【連載】「ポルトガル、食と映画の旅」第10回 アルガルヴェ、ポルトガルのなかの異郷 text 福間恵子
福間恵子 ポルトガル、食と映画の旅第10回 アルガルヴェ、ポルトガルのなかの異郷<前回 第9回 はこちら>2007年冬、それまで敬遠していた南部アルガルヴェ地方への旅に出た。アルガルヴェは、ポルトガル南部の海に面した地中
【自作を語る】『デンジャラス・ドックス』 text ガスパール・クエンツ (『渦 UZU』監督)
毎年秋に松山道後で行われる喧嘩祭りの話を初めて聞いたのは、2014年の夏、映画プロデューサー辻本好二氏からだった。日本に「喧嘩祭り」と呼ばれる激しい祭りがあることは知っていたものの、向かい合った二体の大神輿が真正面でぶつ
【Interview】自分の中の「殻」をいかに崩すか――『禅と骨』中村高寛監督インタビュー text 若林良
長編処女作『ヨコハマメリー』で大きな称賛を浴びた、中村高寛監督の新作『禅と骨』が公開されている。前作から実に11年、満を持しての新作は、「ドキュメンタリー」という枠に留まらない、さまざまな野心に満ちた怪作であり、快作であ
【Review】差別のなかで自身の根源的なルーツを切望する少女の過去と現在‐‐『サーミの血』 text大内啓輔
(c) 2016 NORDISK FILM PRODUCTION 『サーミの血』という題名だけを聞くと、本作が「サーミ人」という固有の民族をめぐる物語であると想起するかもしれない。自身もサーミの血をひくという監督のア
【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第55話 第56話
開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして第55話 『旅の贈りもの 0:00発』その1<前回 第53話 第54話はこちら>『大阪発0:00』もう少しで完成だったその作品は、『大阪発0:00』と題
【Review】言葉のもつ力 ~『もうろうをいきる』(西原孝至監督)text 大久保渉
「戦争するな!」路上で声を揃えて絶叫する群衆。「どこ見て政治やってんだよ!」声を枯らしながら怒鳴る男性。2015年6月から毎週金曜日に国会議事堂前で安保関連法案に対する抗議活動を開始した学生団体「SEALDs」(シールズ
【Interview】かつて本気で三里塚に関わった人を訪ねて 『三里塚のイカロス』 代島治彦(監督)×加藤孝信(キャメラマン)
代島治彦監督(左)、加藤孝信キャメラマン(右)かつて本気で三里塚に関わった人を訪ねて『三里塚のイカロス』 代島治彦(監督)×加藤孝信(キャメラマン)インタビュー『三里塚に生きる』から3年。代島治彦監督が、同じ三里塚を舞台
【Review】現在と沖縄戦後史の間に回路を切り開くドキュメンタリー『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』text 松田潤
沖縄戦後史は1972年の施政権返還を境に日本国史(戦後日本史)へと再編入された。しかし、両者を「戦後」という歴史認識においては一括できない質の違いが今も現前としてある。というより、「戦後」なるものの不在こそが沖縄の戦後史
【Interview】根底は「ひとりの人間の強さ」を描くこと――『リベリアの白い血』福永壮志監督インタビュー text 若林良
渋谷アップリンク他で公開中の『リベリアの白い血』。前半をリベリア、後半をニューヨーク(以下:NY)というふたつの国を舞台とした作品で、リベリアのゴム農園で過酷な労働を強いられる主人公シスコが単身アメリカに渡り、都会の中
【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第53話 第54話
開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして第53話 2000年代前半に手がけた作品①<前回 第51話 第52話 はこちら>PTU作品は香港のジョニー・トー監督による『PTU』(2003年)である
【連載】「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第26回 『LENNY BRUCE-AMERICAN』
レニー・ブルースは毒舌で社会を騒がせた、伝説的コメディアン。反体制の英雄か、それとも不道徳な破壊者か? 真価を封じ込めた絶頂期の舞台録音。レニー・ブルースを知っていますか廃盤アナログレコードの「その他」ジャンルからドキュ
【Review】『アピチャッポン・ウィーラセタクン 光と記憶のアーティスト』 text 佐藤奈緒子
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の映画は、見るものを未体験の困惑にいざなう。特に初めて見た時は不可解すぎてほとんど寝てしまったし、同じ映画を見た人とも話が噛み合わず狐につままれたような体験をした。そうした分かりにくさ
【Report】公開直前!『台湾萬歳』台湾の撮影地、台東・成功鎮で現地試写会リポート text 田中美帆
さつまいもの形をした台湾の東南部に、カジキの突きん棒漁で知られる港がある。町の人口はおよそ1万5,000人の台東県成功鎮だ。『台湾人生』『台湾アイデンティティー』と日本統治時代も含めた激動の台湾史を、日本語教育を受けた世
【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第51話 第52話
開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第51話 温泉まんじゅう大使に任命<前回 第50話 はこちら>温泉まんじゅう大使翌2004年初めに、郷里の大川清仁伊豆長岡町長から受け取ったのは、<温
【Review】ネオ・パラレル・ドキュメンタリーの秀作『ケイト・プレイズ・クリスティーン』 text 大田裕康
『ケイト・プレイズ・クリスティーン』は、1974年7月、フロリダ州サラソタのテレビ局で実際に起こった、ショッキングな事件の真相を解き明かそうとするドキュメンタリーである。ニュース番組を受け持っていたクリスティーン・チャバ
【連載】「ポルトガル、食と映画の旅」第9回 ニコの食堂 text 福間恵子
福間恵子のポルトガル、食と映画の旅第9回 ニコの食堂<前回(第8回)はこちら>日本の6月は梅雨のじめじめだけれど、ポルトガルでは暑さがまだゆるくてさわやかな天候のいい季節である。首都リスボンの6月は、聖アントニオ祭(Di
【最新刊】ドキュメンタリーマガジンneoneo #09 完全保存版「いのちの記録 障がい・難病・介護・福祉」
7月7日新発売! ドキュメンタリーマガジン「neoneo」#09 完全保存版 「いのちの記録 障がい・難病・介護・福祉」 柳澤壽男特集:講演録、エッセイ、『夜明け前の子どもたち』論 インタビュー:羽田澄子、関口祐加、土肥
カンボジア小特集②【連載】ドキュメンタリストの眼⑱ リティ・パン監督インタビュー text 金子遊
カンボジアのリティ・パン監督は少年期に、ポル・ポト率いるクメール・ルージュによる強制労働と虐殺の時代を経験し、家族の何人かとも死別した。その後、フランスに亡命して映画作家となり、粛清の時代の真実に光をあたるドキュメンタリ
カンボジア小特集①【Report】 カンボジアのドキュメンタリー映画事情 —リダ・チャン『Red Wedding』上映会 text 歌川達人
会場の様子 左から藤岡朝子(通訳)、リダ・チャン、ナリン・サオボラ、尾崎竜二(聞き手) カンボジア映画といえば、『消えた画 クメール・ルージュの真実』や『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』で知られるリティ・パン監督
【Interview】美しい人生を生きてきた両親だと思っています~『きらめく拍手の音』イギル・ボラ監督インタビュー
韓国のドキュメンタリー『きらめく拍手の音』が、6月10日からポレポレ東中野で公開されている。聴覚障害者同士の夫婦の日常を、その二人の長女であるイギル・ボラが紡いだ瑞々しい映画だ。聴覚障害者を親に生まれ、成長過程で葛藤を経
【Special News】今年で終了!?20年の集大成「ゆふいん文化・記録映画祭」 6月23日(金)-25日(日)text 大塚大輔
今年でお別れ?「ゆふいん文化・記録映画祭」のみどころ紹介普段ならほぼ毎日雨のこの時期。でも、今年の九州(だけではないけれど)はなかなか降らない。でもムンムンした夏は間違いなくやって来る…と思う頃の恒例行事と言えば、「ゆふ
【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第50話
小学校正門前にて。卒業時に仲良しの友人たちと。向かって一番右が筆者開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第50話 美しい夏キリシマ③/ラスト・プレゼント<前回 第48話、第49話はこちら>