドの映画事情まで――リーッカ・タンネル監督

2014年2月に渋谷・ユーロスペースにて開催されたトーキョーノーザンライツフェスティバル2014では、ムーミンの原作者トーベ・ヤンソン生誕100年を記念して、トーベに関する8ミリフィルムをもとにした映画3部作のうちの2本

【Interview】なぜ今、セルフドキュメンタリーを探るのか〜newCINEMA塾  原一男監督10,000字インタビュー

「CINEMA塾」は、原一男監督による“映画の私塾”である。1995年以来、山口・東京・大阪など様々な場所とかたちで、映画に関する合宿・講座・ワークショップが断続的に行われてきた。小林聖太郎(『かぞくのひけつ』)、リム・

【Report】ドキュメンタリー労働組合による台湾・ひまわり学生運動の撮影活動に寄せて text 林木材 (翻訳:都留俊太郎)

 (Photo from flyingV.cc) 2014年3月18日、中台間の貿易の自由化を大幅に拡大するサービス貿易協定の審議が打ち切られたことに抗議した台湾の学生たちは、(日本の国会にあたる)立法院を占拠した。マス

【Interview】 作品選びは、主婦同士の会話から〜『優れたドキュメンタリー映画を観る会』代表 飯田光代さん

新宿から京王線で10分ほどの「下高井戸」。駅のすぐそばにある名画座「下高井戸シネマ」で、毎年この時期(4月下旬の一週間)行われるドキュメンタリーの上映会。それが『優れたドキュメンタリーを観る会』だ。今年で15年目、のべ3

【Preview】アニメーションとドキュメンタリーが交わる??――〈GEORAMA 2014〉開催!! text 岩崎孝正

「本誌neoneo02号、03号に連載されている土居伸彰氏のコラム『アニメーションとドキュメンタリーが交わるとき』を参考に、『GEORAMA 2014』の紹介記事を書いてください」と編集部の萩野さんから電話があった。アニ

【Report】行為と演技、虐殺の〈アクト〉をめぐって――世紀の問題作『アクト・オブ・キリング』 text 植山英美

本年度米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート、ベルリン国際映画祭観客賞など、全世界60以上の映画賞を受賞したドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』の上映、記者会見が、3月20日 都内・日本外国特派員協会

【Review】 〈グロテスク〉から遠く離れて――『アクト・オブ・キリング』 text 井上二郎

|初見と困惑 『殺人という行為』が2013年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で公開され、賛否両論を含めて、大きな反響をもたらしたことは記憶に新しい。本作はこの4月、『アクト・オブ・キリング』というタイトルで渋谷・イメージ

【Interview】ドキュメンタリーだから、届けたいーー第3回うらやすドキュメンタリー映画祭 中山和郎さん

今日から3日間「第3回うらやすドキュメンタリー映画祭」が開催される。ディズニーランドのお膝元・千葉県浦安市で開催されるこの映画祭は、どちらかといえば「社会派」と目される、硬派な作品のセレクションが特徴でもある。主催の中山

【Interview】なぜ、いま“芝居”なのか――『イヌミチ』 万田邦敏監督インタビュー text 小岩貴寛

『UNLOVED』『接吻』などで知られる万田邦敏の新作『イヌミチ』が3月22日(土)よりユーロスペースにてレイトショー公開される(以下全国順次公開)。『接吻』(2008)の制作から7年という時間を経て制作された『イヌミチ

【News】3/29(土)公開★よろこびも、かなしみも、夢になる。――『夢は牛のお医者さん』

昭和62年、新潟県の山あいにある小さな小学校に3頭の子牛が“入学”した。 まっすぐに夢を追った少女の26年間に密着したドキュメンタリー映画。 ◆出会い 報道記者だった私と知美さんとの出会いは、昭和62年。 「クラスメート

【News】3/21(金)開催!『シネマパラダイス★ピョンヤン』公開記念・北朝鮮カルチャーショック講座!

奇妙で不可解な国は知られざる映画王国だった! 北朝鮮の映画界に初めて密着したドキュメンタリー 『シネマパラダイス★ピョンヤン』(監督:ジェイムス・ロン、リン・リー/原題:The Great North Korean Pi

【News】3/22(土)ピーター・バラカン氏×生井英考氏トークイベント開催!★『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』絶賛公開中!

ただいまシアター・イメージフォーラムにて公開中の映画『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』。来たる3/22(土)に、公開記念のトークイベントが開催される。 ゲストは、ピーター・バラカン(ブロードキャスタ

【Review】「ローカル/アイドル」ドラマというケミストリー――『あすなろ参上!』に見るアイドルドラマの現在 text 渡邉大輔

『あすなろ参上』より©マッドマガジンレコード・徳間ジャパンコミュニケーションズ 『あすなろ参上!』(2013)は、映画監督・真利子哲也の最新作である。と同時に、愛媛・松山を舞台とするこのアイドル青春ドラマは、ジャンルの別

【Review】「戦争」を語り継ぐために―映画『永遠の0』に寄せて text 若林良

©2013「永遠の0」製作委員会 近年の太平洋戦争を題材にした映画には、少しずつ、しかし確実に増えつつある視点が存在する。それは、戦争の記憶をいかに伝えるか、また現在の人々がそれをどう受け止め、生きていくかという視点であ

【Review】『ドストエフスキーと愛に生きる』翻訳の余白に text 渋谷哲也

『ドストエフスキーと愛に生きる』。ロシア文学のドイツ語翻訳者スヴェトラーナ・ガイヤーという人物を追ったドキュメンタリーだ。翻訳がテーマになった映画の字幕翻訳をするのは初めてである。まるで映画に自分の翻訳を試されているよう

【Review】『北朝鮮強制収容所に生まれて』(マルク・ヴィーゼ監督) text 小林蓮実

 『北朝鮮強制収容所に生まれて』より ©Engstfeld Film GmbH/BR/WDR/ARTE 2012  単なる政治批判にとどまらず過酷なリアルを通じ「人間とはいかなる存在か」を描いたドキュメンタリー わたしは

【Interview】思い切りアニメーションを浴びたい/浴びせたい――『ワンダー・フル‼』水江未来監督インタビュー text 岩崎孝正

アニメーション作家・水江未来さんは、今回、79分の長編映画『ワンダー・フル!!』(2014)を発表する。手描きにこだわり個人制作をつづけるアニメーション作家が、膨大な時間と枚数のかかる作業を、10数年間続けてきた。今回の

【Report】映画評論家・町山智浩が読み解くリアル・フィクション映画『ザ・イースト』公開記念トークショー text 皆川ちか

環境汚染や健康被害をもたらす大企業を標的に、テロ活動を繰り返す環境テロリスト集団<イースト>。元FBI捜査官ジェーンは<イースト>に潜入し、彼らと活動を共にする。<イースト>の過激な思想に最初は反発を覚えていたジェーンだ

【Interview】『ホームレス理事長 ~退学球児再生計画~』阿武野勝彦プロデューサー インタビュー

   『ホームレス理事長』より ©東海テレビ放送 『ホームレス理事長 ~退学球児再生計画~』(監督:圡方宏史)。 全国の上映会も含めて4万人を動員した『約束 名張毒ぶどう事件 死刑囚の生涯』(2012/監督:齊藤潤一)に

【Review】「さわる文化」としての映画――ドキュメンタリー映画『渚のふたり』text堤拓哉

横に並んで食卓に着き、食事する二人の男女を映し出すスクリーンに、次のような字幕が二行に渡って表示されています。「チョ・ヨンチャン 視覚障害1級 聴覚障害5級(韓国)」。その右側には、「キム・スンホ チョ・ヨンチャンの妻」

【Preview】2/7上映『アーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄の男』の見どころはココだ!text 萩野亮×若木康輔

いよいよあす2/7(金)から5日間にわたって開催されるドキュメンタリーの冬の祭典、第5回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル(ZKDF)。毎年テーマを設定して、映画とテレビからセレクトされるユニークなラインナップと多