【Review】一万の砲弾、一万の建築ーー『セメントの記憶』 text 萩野亮
「中東のパリ」と呼ばれた街のいま 一万の砲弾が降り注いだ街で、僕はジョルジュを待っていたーー(*1)。 ラウィ・ハージの小説『デニーロ・ゲーム』は、このような書き出しで始まる。30カ国以上で翻訳されたこの物語は、永遠に続
【最新刊】ドキュメンタリーマガジンneoneo #09 完全保存版「いのちの記録 障がい・難病・介護・福祉」
7月7日新発売! ドキュメンタリーマガジン「neoneo」#09 完全保存版 「いのちの記録 障がい・難病・介護・福祉」 柳澤壽男特集:講演録、エッセイ、『夜明け前の子どもたち』論 インタビュー:羽田澄子、関口祐加、土肥
【好評発売中】最新刊!ドキュメンタリーマガジン「neoneo」08 総特集 アジアのドキュメンタリー
12月17日新発売!ドキュメンタリーマガジン「neoneo」#08総特集 アジアのドキュメンタリー巻頭インタビュー 佐藤忠男テーマ別アジアドキュメンタリー論考/作品ガイド「アジアと日本」「ジェンダー」「少数民族」「虐殺の
【Interview】祈りと抵抗、チベットの手ざわりをもとめて――池谷薫監督が語る『ルンタ』 取材・文=萩野亮
2008年、北京オリンピック開催前夜のチベット。世界へアピールする好機として全土で平和デモが行なわれると、中国当局は容赦なくこれを弾圧、亡命政府の発表によれば、ラサだけでも200名以上のチベット人が亡くなったとされる。チ
【Interview】人間の悪、あるいは悪の人間性について――ジョシュア・オッペンハイマー監督が語る『ルック・オブ・サイレンス』 text 萩野亮
きょう7月4日、ジョシュア・オッペンハイマー監督の新作『ルック・オブ・サイレンス』が渋谷シアターイメージフォーラムで封切られた。昨年同館で連日長い列を作った『アクト・オブ・キリング』の続篇に位置づく作品である。 196
【Interview】乱交するヴィジョン――ルーシァン・キャステーヌ=テイラー+ヴェレナ・パラヴェル監督が語る「ハント・ザ・ワールド ハーバード大学感覚民族誌学ラボ傑作選」 text 萩野亮
6月12日より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開中の特集上映「ハント・ザ・ワールド [ハーバード大学感覚民族誌ラボ 傑作選]」では、人類学者にして映像作家である6名による4作品が上映されている。 『モンタナ 最後の
【News】1/27(火)開講★映画とひとをつなげるワークショップ 「シネマ・キャンプ」第2期映画批評・ライター講座 受講者募集中
CINEMA CAMPシネマ・キャンプ 映画批評・ライター講座 1/27 第2期 開講! 受講生募集中!第2期シネマ・キャンプを開講します。今期は、前回の「映画ライター講座」の発展編とも言うべき「映画批評・ライター講座
【連載】documentary(s) ドキュメンタリーの複数形 #02「存在と類似――『美味しんぼ』「福島の真実」編を読む」 text 萩野亮
連載再開にあたって 2014年5月から開始したこの連載は、月に一度のペースで発表する予定でいましたが、筆者の健康状態から、半年のながいお休みをいただくことになってしまいました。読者のかたがた、および本誌編集部にふかくおわ
【Interview】ドキュメンタリー・フォトグラファーの肖像 #01 友となり、隣人となり、暮らしのなかでシャッターを切る――藤元敬二さん
「ドキュメンタリー写真」という領域がある。いずれもその境界線はあいまいなものながら、報道写真でもアート写真でもなく、そのはざまに身に置きながら、状況のなかにあるさまざまな人間を、あるいは人間がつくり出すさまざまな状況を、
【Interview】小康(シャオカン)とともに生きた20年――ツァイ・ミンリャン[監督]&リー・カンション[出演]、商業映画引退作『郊遊〈ピクニック〉』を語る text 萩野亮
ツァイ・ミンリャンが映画界を引退する――。その報せは台湾の映画メディアを通じて世界中に衝撃をもたらした。ことのしだいについては、この取材記事の最後に監督自身が語ってくれている。2013年のヴェネチア国際映画祭で審査員大賞
【Interview】世界を新たな目で見るために――『リヴァイアサン』ルーシァン・キャステーヌ=テイラー & ヴェレナ・パラヴェル監督に聞く text 萩野亮
日本での公開が待たれていた『リヴァイアサン』(2012)が、去る8月23日、ついにシアターイメージフォーラムで封切られた。『白鯨』(ハーマン・メルヴィル)の舞台でもある北米ニューベッドフォードから、黒く荒々しい夜の海へ出
【Interview】はじめて記録される築地市場の四季―― 『Tsukiji Wonderland』(仮題) 手島麻依子さん[企画]・遠藤尚太郎さん[監督]に聞く
古くは江戸時代の魚河岸に始まり、現在の地に移ってからおよそ80年のあいだ「日本の台所」として存在しつづけてきた築地市場。その規模は、日本はおろか世界最大を誇り、和食への世界的な関心の高まりとともに、連日多くの外国人観光客
【Interview】人形に魂を込めることが、虐殺へのレジスタンスだった――『消えた画 クメール・ルージュの真実』 リティ・パニュ監督に聞く text 萩野亮
リティ・パニュ監督の最新作『消えた画 クメール・ルージュの真実』が7/5(土)より渋谷ユーロスペースで公開される。極左政党クメール・ルージュの時代に生を享け、フランスにおいて劇映画とドキュメンタリーの双方でキャリアを重ね
【Interview】型破りな父 エドモンド・ヒラリーの偉業――『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』 ピーター・ヒラリーさん text 萩野亮
1953年5月、ニュージーランド出身の登山家エドモンド・ヒラリー卿が、テンジン・ノルゲイとエベレスト初登頂を遂げた。映画『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』は、俳優による再現映像や貴重な証言の数かずによ
【Interview】現代中国に渦巻く矛盾、人間の内なる暴力を問う――『罪の手ざわり』ジャ・ジャンクー監督 text 萩野亮
第66回カンヌ国際映画祭脚本賞を受けたジャ・ジャンクー監督の新作『罪の手ざわり』が、2014年5月31日より渋谷Bunkamura ル・シネマにて公開されている(他全国順次)。登録者がじつに5億人ともいわれている微博(ウ
【新連載】documentary(s) ドキュメンタリーの複数形 #01「SとOの肖像:佐村河内守と小保方晴子の会見映像を見る」 text 萩野亮
|左、あるいは心臓の搏動を感じる場所 たとえば、「左」ということばを辞書で引いてみる。手もとの新明解国語辞典(第四版)にはこうある。 ひだり【左】⇔右 ①アナログ式時計の文字盤に向かった時に、7時から 11
【News】6月開講★映画を、学ぶ。映画で、遊ぶ。――人と映画を繋げる「シネマ・キャンプ」映画ライター講座&配給・宣伝講座
「シネマ・キャンプ」とは、映画に「より一歩近づきたい」人のための映画講座です。観客として、映画を観るだけでなく、能動的にもう少し映画と関わりたい。でも何から関わっていけばよいのか分からない、という人は意外と多いのではない
【Interview】 生誕100年★トーベ・ヤンソンの映画3部作/ムーミンからフィンランドの映画事情まで――リーッカ・タンネル監督
2014年2月に渋谷・ユーロスペースにて開催されたトーキョーノーザンライツフェスティバル2014では、ムーミンの原作者トーベ・ヤンソン生誕100年を記念して、トーベに関する8ミリフィルムをもとにした映画3部作のうちの2本
【Interview】思い切りアニメーションを浴びたい/浴びせたい――『ワンダー・フル‼』水江未来監督インタビュー text 岩崎孝正
アニメーション作家・水江未来さんは、今回、79分の長編映画『ワンダー・フル!!』(2014)を発表する。手描きにこだわり個人制作をつづけるアニメーション作家が、膨大な時間と枚数のかかる作業を、10数年間続けてきた。今回の
【Preview】2/7上映『アーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄の男』の見どころはココだ!text 萩野亮×若木康輔
いよいよあす2/7(金)から5日間にわたって開催されるドキュメンタリーの冬の祭典、第5回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル(ZKDF)。毎年テーマを設定して、映画とテレビからセレクトされるユニークなラインナップと多
【Interview & Report】鉄くずに怒りをこめて映画に託す――『鉄くず拾いの物語』ダニス・タノヴィッチ監督インタビュー&シンポジウムレポート
2013年のベルリン国際映画祭で最優秀男優賞を受けたのは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの寒村に住まう、演技経験のないある鉄くず拾いのロマ系の男性だった。男性の名前はナジフ・ムジッチさん。ロマへの差別と貧困のため、ムジッチさ
【Interview】その人の立つところで撮る――『はまゆりの頃に 三陸、福島2011~2013年』田代一倫さんインタビュー
カメラを抱えて単身、震災の被害を受けた三陸・福島へ。2011年から2年にわたって東北へ通いつづけた写真家と人びととの出会いは1200を数え、453点のポートレートとなって写真集に編まれた。そのすべてが人びとの全身を収めた